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■プロローグ「REC」
最初から、すべては記録されていた。
誰が見ているわけでもない。
誰のためでもない。
ただ。
そこに、ある。
空間の中に、無数の“点”がある。
等間隔に。
規則正しく。
人の目には見えない位置に。
それぞれが、視点を持っている。
それぞれが、記録している。
音。
光。
動き。
感情。
すべて。
過去は、消えない。
積み重なる。
上書きされることもなく。
改変されることもなく。
ただ、残る。
誰にも触れられないまま。
——本来なら。
だが。
触れてしまう者がいる。
見てしまう者がいる。
記録に。
手を伸ばしてしまう者が。
それは、偶然か。
必然か。
あるいは。
“観測された”結果なのか。
理由は、まだわからない。
ただ、ひとつだけ確かなことがある。
記録は、止まらない。
誰かが見ようと。
見まいと。
触れようと。
触れまいと。
関係なく。
世界は。
ずっと——
記録されている。
——REC。




