風見の手記
ここでは風見が記した医療道具、魔物などの手記を公開しています。
例によってネタバレなのでご注意ください。
また、本編では描ききれなかった細かすぎるネタも手記なので掲載します。
あくまで手記なので彼らしい文面、難しい説明、仲間からの追記などもたまに入っております。
○医薬品
消石灰
消毒薬。
漆喰などの建築材料に使う水酸化カルシウムを流用。とても安価で獣医と防疫の味方。
作り方は貝殻を粉にして焼き、水を加えるのみ。
消毒漕として使う時は水に溶かし、畜舎などの消毒や防疫に使う時は粉のまま散布したりする。
発熱・強アルカリ性のおかげで細菌、ウイルス、一部の寄生虫などに効果あり。
エタノール
消毒薬。
アルコール度数がかなり高い酒を流用。70~80%前後もあれば最も効果的。
たまにリズに飲まれる。
寄生虫やエンベロープを作らないウイルス、芽胞を作る真菌などには無効であるものの、グラム陰性菌・陽性菌、エンベロープを有する一般ウイルスには有効。
硫酸
南の帝国には火山がいくつかあるために硫黄が豊富に存在した。
そのため、すでに学業ギルドで生成されていた。
様々なものを作るのに使えるし、武器にもなる。
ジエチルエーテル
吸入麻酔薬。エーテルなどとよく略される。
エタノールに学業ギルドから購入した硫酸を加えることで作成。
患者に吸わせることで数分もすれば麻酔効果を得られ、かなり強い筋弛緩作用も得られる。
鎮痛・麻酔効果も強いが気道の刺激・収縮があるので注意。嗅がせすぎると呼吸困難、呼吸停止にも陥るが落ち着いて人工呼吸で蘇生すればまず問題ない。
また、麻酔としての効果を利用して自白剤としても若干使える。←シンゴも悪くなったものだね
よく燃えるので火気厳禁。また、飲んだら酔えるがとても気化しやすいので大変危険。
モルヒネ
麻薬性鎮痛剤。
ケシから抽出し、精製したモルヒネ硫酸塩。
脊髄及びその上位中枢における鎮痛。
低用量では痛覚を抑制し、中用量では痛覚の鈍化と催眠。
通常は患者に飲ませることで使用。副作用は嘔吐、便秘。
応用は鎮痛、抗下痢、鎮静、鎮咳など。
耐性、依存性、禁断症状が出るので連続投与は避けたいところ。
抗生物質
落ち葉の下などにいる放線菌より作成。
目標は肺炎に効果のあるものと、傷の感染症を防げる程度のもの二種。
まだ拒絶反応を多く出すようで改良は必要。
リン酸
骨を硫酸によって溶かし、結晶化することで精製。
肥料・実験用の薬品・人工授精に用いる緩衝液などに利用。
卵黄リン酸緩衝液
家畜の人工授精を行うために使う保存液。
卵黄、リン酸、生理食塩水を混ぜて作る。
精液を数倍から数十倍に薄めても二・三日程度は生かして保存が可能。
精力剤・滋養強壮剤
マンドレイクより生成。煎じて飲むだけでも効果がある。
未熟なマンドレイクは朝鮮ニンジンなどのように漢方薬的な効果がある。
向精神薬・媚薬
マンドレイクより生成。マンドレイクをすり潰した後に分離するなど多少の抽出作業が必要。
脳内分泌物に作用するようでうつ病改善にも効果があるが、行き過ぎると媚薬などになってしまう。
寄生虫用の駆虫薬
ニガヨモギかと思いきや、ただの毒草だった。←いきなり食べないでください。
それらしい材料はそこそこ手に入ったので今後作成予定。
デキストリン・マルトース・グルコース
デンプン水溶液に硫酸を足して作った糖。
局所麻酔薬
コカイン、ベンゾカインなどと似たような薬草の天然成分で作った軟膏。
ベンゾカインとは別名アミノ安息香酸エチルという。
簡単に言うと打ち身に吹きかけるスプレーに入っている成分の一つ。
