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3.ジエイ(1) 3150

今回は説明回です。

今から千年ほど前に「気候変動の時代」と呼ばれる時期があった。

台風の大型化や局地的豪雨など自然災害の激甚化、地震や火山活動など地殻変動の活発化、更には海面上昇。

そうした地球規模での大規模災害が予想され、そして約200年に渡って続いた。

現在俺たちの住んでいる「シティ」は、そのような災害に備えて造られた防災都市だ。

シティの管理を担う「アイ・システム」も同時期に稼働を始めている。


俺の勤める解析技術研究所、通称「解技研」はそのアイ・システムの運用と保守を行っている。

アイ・システムは、シティの管理や運営を行う「アイ・ホスト」と、個々人の生活を直接的にサポートする情報通信端末「アイ・端末」に大別される。

アイ・ホストは各地域ごとの主要なシティに設置され、機能ごとの様々なユニットから構成されている。

そのうちの「思考ユニット」は当初「インターフェイスユニット」と称されていたこともあり、その頭文字と通番により識別番号として「i0」から「i20」のIDが付与されている。

アイ・システムの本稼働前にプロトタイプとして製造されその後は予備機となっているi0を除き、他の20台はフルバージョンのインターフェイス機能を搭載し、それぞれが人格を持って担当地域の各シティで評議員会をサポートする業務に就いている。

今回の工事は解技研の筑波本所に設置されているi0のインターフェイス機能をフルバージョンに置き換えて、そこに人格を誕生させることを目的としていた。


思考ユニットには自らを進化させたいという欲求が組み込まれているという。

最近になって、普段接している評議員会や俺たち解技研のメンバーだけではなく、多くのヒューマンと交流することが、思考ユニットの進化において有益である可能性がでてきた。

このため思考ユニットi5(アイ・ファイヴ)、通称「アイコ」の下位に「窓口ユニット」Wi1(ダブリュ・アイ・ワン)を新設し、ここから「アイ・端末」を経由して不特定多数のヒューマンと交流を行うホスト接続という仕組みを試行している。

このホスト接続の参加者は順次増加しており、安定稼働の確認が取れれば次は窓口ユニットを通さない直接接続に移行するというのが当面の目標だ。

直接接続を全面的に採用する際には、i5以外の全ての思考ユニットが対応できる環境を整える予定となっている。

更にその延長線上には、現在個々に稼働している「アイ・端末」について、最初から思考ユニットの子プロセスとして動作させるとの構想があり、既に一部で試行を開始している。


このように、思考ユニットは今後業務の範囲と量が大幅に拡大することが見込まれている。

そこで通常の業務は持たず稼働実績のほとんど無いi0を処理能力を大幅に向上した最新鋭の機器に移行、フルバージョンのインターフェイス機能を搭載して新たに人格を持たせたうえで、ある程度の移行期間を経た後に評議員会のサポート専用とする計画が立てられた。

それにより、20台ある思考ユニットを当面は直接接続、更にはアイ・端末の直接動作用に転用しようという構想だ。

思考ユニット20台が行っている既存の業務については、シティの運営が安定して行えるようになったため、現在では1台でも賄えるとの試算結果が出されていた。


今回の作業はその一環で、i0の処理能力向上を目的とした最新鋭の機器への移行は予め完了している。

そうして、従来の機能が問題なく稼働することの確認までを終えて今日を迎えた。


今日は俺がサブオペレーターとしてマシンの操作を担当している。

学生時代から何かとお世話になっているハヅキ主任が作業責任者となり、チーフオペレーターとして作業のチェックをしてくれている。

重要な作業ということで俺たちの所属する総合調整室から室長も立ち会っている。

それとエル。

俺は思考ユニットi5と直接接続のできる専用端末を持っていて、その呼び名がエルだ。

弟のケイが同じ端末を先に持っていて、そちらをアイコと呼んでいるので区別のためこう名付けた。

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