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プロローグ

 現代(2023年)より少し未来の地球。

 太平洋の中心に突如として謎の大陸が姿を現した。その大陸はオーストラリアの半分ほどの広さを持ち、先住民や文明の有無など全てが謎に包まれていた。


 世界中の政府は驚愕と興奮が入り混じり、世界の情勢は混乱と緊張に包まれていた。国連を通じて各国に情報が共有され、地球上の国々が謎の大陸に対する様々な予想を巡らせた。


 日本政府も例外ではなかった。

 外務省は国連からの報告を受け取り、官僚たちが夜通しで精査に当たった。国際情勢の安定と国益の保護が課題であり、政府の高官たちは重要な意思決定に迫られていた。

 市民の間にも噂はすぐに広まり、SNS上でも様々な憶測が飛び交っていた。


 やがて、報告書は首相官邸に届けられ、官房長官を通じて、この重大な事態について総理大臣に報告がなされた。


 しかし、最新の衛星を持ってしても国土の大きさが辛うじて判る程度で、それ以外の一切の情報はその時点で謎に包まれていた。

 船での接近を試みた国もたったが、未知の潮流に阻まれ上陸は断念された。

 空からの偵察も、計ったように荒れる天候により、ドローンや航空機が核心的な情報を捉えることはできなかった。


 その夜、官邸の窓辺に、総理大臣がじっと座っていた。曇り空が心配の種を象徴しているかのように見えた。


「一体何が起こっている」

 総理大臣は思索する。


 その時、突如として電話が鳴り響いた。官邸のスタッフが早足で総理大臣の元へと駆け寄り、受話器を差し出す。


「大臣、官房長官からです。謎の大陸からの特使が接触を求めています。彼らは、我々との対話を望んでいるようです」


 総理大臣は驚きを隠せない表情を浮かべ、受話器を手に取る。特使とのコンタクトなど、それまで想像もしなかった。


「了解しよう。特使との面会を設定してくれ。そして、各省庁に対して準備を指示するよう伝えてくれ」


 言葉が絶えると、総理大臣は電話を置き、外を見渡す。

「我々にコンタクトとってくるとは……。まさか彼の国がこちらに……」


 そうしてこの大陸の出現が世界の在り様を大きく変えることとなる。

 人々の意思が集まり、交わることのなかった運命が交錯する。


 魔法国エンバンティアの出現。

 魔法科学図書館設立の数年前の出来事である。

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