ただし、鎮痛効果は少ない。
生石灰
酸化カルシウムの別名。
貝殻を焼いた状態でできるもの。乾燥剤などにも使われる。
これに水を加えることで水酸化カルシウムを作るが、その時の発熱は最大で数百度と凄まじい上にアルカリ性なので皮膚が溶ける。
良い子は食べてはいけないし、投げてもいけない。←つまりシンゴは良い子ではないということに ←良い子ですっ ←いや、大人な
利尿薬
薬草から取った基本的なものや、マンニトールのような浸透圧利尿薬(尿を濃くして水分を多く出す)を作成。
抗凝血剤
スイートクローバーなどマメ科植物が腐った時にできるジクマロールという成分。
似たものだとワルファリンがあるが、これはジクマロールを参考に化学合成したもの。
元はスイートクローバー中毒といい、傷んだスイートクローバーを牛や羊が食べて出血が止まらなくなったことから発見された実話がある。
オゾン水
水を電気分解し、さらに無声放電でオゾンを作り、それをバブリングして作った水。
酸化作用による消毒効果なので薬剤耐性菌も関係ない。
分解して酸素に戻りやすいので副作用は少ないと考えられている。
○道具
ガラスピペット
ガラス職人に作成してもらった。
通常のピペットのみならず、パスツールピペットと呼ばれる極細の先端を持つピペットも手に入る。
万が一注射器が手に入らない時は針で穴を開け、これを刺して薬品を投入する。
縫合用の針
釣り針を流用。
返しなどは削っている。
絹糸
皮膚などの縫合糸として利用。
動物性タンパク質なので拒否反応の恐れも高め。
コンパウンドボウ
滑車付きの弓。
ドローイング重量が軽くなり、ただの弓と同じ重さでロングボウと同じ飛距離となる。
エルフの職人ではなく、ドワーフの職人に依頼。
カットグッド
吸収性縫合糸。
羊の小腸漿膜――つまりは腸ヒモを石灰につけ、硫黄ガスに晒すことで作成。←マズかった。 ←食うな。 ←肴には合いませんわ ←こら、そこの食肉目ども
内臓など抜糸できないところの縫合に使用しても体が吸収してくれる。
ただし、違う動物のタンパク質なので拒否反応は強い。
注射針
ラダーチにおいて購入。
元は膿排出用であり、職人の腕を競うために作られた針。
太さは18ゲージほどで献血針と同じ程度とかなり太め。
シリンジ
ガラス製。
ただの筒状の硝子なのでガラス職人なら特に問題なく作成可能。
輸液パックなどのセット
グランドオークの力でツル科植物などを変形。
植物の道管を利用しているのでホース状を作るのは意外に難しくない。
○農業・畜産・医療技術
スライム農法
落ち葉などを分解者であるスライムによって分解してもらい、素早く畑の肥料にする農法。
現在スライムを飼育しつつ考案中。
細胞培養
クロエの律法により可能。
培養液には血清を利用。
いつかは律法の強化に血液を頼らないでもよくなるかもしれない。
人工授精
卵黄リン酸緩衝液により、牛などの家畜の精液を薄めてメスに注入する。
一回では数十匹から百匹、年間では数千から一万匹以上の数は理論的に受精可能となる。
投与する位置は動物によって異なり、牛でも数センチ程度の誤差しか許されない位置に注入しなければいけないため、その技術を伝授。
種牛を多く飼わないでもいいため、去勢して質の良い肉用の牛も増やすことができる。
精液採取法
1人工膣法、2電気刺激法、3精管マッサージ法、4雌を使って射精させた後に横取りする方法を伝える。
1は擬牝台に人工の膣を付けて横取りする方法。
2は電気で精管をマッサージする方法。←ぜったい手伝わない!
