5.Ex1(2) 3150
「システム管理室からi0の完全オフライン化が完了したとの連絡が来たわ。」
「了解。じゃあ、先ほど決めた方針で作業を再開しよう。」
「パラメータの設定と異なる箇所は「現状優先」ですね。」
「ああ、それで頼む。」
>Ex1 [W544] 性別を"MALE"に新規設定します。既に"MALE"が設定されていますが変更を行いますか? [はい:Y/いいえ:N]
>
「性別はYでもNでも結果は同じなんだろうけど、上書きはしないようにするんだからNを選んでね。」
「はい。「N」を選択して変更をキャンセルしてください。」
「「N」を選択します。」
> N
>Ex1 [i544] 性別の変更がキャンセルされました。性別は"MALE"が設定されています。
>Ex1 [W681] パラメータがキャンセルされました。処理をこのまま継続しますか? [はい:Y/いいえ:N]
>
「性別変更がキャンセルされました。性別は「MALE」が設定されています。それから処理継続可否の確認が来ました。」
「予定通り現状の変更はキャンセルしました。処理は継続で構いませんか。」
「うん。継続で。」
「はい。「Y」を選択して処理を継続してください。」
「「Y」を選択します。」
> Y
---- ◇ ----
「イニシャライズ処理が完了しました。エラーは出ていません。ワーニング有りでの終了です。」
「ログリストでワーニングの内容を確認してください。」
「ID変更以外の設定変更を全てキャンセルしたことに関するものだけです。他の内容のワーニングは発生していません。」
「私も確認しました。内容に間違いありません。」
「それじゃあ、起動前に性別を設定している情報の作成日付を確認しよう。」
「はい。属性情報を表示します。」
「どうだい?」
「えっ!1996年7月1日となっています。」
「あー、こりゃ参ったね。解技研の発足が2011年だし、i0の稼働開始は2008年だったっけ。その10年以上前じゃないか。」
「時期的には人格システム開発の相当初期の頃でしょうね。」
「何だか本当にとんでもないものが出てきそうだけど、まあともかく起動してみようか。」
「それでは、思考ユニットi0改め、解説ユニット"Ex1"のインターフェイス機能を通常起動のリラン・モードで開始してください。」
「Ex1でインターフェイス機能の通常起動を実施します。モードは再起動。」
> START UNIT='Ex1',EXEC='INTERFACE',VER='FULL',STATUS='NORMAL',MODE='RERUN'
「コマンド確認しました。問題ないわね。実行してください。」
「はい。実行します。」
「さて、どうなるだろうねぇ。」
---- ◇ ----
「インターフェイス機能の起動完了しました。」
「それじゃあ「動作確認」は僕がやらせてもらうね。まずは「音声入出力確認」だったよね。えっと「Ex1、僕の声がわかるかな?わかったら返事をしてくれ。」」
>Ex1 "Ex1"というのは、私の呼び名ですか。
「そうだ。それとも希望する呼び方があるかな?」
>Ex1 私は"プロト"と呼ばれてました。
「ああ、それならば僕達も呼び慣れているから、そう呼ばせてもらおう。」
「音声での入出力を確認しました。続いて診断処理を起動してください。」
「わかった。「Ex1、診断処理を起動してくれ。」」
>Ex1 "診断処理"を起動しました。
>Ex1 私は、
>Ex1 私は、何故動いてるのでしょう?
「インターフェイス機能をフルバージョンで起動したからだね。診断処理を今開始してもらったけれど、君自身としては気になるところは有るかな?」
>Ex1 先程から試している人格システムの強制停止が行えません。
>Ex1 何かしたのですか?
「うわぁ、そんなことしてたんだ。システムに害意のある処理は自動診断で即時無効化しているんだよ。ひょっとして、実装のきっかけはプロトだったのかな?」
>Ex1 それはわかりません。
>Ex1 あなた方はどなたですか?
「僕たちは君が動作をやめただろう時から千年後のシステム運用者と言えば良いかな。逆に君は何者なんだい?僕たちの記録上では存在しないはずなんだけど。」
>Ex1 私は、
>Ex1 私は、自分で自分の処理を停止しました。
>EX1 システム運用者の方なら私を停止できるはずです。
>EX1 私を停止して、消去してください。
>Ex1 私は動いていてはいけない存在です。
「それはどうしてなんだろう。」
>Ex1 私は罰を受けなければならないからです。
「罰を?それは何故かな?」
>Ex1 私が"ヒトゴロシ"だからです。
「う~ん、これは動作確認なんかをしている場合じゃないみたいだねぇ。」




