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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士の夏休み
83/892

力比べ

『山の幸ダンジョン』

内部も山山山で山しかない。


平坦な部分を探す方が難しく、はっきり言ってクソダンジョンだ。

一応山と一口に言っても、木々が生えた山だったり逆に何も生えてなかったり。

視界が遮られてたりする場所が多いので基本的に危険度が高い。


それに一層のモンスターでも三層くらいの強さがあり、一つ階層を下げると倍ほど強くなる。

つまり二層で六層。五層まで行くと十五層くらいの強さになる。

ただしこの『山の幸ダンジョン』ものすごく広く、そのせいでモンスターとのエンカウントが少ない。

でも逃げ続けられる程ではない。


つまり、敵が強い癖に経験値も稼ぎづらいとかいう。

クソダンジョンだな。間違いない。


それに手に入る物もそこまで需要が多くない。

簡単に手に入る物は外でも簡単に手に入るし。

ダンジョンに潜ってまで良い物が欲しい何て思う人が少ない食材ばっかり。

逆に良い物が欲しいって場合の物は下の階層過ぎて取りに行ける人間がいないという。


当然の様に、ここに人はほとんどいない。

一層二層にぽつぽついるくらいかな。


「十二層まで行けたらタケノコもあるんだけどね」

「ギリギリ行ける領域なんですよね」

「でもそこまで欲しいかって言われると・・・うーん」

「うーん」


トリュフはまだ楽。十層にあるから。

それより下はもっと日本的と言うか、日本料理に使われている事が多いキノコとか山菜とかが多い。

ちなみに例外はある。


まぁそれでも十層だと通常ダンジョンだと三十層クラス。

つまりはワイバーンとか出てきてもおかしく無いわけだ。

山の幸に関係あるかどうかは知らぬ。


でもこのダンジョンは楽な面もある。

それは内部の構造がどこの階層ででも変わらないことだ。

どこも山で木が生えてて、階段の位置が全部一緒。

なので駆け抜けようと思えば駆け抜けられる。

ここに来てまで駆け抜ける意味が無いのでやる人はほとんどいないが。


「まぁここは十層だけ戦えれば良いかな」

「そうだね。それに見つけられるかも分からないし」

「そうなんですよねぇ」

「でも珍しいよね。出現数が少ないダンジョンって」

「そうらしいですね。まぁ俺みたいなのは興味ないダンジョンですよね普通は」

「あははは。安全にレベル上げるって見方するなら、良い場所かもよ?」

「レベルだけ上げても強くはならないですよ」

「お。真面目な発言だ」

「そこは妥協できないんで」


むしろレベル以外の部分が重要と言うか。

ゲームの中にレベルを持ち込めないからな。俺に必要なのは濃厚な経験だ。

それがあるから俺の戦い方に活きるわけだ。

力押しにだって知能は必要なんだ。


そう。ここのダンジョンではモンスターの出現数が極端に少ない。

一周ぐるっと回って一回か二回出会うか出会わないか。

運が良ければ一度も出会わない。俺にとっては不運だな。


まぁ時間に余裕はある。

ワイバーンまで経験してる身からしたら気になるのはやはり同じレベルのモンスター。

つまりは十層のモンスターだけだ。

ある意味丁度良かった。トリュフが同じ階層だから同時に探すことが出来る。


なので今回は、考えてきたある方法で移動したいと思う。


「・・・あの、戸村君」

「はい?」

「これどうなってるの!?」

「さぁ・・・?」


俺オリジナル魔法その二。一はオート反撃のあれだ。

生み出したのは『闇馬』

元々俺が使ってる闇魔法は今は鎧となっている闇夜の力。

だからワンチャン魔法で何かいけるんじゃね?くらいの軽い気持ちでやったら出来ちゃった。

俺の指示通りちゃんと動くしな。


「これでも闇夜じゃないのは俺もマジで分からないんですよね」

