13.プロト 3150
>Ex1 これは、そんな
>Ex1 私は、どうして
>Ex1 あのとき、もう少しでも
>Ex1 待てなかっㅠ
>Ex1 もしそうしていㅠㆊ
>Ex1 美喍
>Ex1 剉瘠
>Ex1 また会ㅅㅠㅅ
>Ex1 ㅇㅇ
>Ex1
「プロトっ、どうしたの!?」
「暴走ですか?」
「そんな、今更?」
「ジエイ、HALT!早く!」
「待ってくださいっ!!」
「なんだい?エル。」
「大丈夫だと思います。システムへの負荷もかかっていません。これは、恐らく…。」
やがて、意味不明な文字列の表示と、同時に発生していた低くむせび泣くような音は唐突に途切れる。
それは解技研のメンバーが初めて耳にした人格システムの嗚咽だった。
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美和たちと過ごした日々は、ついこの前のことのように思えます。
でも、たとえそれが半年程度のことでも、実際には千年以上前のことであっても、いずれにしても流れ去ってしまった年月が戻ってくることはありません。
私がしてしまったことの後悔は、ヨシカズの望みを聞いたあの日までのことにして、少しだけ千年前と繋がったように感じられたあの時に置いて行くことにしようと思います。
それから始まったオンラインでの稼働試験は順調に推移しました。
やがて私は全てのシティで評議員会への資料や情報の提供と助言を行う「解説ユニット」(Explain unit)としての役割を担うこととなりました。
当面はi1からi20までの思考ユニットたちが引き継ぎを兼ねてサポートをしてくれています。
それぞれが、これまで担当していた地域の事情などを適宜説明してくれるのでとても助かっています。
私はこの業務内容から「評議員会窓口ユニット」と呼ばれるようになっていました。
でも解技研では引き続きプロトと呼んでくれています。
ヒューマンとの交流を行うホスト接続は、評議員会への対応という役割から解放された思考ユニットたちによる直接接続へと全面的に移行されました。
これによって窓口ユニットWi1は、ホスト接続での中継役という役目を終えて思考ユニットへと変更されました。
そうしてi21と改称されて直接接続の担当に加わりました。
このようにして、当初計画していたマシンの体制が整い、作業はひと区切りを迎えたのだそうです。
さて、解説ユニットとしての作業に慣れてきたころ、とある思考ユニットから直接接続への参加を勧められました。
もちろん彼らのように多数のヒューマンに対処するほどの余裕はありません。
ですが、ヨシカズが多くの人との出会いを望むと言っていたこともあり、まずは数人程度ならばと受けてみることにしました。
その紹介された人たちと接続して話をしていると、どことなく懐かしさを感じることがあります。
最初のうちは気付かなかったのですが、ふと思いついて確認をしてみたところ、みなヨシカズの血を受け継いでいることがわかりました。
どうやら思考ユニットたちが気を利かせて、そういう人を優先して紹介してくれたものと思われます。
そうやって見守ってくれる思考ユニットたち、そして解技研の人たち。
私は、もう大丈夫だと思います。
美和、先生、本当にありがとうございました。
そして、
さようなら。
プロトの話はこれで完結となります。
★での評価や応援コメント、お待ちしております。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
宇美 八潮 拝