3は直接刺激する方法。←あらあら、まあまあ
有機肥料作り
抗生物質作りの放線菌の失敗作を家畜の糞などに撒いて実用化中
グリフォンやペガサスの家畜化
目下検討中。
飛竜はいるけど、オスメスのセットがいない。
多血小板血漿注入(PRP)療法
骨折した場合などに使う。
使用法は採血し、遠心分離し、上澄みに含まれる血漿を創傷部位に注入する。
要するに自己治癒を誘導するものがたくさん含まれた状態を人工的に作るもの。
美容にも応用されている。←それについて詳しくお願いします! ←右に同じくですわ
自己血輸血(?)
骨髄液を取り、そこから血液幹細胞を取ってクロエの律法で増殖させ、体内へ注入し直すのみ。
赤血球、白血球など全体的に増やせるがどれか一つの身を選択して増やすには現代の特殊な薬品が必要。
大量自家血オゾン療法
オゾンを静脈血に通し、体内へ戻すだけ。
けれどもオゾンの酸化効果によって殺菌や、その他の免疫作用の促進を期待できる。
クイナのおかげで使えた技術。←もっともっと役に立ちたい!
○異世界の生物
スライム
体長:60cm
律法:なし
討伐難易度:F(下級)
友好度:仲良くなれる……?
真菌の一種。
かなり動物寄りで徒歩の半分程度の速度で移動が可能。
ただの真菌・粘菌に比べると移動に用いる組織や消化に使う細胞小器官が非常に発達している。
体表面は水分の蒸発を抑える特殊な膜で覆われており、粘液を飛ばすことで攻撃するがその射出孔は限られる。
本来は小動物の死体や植物、老廃物などを分解する分解者で湿った暗い場所を好む。
対策はナメクジのように粉や塩などを掛けるだけで十分。
すぐに倒す時は中心の核を潰すと体が崩れ、浜にあげられたクラゲのようになる。
グール
体長:感染動物による
律法:使う知恵はない
討伐難易度:E(下級)
友好度:仲良くなるのは無理。
腐敗臭がする死体と言われていた。
実際はヒュドラの体にある細胞小器官――俺的に言えばナノマシンみたいなものがヒュドラ以外に感染すると起こる病気のようなもの。
ヒュドラ以外の生物に入ると筋肉や脳で変化が起こり、徐々に狂暴化する。グールの死体を生食することでも感染。
腐敗臭がするのはグール化する途中で体の機能が弱るのに死体に食らいつき、口腔や内臓が壊疽を起こしたため。腐敗菌とは共存関係な模様。
倒す時は体液に触れずに倒すように心掛けないといけない。
スケルトン
体長:寄生動物による
律法:地属性
討伐難易度:F(下級)
友好度:多分無理。
スライムの亜種が人骨に巣食い、律法で操作したもの。
ある意味ゴーレムに近い。
スケルトンとして骨に巣食うスライムは神経細胞のようなものが発達しており、ただのスライムより知覚や行動のレベルが高くなっている。
集団で冒険者を襲うことが多く、逃げれば武器の投擲。逃げなければ武器をめちゃくちゃに振り回す程度を行う。
倒した獲物はスライムが這い出してきて捕食。
倒す時は頭蓋骨などに巣食うスライム自体を狙わないと何度でも蘇る。ただし、スライムの律法は長く続かないので五分も戦うと電池切れとなる。
対処的にはスライムと同じでいいが少々耐久度が高い。
ヒュドラ
体長:15メートル 体重:4.5トン
律法:水または毒属性
討伐難易度:A(上級)
友好度:もっと早く出逢ってみたかった。←英雄譚がもっと輝かしくなりましたよね!
