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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 試練を受ける
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スキル無効化の検証

まさかの三回行動

「ほっかいどー!思ってたより涼しい?」

「何か既に楽しくなってきたなぁ」


北海道って地味に来たの初めてだわ。

旅行って大体海外が多かったし。最近はあまり行ってないけど。


飛行機の旅も無事に終え、そのまま目的地まで直行。

観光やら土産やらはダンジョンが終わってからだ。


予め連絡を取っていたので、空港には冒険者協会北海道支部からお迎えが来ている。

迎えに来た車が普通に高級車だったのはびっくりしたが。


「え?我らVIP待遇?」

「お、落ち着かない・・・」


俺は慣れてるからいいけど、日坂さんは車の値段を知ってすごく緊張していた。

まぁそれはそれでいい物が見れたなぁって・・・ゲフンゲフン。


目的地に着くまでは結構時間が掛かる。

流石は北海道。道内なのに車の移動でも一時間くらい掛かった。

そもそも釧路駅まで行くのですら空港からだとニ十分くらい掛かるらしいし・・・いやマジで広いな北海道。


「そういや日坂さんは観光したいところとか無いんですか?」

「え?・・・うーん。あんまり思いつかないかも」

「あら。それはちょっと意外。初めてですよね?」

「初めてだけど、今回はダンジョンが目的だったから調べても無いし・・・あ、ラーメン食べるくらい?」


うんうん。まぁ北海道と言えばグルメみたいなところもあるよな。

スープカレー何かも最近有名だし、俺もその辺りは全部食べたい。

あと寿司も食べたい。どうも北海道の回転寿司はネタが大きいらしいし。


「戸村君の事だから回らない方に行きたがるかと」

「人の事なんだと思ってるんですか」


まぁ行ったことはあるんですけど。

でもあそこって割と窮屈と言うか・・・好き勝手食いづらいからあんまり好きじゃない。

回転ずしくらいカジュアルなのがちょうど良い。


そんな感じでグルメの話で盛り上がっていると目的地に到着した。

釧路駅からも離れたここは立地としてみると非常に悪い。

まじ一般の冒険者がふらっと来れる場所じゃない。


でもここに限ってはそれが幸いだった。

なにせここのダンジョンは、世界的に見ても難易度の高いダンジョンなのだから。

下手に人に来られても死人を無駄に出すだけだっただろう。

まぁダンジョンで町興しーとか考えてた人には不幸だっただろうが。


「って意外とちっちゃめ?」

「あんまり管理にも人割かなくて良いのかもね」


釧路にある協会の建物は小さかった。

ダンジョンに突入する冒険者が少ないたい為、ほどんど人を置かなくても良いようだ。

実際ここで働いてる人もほとんどがこの周辺に住んでいる地元民らしい。


受付に要件を伝え、こちらからも浮島さんに連絡を送る。

無効化ダンジョンに到着したという知らせと、そこからの条件の再確認のためだ。


「どうする?今日もうすぐに挑む?」

「そうしたいですね。本格的なのは明日以降が良いですけど」


今回はいつもと違って日坂さんもそこまで荷物を準備しているわけじゃない。

なのでその準備期間は当然欲しい所。


でも一回は中に入って状態を確認しておきたい。主に俺の。

いくら闇夜の効果で能力強化自体は受けているとはいえ、スキル分が減った点に関しては無視できない。

その差を確認して、可能な限りで修正しないと万が一があるかもしれないしな。

基本的に負けるつもりは一切ないが。


「じゃあパパっと用意出来る物だけで行っちゃおうか」

「うーっす」


日坂さんと共に荷物を確認。

その後本当なら輸送した装備を受け取るんだが・・・俺の場合それが無い。

これは『闇夜』良い点だな。俺の中にあるから一々別で送らなくてもいい。


今日は軽く様子見をすることを支部長に伝えておく。

この人は俺達がこのダンジョンを突破したという証人になってもらう必要があるのでそういった報告はきちんとしないといけない。

するとその際に、ちょっとした用事を頼まれた。


「え?採掘してきてほしい?」

「ここって鉱石が取れるダンジョン何ですか?」


頼まれたのは『無効化ダンジョン』における採掘作業だった。


珍しいことに日坂さんもここで鉱石が手に入ることを知らなかった。

これにはきちんと訳がある。

『無効化ダンジョン』は、そもそも情報があまり出回っていないのだ。

何せ人がだーれも来ないから。公開する意味も無ければする人もいない。

だがここで手に入る鉱石は非常に質が良く、協会の冒険者・・・身近な所で言うと佐々木さんの武器になっているそうだ。

その為可能ならばこれを入手してほしいという話だった。


「特殊な性質を持っていて~重厚な武器との相性がすごく良いんですよ~」

「へえ。それはちょっと興味あるかも」

「戸村君も武器欲しいって言ってたよね?」

「数を揃えてくだされば~こちらで依頼を出すことも可能ですよ~?」

「む。ちょっとやる気出て来たかも」


まさかの頼みごとにちょっとやる気を削がれていたがそういう話を聞くと逆にやる気も湧いてくる。

『闇夜』は『赫爪』を吸収した影響で魔力の爪を出すことは出来るが、やっぱり重い武器じゃないからな。

ゲーム内で戦うならそれだけでも良い・・・てか無駄に詰め込むとアビリティコストの問題で逆に弱くなるんだが、

現実で戦うならやっぱり爪以外にも武器が欲しい。

またはゲームと同じく重量級の爪・・・ガントレット?篭手?が欲しいところだ。

佐々木さんが使ってるなら、武器の素材としてみても問題は無いだろうし。


うんうん。ちょっと真面目に採掘してみるか。


「でも俺達素人ですけど、大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ~変わった置かれ方をしているので~」

「なるほど」


所でこの支部長さんちょっと話し方独特過ぎません?