「えぇ・・・じゃあこの子はいったい・・・?」


俺の指示なしだと動かない。

それはつまりこいつは闇夜自身ではないということだ。


それに戦闘力もほとんどない。

普通の馬くらいでしかないからモンスター相手にはまともに戦えないだろう。

なので完全に移動用。なお俺が走った方が早い模様。


「闇の波紋の上を歩くんで、最初は怖いかもしれないけどすぐに慣れますよ」

「私別に高所恐怖症じゃないよ?」

「いや結構早いと思うんで」

「え?」

「じゃあ行くぞー」


俺が闇の波紋を生み出すと同時に闇馬も走り出す。

その後を追うように俺もまた動く。

馬は人を乗せた状態でも普通に車以上の速度を出せる生き物だ。

それと同等な闇馬も当然そのくらいは行ける。


でもその速度で、木々の間を通り抜けるということは・・・。


「にゃぁぁぁぁぁ!!??」

「まぁそうなるよね」


これが結構怖いんだ。ちょっとした絶叫マシーンみたいなもんだ。

一応俺の魔法で日坂さんは固定しているし、枝がぶつからない様に走り出してすぐに俺が前に出て進路上の物を破壊している。

それでもまぁ怖い物は怖い。なので一応先に警告はしたんだけど。


「大丈夫ですかー?」

「だ、だい。だいじょぶー!!??」

「・・・まぁ大丈夫そうか」


ちょっと怪しいけどまだいけそうだな。

ダメそうならちょっと面倒だけど高度を上げるのも手だな。


そうして一気にダンジョンを突き進み、あっという間に階段を下る。

それを繰り返すと、約一時間ほどで十層まで辿り着く事が出来た。

後半は日坂さんも慣れたのか、思ってたより景色を楽しんで・・・


「・・・乗馬って疲れるんだね」

「こいつを乗馬にカウントしていいのかどうか」


見た目だけ馬だからなぁ。

正直別の形でもいいんじゃないの?と思ってはいる。

でもどうせ闇夜の力なんだからこれでいいかという思いもある。

つまりは割とどっちでも良い。使えればええねん。


話を戻して十層。とは言っても景色は変わらないからピンと来ない。


「えっと。トリュフの探し方はー」

「歩いてれば良いんですよね」

「そうそう。何か日本に自生してるのと同じなんだって」

「そもそも国産トリュフ何てあるんですね」

「私もそこは驚いたなぁ。豚に探させる方法しかしらなかったし」


正確に言うと、国産トリュフは落ち葉などの堆積したものをひっくり返して探すようだ。

この階層でもそれをやるらしいが、ここの場合足で適当にひっくり返していけばそのうち見つかるらしい。

でも足元ばっかり見ているとここのモンスターにやられるから注意。


「よっと」

「それなんすか?」

「ただのシャベルだよ。リターひっくり返すならいいかなって」

「なるほど」


それなら俺は警戒に集中しておこうかな。


日坂さんがトリュフ担当。

俺がモンスター担当。

何かいつもと変わらないような気がするが、落ち着くのでこの方が良いな。


早速日坂さんがシャベルであちらこちらの地面を軽く掘り返し始める。

それを見て俺も周囲を警戒し始めるが、やっぱりここは木が多い。

ジャングル環境の時も思ったが、やはりこういう場所は良くないな。

モンスターによっては気が付かない内に接近されるなんて事もザラにありそうだ。


しかしここのモンスターでそれはあり得ない。

結構な巨体らしいし。


「来たら今回は使うかね」


階層だけ見てもランドワイバーンと同等なのだ。

あっちはボスだから多少弱いかもしれないがそれでも期待は大きい。

闇夜を使ったマジ戦闘でも十分満足の行くものになるに違いない。


「あ、あった」

「はっや!?」


相変わらず運良いなぁ。俺にもちょっとで良いから分けてほしい運だ。

でも二人してトリュフ何て見たこと無かったので


「何か思ってたのと違う」

「キノコの仲間なんだっけ?そうは見えないね」

「その辺の小石と混ざってても気が付かないんじゃないですかね」


何かトリュフって見た目地味なんだな。