多頭の竜種。
毒属性または水属性の律法やブレスを使うのが通常。洞窟の底などに巣食うがかなり希少。
ピット器官などを持ち、生態としてはヘビに近い。
頭同士でケンカしたり、仲間割れするのかいつか調べてみたい。
竜種なだけあって通常の武器では竜鱗を傷つけることさえできない。
さらに筋肉は特殊で軽く、強靭。体重は同サイズの恐竜の半分程度。←食えそうにない。 ←だから食うな。
また、体に特殊な細胞小器官を持つのか体液が生物に入るとまずアナフィラキシーショックを起こさせ、生き残ってもグール化を起こさせる。
弱点は鱗のない眼球や口腔。ガスや薬物を投与するのも効果的と思われる。
ゴブリン
体長:1.3メートル
律法:なし
討伐難易度:F(下級)
友好度:一緒に笑い合った仲。
子供サイズの魔物。
顔は醜く、背格好は人間に近い。
知識は高い方だが力は非力なので引っ掻くか棍棒を振り回す程度が通常のゴブリンの攻撃法となる。
また筋力や骨が弱く、餓鬼のように腹が出ているため打撃などにはめっぽう弱い。
解剖してみたところ、胃の内容物から普段は森の木の実や虫、小動物などを雑食していたようだった。
彼らは山中の洞窟にコロニーを作り、共同で生活する例も多い。
コボルト
体長:1.4メートル
律法:なし
討伐難易度:F(下級)
友好度:喉を鳴らしてくれる程度の仲。
犬に近い見かけをしているがチンパンジーやゴリラのような姿形をし、移動もそれに近い。
二足歩行もできるが開いた手で武器を扱う知恵はなく、引っ掻きやかみつきが主な攻撃。
犬とも類人猿ならぬ類人犬にもなりきれていないために弱い。
もっぱら肉食の様子。
マンドレイク
体長:30~40cm
律法:なし
討伐難易度:F(下級)
友好度:よく判らん。
マンドレイクの雄株。
未熟なものは土に埋まって成熟を待っており、抜くと大絶叫をする。←もう二度と聞きたくないね。
その音は160~180デシベル(飛行機のエンジン近くで120デシベル)のスタングレネードも凌ぐと思われ、鼓膜が破れるのはもちろんのことあまりの空気の振動に脳の細胞などがいかれてしまう模様。
完熟すると勝手に土から這い出し、獲物を探し歩く。
この頃になると幻覚作用の強い成分を体に蓄え、その花粉をまき散らして獲物を幻惑させ、アルラウネのエサにする。
弱点は特にないが、根なので普通の鎌でもあれば楽に倒せる。
引っこ抜かれて、戦って、薬にされる運命。
アルラウネ
体長130~190cm
律法:なし
討伐難易度:E(下級)
友好度:今後ともぜひ仲良くしておきたい←ダメです
マンドレイクの雌株。
下半身は大きな花となっていたり、ツタの集合体になっていたりするが総じてハエジゴクのような大口を持っており、そこで獲物を捕食する。
アルラウネ自体にはマンドレイクと違って大した薬効はない模様。
容姿は美女そのものなので男をかどわかし、精をすすりながらツタで絡め取って捕食したり、マンドレイクの花粉で眩惑したものを食らう。
また、アルラウネはしっかりと地面に根付いているために移動できない。
闇市場では捕えたアルラウネを奴隷代わりに売る例もあるらしい。ただし根から切り離すと一週間もせずに枯れる。
マンドレイクと同じく倒した時の絶叫は大きいが、まだ耐えられるレベル。
弱点は特にないが、ツタの攻撃範囲が10メートルもないので火矢で攻めれば簡単に倒せる。
しかし下半身さえ生きていれば再生可能な模様。
ハーピー
体長:150~180cm
律法:風属性
討伐難易度:D(中級)
友好度:もう少しじっくりと話し合ってみたかった←ダメです
半人半獣の魔物。
肩甲骨、大腿部の部分から鳥類と同じ骨格を持つ魔物。人語は解さない。