あと地味にこの人も強いと思うんだけど・・・まぁこれはいいか。


その後いくつか注意点を聞いて、ようやくダンジョンへ突入する。


「っ・・・成程こうなるのか」

「大丈夫?」

「はい。これ思ってたより質悪いっすね」


ダンジョンのゲートを潜った瞬間、体が急に重くなったように感じた。

スキルの効果が無効化された結果だな。

やっぱり『闇夜』の力は消えておらず、肉体が活性化しているのが分かる。


しかし。それでもスキルの強化は思っていたより大きかったらしく、ずれを修正する必要はありそうだ。


「今日来てよかったっすわ。これはぶっつけ本番は避けたい」

「戸村君が言うならよっぽど何だね」

「まぁ・・・あれっす。ゲームと現実の差を実感した時に比べたらまだマシですけど」

「戸村君は本当に弱点が無いね???」


昔のことだ。

まだアビリティの構成をキチンと決めていなかった時代。

色々試して、結局今の身体強化特化にしたとき。

あれが俺にドンピシャで嵌り、縦横無尽の大活躍・・・をしたは良いんだ。

問題はその後。ログアウトしてからが問題だった。

ゲーム内で見ても異常な強化をしていたからか、感覚が現実の肉体とずれてしまったのだ。

ゲームの能力が前提の感覚だったせいで体が重い重い。

何とか慣らしたら次はゲームの方が過敏過ぎて動けないっていう。


だがそれでは話にならないので、時間を掛けて二つの世界の感覚のすり合わせを行った。

その結果が今の俺だ。それに比べたら、この程度の差はまだ想定の範囲内と言える。


一歩一歩踏みしめる様にしながら体の感覚を確かめる。

やっぱり基本的な部分で影響が出てるのは筋力かな。

一撃のパワーが落ちてるといざって時に相手を殺し損ねる可能性が出てくる。

これだと『闇夜』の爪が魔力で良かったかもしれない。

それでも扱いきれないってことは無いと思うが・・・


「ん。いたな」

「隠れてるね!」


『無効化ダンジョン』は全十階層。

その全ての階層が洞窟の中の環境になっている。

割と岩が多く、障害物や物陰として利用することも出来る。

その為日坂さんが隠れるのには何の支障もない。


道の先に見つけたモンスターは四つん這いでゆっくりと動いている両生類

『泥ルーパー』って名前のモンスターだ。

口から吐き出される泥弾の威力には要注意・・・らしい。


相手はまだこちらに気が付いていない。

普段ならあまりああいう敵はまともに戦わないんだけどなぁ。

遠距離攻撃が強いってことは大体近接戦が弱いってことだし。


だが体の感覚を確かめるなら敢えて近づくべきか。

撃ち合うのは出来るが、そんなチマチマやるのも性に合わんし。


「よっし。行こうか!」


地面を普段より強めに蹴って前に出る。

この時点で普段より体が進んでいないのが分かる。

強めに蹴ったのに想定していたより体が動いていなかった。


そして流石は『無効化ダンジョン』のモンスター。

推奨レベル30は伊達ではないらしい。

俺が動いた瞬間泥ルーパーもこちらに気が付き、すぐに泥弾を放ってきた。


「ほっと」


泥弾を爪で斬り落とす。

手ごたえから推測すると、これだと闇夜が抜かれることは無い。

だが直撃すると衝撃はちょっと大きそうだな。

回避か今みたいに落とすのが吉と見た。


相手の攻撃方法の脅威が分かれば後は距離を詰めるだけだ。

一応初めの敵だから丁寧に距離を縮め、泥弾も確実に落としていく。

こちらの間合いにまで入ると、その巨体で俺を押しつぶそうとしているのか上体?を上げて来た泥ルーパー。


だが流石にそんな緩慢な動きではなぁ。


むしろ俺に無防備な部分を晒しているのと一緒だ。

特に躊躇いもなく目の前の腹の部分に爪を振るう。

見た目通りそこまで防御力も無いタイプ。当然『闇夜』の爪に対しては無力だった。


しかし問題は俺の方。

先ほどの大地を蹴った感覚から普段よりさらに強めに力を入れて動いたのだが・・・やりすぎた。

爪はそのまま泥ルーパーを横に両断し、うっかりダンジョンの壁にまで突き刺してしまったのだ。


「ありゃ?」

「あれ?大丈夫ー?」

「大丈夫ですー!」


ひょっこりと岩陰から日坂さんが顔を出して心配してくれた。

だけど怪我とかをしたわけじゃないので大丈夫ではある。


うーん。でも思ってたより感覚がズレてるなぁこれ。

脚と腕の感覚が微妙に違うというか、力の乗り方が腕の方が良い感じ?

何か感覚的にスキル云々の話じゃな気がするなこれ。


「もしかして。お前さんまだ何か隠してる?」


『闇夜』にそう問いかけるが、当然返事は帰ってこない。

はぁ。こういう部分はちょっと面倒だなこいつ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 多分飛行機がファーストクラスだった時点でVIP待遇に気づけ蒼君…というか特殊なんだし
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