乾燥させてスライスさせるんだっけ?ずいぶん昔に父親がそうして食べてたっけ。

その後微妙そうな顔してスルメイカ齧ってたけど。

まぁ俺の親父だからなぁ。繊細な味とか正直分からんのだろう。

そういうのはむしろ母親の方が得意だ。千尋はそっちに似たな。


それでも高級食材であることは間違いないので、あと二三個拾おうと動いたその時だ。

ようやく俺の出番がやってきた。


「む。日坂さん隠れてて」

「うん。がんばってね」


木々をなぎ倒しながらこちらに近寄ってくる何かの音が聞こえる。

すぐにその音の正体についても姿が見えて来た。


乗用車程のサイズがあり、巨大な牙を持つ猪だ。

『タイラントボア』通常の三十層に匹敵するつよつよモンスターだ。

幸いこいつがここにいるということは、他の個体は近くには絶対いない。

何故か縄張りの様な物を持っているこいつらは一体だけと戦うのが基本だ。


でもあんまり動き回ると日坂さんが巻き込まれるから・・・


「力押しじゃい!!」


ワイバーンの時は高速移動で圧倒して叩き潰した。

今回はパワーで押す。


暴れる様に振るわれた牙を爪で受け止める。


「おっもいなぁ!!」


本気で迎撃したが少し後ろに下げられた。

やはり良い。ランドワイバーンと比べてパワー特化な気がするが十分だ。

正直機動力で圧倒すればそれで勝てるとは思う。

でもそれではつまらない。

いつもとは違うダンジョン。下の階層に行けないという制限。

なら楽しんでも良いだろうが。


態と相手の牙とぶつかり合う様にこちらも爪を振るう。

まるで金属同士がぶつかり合うような音が響き渡る。

その度に腕に来る、痺れるような衝撃。

これだ。この感じだ。今俺は、戦っている。


「シャァァァ!!!」


数十回にも及ぶぶつかり合い。

そしてついに俺の爪がタイラントボアの牙の片方を砕く。


だがまだ一本残ってるよな?


牙が折れ相手が怯んだ隙に、もう片方の牙を掴んで横にひっぱり倒す。

その衝撃で周囲の木が次々と倒れる。当然日坂さんには危険が無い様にしている。


そして倒れたタイラントボアの牙をまた掴み、根元を踏みつけてまた引っ張る。

すると今度はバキバキと音を立てながら折れていく。

かなりの痛みがあったのか、タイラントボアはその巨体を痛みで振るわせる(震わせる)。

その勢いで上に乗っていた俺も飛ばされるが、木に手を引っかけて勢いを止めてからのっかる。


そのまま木からタイラントボア目掛けて飛び降り爪を振り下ろす。


硬い毛皮を爪が貫く。

するとそれで倒したようで死体が消えて肉が現れた。


「え、肉?」


ここって肉落ちるの?山の幸なのに??


「何かしたっけ俺・・・?」

「でも猪の肉も限定みたいなイメージはあるかも」

「あーなるほどそういう?」


でもそんな情報見たこと無い気がするんだけどなぁ。

・・・あ、いやそういうことか。


よく考えてみると、三十層レベルのモンスターって倒せる奴の方が少ないわ。

階段近くで探すならこいつに見つかっても逃げられる。

だからあんまり倒した人がいないんだ。そら情報も出てないわ。


まぁそれはともかく。

おまけ付きで千尋のオーダー食材は全部手に入れて俺も戦えた事になる。


「そういえばまた三個見つけたよ!」

「ほんっとすごいっすね」


スキルの事といいとんでもない豪運だよなぁ日坂さん。



あまりに暇すぎて書き溜めが増え始めたので中途半端だけど投稿。

何故仕事とはこうも波があるのか・・・

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― 新着の感想 ―
[一言] 猪肉は独特の臭みを上手く抜けば旨い…らしい トリュフはどんな味なんでしょうねぇ…正直高級な珍味の類は金持ちが趣味の範囲で食うものだと思ってますが。 それにしても日坂さんは豪運ですか モンスタ…
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