大きな翼で滑空するか、律法により上昇気流を生み出して飛ぶ。ちょうどハンググライダーをするような感じ。
アルラウネと同じく、風切り羽を取られた後のハーピーは闇市場に出回ることがある。
渡り鳥のようにかなりの距離を移動するが基本的にどこに行っても人を襲うことは少ない。
また、オスのハーピーはこちらの世界だとハルピュイアと呼ばれて区別されるらしい。
ゴーレム
体長:150~500cm(地形・材質による)
律法:地属性
討伐難易度:E(下級)
友好度:栄養が足りないと何でも襲う
岩石を殻にする軟体生物。
攻撃力・防御力共に岩石を強化したものなだけあって強力。
ただし、魔石を狙えば自重で崩壊する上に行動も遅いので命を落とすのは反撃を食らった冒険者くらい。
神経としての触手をゴーレム内部に走らせており、それがあることで自分の肉体と律法の発動範囲を決定している。
倒した生物の死体の上に覆い被さり、触手で溶かしてじっくりと栄養を取る。
シルバーゴーレム←こいつ、きらい
体長:150~500cm(鉱脈の大きさによる)
律法:地属性
討伐難易度:B(上級)
友好度:栄養が足りないと何でも襲う
銀鉱石を殻にする軟体生物。
銀を強化しただけあって攻撃・防御共にゴーレムの比ではない。普通の武器では傷つけることも不可能。
その上にゴーレムにはなかった岩石の射出などの律法も使うために厄介さは桁違い。
本来は相当に古い銀鉱脈の空洞を掘り当てるか、ドリアードの住む森にあるミスリル鉱脈のある鉱山にしか出没しない。
その体は純度が高い銀が集まるために普通の銀より高価に取引される。
タイニーゴーレム(名無しと言われたり、地方によって呼び方が違う)
体長:150cm以下
律法:なし
討伐難易度:F(下級)
友好度:栄養が足りないと何でも襲う
人型だったり、獣型だったり、虫型だったりと造形からしてバラバラ。
成長してゴーレムとなることもあればさらに変形してしまうこともよくある。
例えば手の形の泥だとか、人の上半身型の泥だとかゲームにいそうな土系モンスターにもなっている。
この名無しが持つ魔石は力が弱く、体を形成しているのが精一杯。唯一注意すべきは尖った石を放り投げてくること。
アルミラージ
体長:4メートル (お座り時の体高3メートル)
律法:雷属性
討伐難易度:D(中級)
友好度:何かよく知らないがモフられる。人を見ても逃げるだけで安全。
ノウサギに一角を付けたような姿。モフモフというにはちょっと硬いかもしれない毛。
律法の強さはスタンガンよりもずっと強く、木などを発火させたり、弾けさせるほどはあるので強力。
ただし滅多なことでは戦わない平和主義。大きい分、成長が遅いので子育てに長年を費やす。
その時、周囲に肉食の魔物がいると危険なので追い払う習性アリ。人はそれを利用して近くに住む。
ちなみに角はシカと一緒で皮膚からできている模様。
山犬
体長:5メートル
律法:なし
討伐難易度:C(中級)
友好度:リズよりは良い子←後で話をしようか
とても良いモフモフ。毛触りが最高の白い毛皮を持つ。
大きな体ながらも狼の素早さを残している。頭が良く、自分より強い魔物がいる場所には住まない。
アルミラージは大きく、律法も使うために相性が悪いので襲わない。
しかしながらアルミラージが追い出した家無しの魔物を襲うので一種の共存関係。
基本的にテリトリーを持っているのでそこさえ避ければ危険はないが、たまに山賊や旅人も食われる。←風見様まで襲われたかと……
飛竜
体長:10~20メートル
律法:なし
討伐難易度:B(上級)
友好度:竜種なだけあって気高くて気が強い←そういう子ほど一度折れば良い子になるものですわ
たまにキュウビが爆炎でぶっ飛ばしたりしているが、スキンシップなのだと信じたい。
律法は使えないが、炎のブレスくらいは使える。
体長によって二~四人くらいは騎乗できるが、気に入らないと振り落としたりもする。
こういった点はとても竜らしくはあるのだが、丸飲みすると長い喉に引っ掛かったり、呼吸が苦しくなるので肉を啄む時はちまちまと千切り取っている。
本来の生息地は魔境や秘境と呼ばれる場所であり、飼い慣らすのも困難なために国でもそれほどの数を保有していない。
ミノタウロス
体長:3メートル
律法:地属性
討伐難易度:C(中級)
友好度:ちょっと気性の荒い牛。まだ近寄れるレベル
ボディビルダーも真っ青な筋肉を誇り、皮は厚く、体表の毛が刃も防ぐのでとても厄介。
さらには強力な地属性の律法で範囲攻撃もしてくるので冒険者は苦戦を強いられる。
これを越えられるかどうかで質が試されると言っても過言ではない。
内臓は意外にも普通の牛と変わらない複胃を持ち、左の腹を殴ると第一胃に衝撃が直結するので弱点となっている。
あとは足が蹄なので地面を掴むのが不得意でこけやすい。体重が軽いほど顕著。移動しながら戦うのが吉。
リザードマン
体長:2~3メートル
律法:なし
討伐難易度:D(中級)
友好度:あまりよろしくない。
鱗は通常の刃は防ぐが、切れ味と使用者の技能が揃っていればまだ断てるレベル。
頭の良さはせいぜい原始人程度で住居は主に竪穴式。人の道具を利用することも多い。
本来の怖さは複数を相手にしなければいけないこと。単体で襲いかかってくることは少ない。
生殖のために人間など、他種のメスを襲うこともある。
リザードマンは全てオス個体であり、単為生殖で卵を作れる。それを他種のメスの体内に産み付けて成長させる腹借りをする。
そのためにリザードマンの染色体はZZで、メスがZWまたはZOのヘテロと考えられる。
ハイリザード
体長:3~4メートル(尾を含めるともう少し長い)
律法:風属性
討伐難易度:C(中級)
友好度:嫌いというか憎いというか←私はそれほど恨んじゃいない
見かけは完全に映画でおなじみのアレ。光線を吐くところもまさにアレ。
通常の武器では装甲の弱い場所以外は傷つけることもできない上に強力な律法も使うため、Bランクに限りなく近い。
一つの巣に二・三体いるのが彼らの習性なので各個撃破が攻略のカギ。
ハイリザードは雌個体であり、オス個体のリザードマンと交配されて初めて生まれる。ただし、子はリザードマンとなることもある。
オークやオーガよりは社会性・連携性が強いため、厄介。
トレント
体長:普通の木と同じくらい
律法:陽属性
討伐難易度:B~D
友好度:とても親切
森の奥深くに生息。基本的に攻撃的ではなく、森を荒らす人間や魔物を攻撃する。
それ以外なら普通の木と同じく佇むのみ。
その樹齢や大きさによって強さは異なる。知恵も人並みには付けていくために本当に強いものは厄介。
何故動けるかと言えば律法が恒常的に作用しているためで、魔石を損傷したり、死んだりすれば普通の木となる。
繁殖法は魔石を木に分け与えること。簡単に言うと細胞の核分裂と似ているが、分裂中は数日動けず、無防備。
ニンフ
体長:120~180cm
律法:陽属性
討伐難易度:D(中級)
友好度:そのうち一緒に……←ダメです
見かけは普通の女性。妖精や魔人の一種と言われているがよく判っていない。
ドリアードのように文字通りの神出鬼没ではないために精霊ではない。
肉体面では人間よりも多少優れた程度で、主に律法の力が強いのでこのランクにされている。
男性は存在しない模様なのでどうやって増えているのかがとても気になる←わたくしがお教えいたしましょうか?
フレイムスライム
体長:60cm
律法:炎属性
討伐難易度:E(下級)
友好度:仲良くなれた風味。←やめてください ←気色悪い ←……ムリ ←擁護できませんわ
真菌の一種。スライムとほぼ一緒。
火を放つことがあるために多少厄介ではあるものの、踏めば倒せる敵。
俺の場合は持っても何もされないので暖かい抱き枕(湿ってる)という感じ。
皮袋に入れればいい湯たんぽになり、この発熱は堆肥作りにも活かせそうなので連れて帰った。
このスライムから取れる魔石は保温器や湯沸かし器程度の道具として活用される。
レッドスコーピオン
体長:3メートル
律法:炎属性
討伐難易度:C(中級)
友好度:危うくむしゃむしゃされるレベル
とにかく甲殻が固い。さらには体表がつるつるとしているために刃物全般が効きにくい。
爪は全て鎧も貫通するほどで尾には毒がある。尤も、尾は大抵獲物の体を貫通するので意味がない。
炎の律法も使うが魔石は取れないためにとてもおいしくない魔物。
ただし、食べるとカニやエビの味なので美味←とことん加熱せんと腹を壊すがね
ストーンゴーレム
体長:150~500cm
律法:地属性
討伐難易度:D(中級)
友好度:ゴーレムの類いは見境いなし。
岩石のみで出来たゴーレム。
基本的に通常のゴーレムとは変わらないが、多少強固になり、律法で岩石も飛ばしてくる。
魔石は体に散在しており、付加武装としては使えない。
さらにそのことも相まってしぶとく、弱点の魔石も多数あるために倒しづらい敵。
また、よく変な形で合体しているが、それは冒険者が倒したものがくっついたからな模様。
レッドドラゴン
体長:30メートル
律法:虚数属性
討伐難易度:S+(伝説の勇者待ちなランク)
友好度:ツンデレ
鬼、吸血鬼、一部の巨人、ドリアードなどの魔獣の中でも肉体の強さは群を抜いている。
飛行能力、ブレスを取っても人間にとって厄介だが何より厄介なのは虚数属性の律法。←風見様が騎乗した姿を拝見できなかったのを一生悔やみます……
これがある限りは軍ではドラゴンを倒せない。故に、ドラゴンを討つのは常に選ばれた勇者のみ。
爬虫類にはない歯を持ち、翼は被膜で出来ている。羽毛があるタイプの竜ではない。恒温動物な模様。
食事の特徴は飛竜と同じかと思いきや、巨大な奈落の魔物を襲うために豪快な食べっぷり。
アースドラゴン
体長:40メートル
律法:虚数属性
討伐難易度:S+(伝説の勇者待ちなランク)
友好度:気を抜くと死ねる
肉体の強さでは地上最強と言って差し支えない。負けるとすれば自分よりもずっと巨大な相手くらい。
筋肉に疲れがたまらないのか、時速百キロ近くで数時間爆走してもへばらない。むしろ背に乗る俺が力尽きる。
背にある鱗は先端ほど硬質になっており、生体金属の一種と言っていい。
ヘビで言う毒腺の部分から可燃性の成分と、空気酸化により発熱する成分を噴射して炎のブレスを吐く。
丸飲み、大雑把に噛んで飲むという捕食が多い。そのために消化しにくいが、常日頃から飲んでいる石が胃にあるのでそれですり潰して補助する。
そのため食後は天を仰いでゴッゴッと変な風に喉を鳴らす。
正体不明(エイ型)
体長:10メートル
律法:雷属性
討伐難易度:A(上級)
友好度:試したくない。
エイに羽毛を足したような生物。←食ったら美味いかもしれない ←もう何も言うまい
体の上体や、下側についた触手が感覚器にもなっており、近付いたものがいれば放電して捉える。
ネットのように広がった全体に電気が流れるため、攻撃範囲はかなり広い。
正体不明(ミイラ型)
体長:160cm
律法:重力属性
討伐難易度:A(上級)
友好度:クロエは天使だった。←あ、あの、嬉しいのですが意味がよく……
見るだけでも悍ましく、生理的に、精神的に恐怖を覚える人のミイラのような容姿。
身体能力はないに等しく、風が吹けば倒れるほど。
しかし使う重力の律法は受ければ生物は致命傷を免れない強力無比なものであり、空間に作用する物なために防御も不可能。遭遇するのは危険。
開いてみれば臓器は人間のそれとは全く異なっていた。何故このような姿なのかは不明。
二度と会いたくない。
オーガ
体長:3メートル
律法:なし
討伐難易度:D(中級)
友好度:何もなければ友達にはなれた
鬼に近いが、それになりきれなかった魔物。
オークやリザードマンに比べれば他種のメスを襲うといったことは少ない。
リザードマンに比べれば力は強いが鋭い剣なら傷つけられる体表なのでそれほど厄介でもない。