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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士の夏休み
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鮭と言えばやつ

あまりにも暇なものでつい投稿

「長閑ですねぇ」

「・・・そう?」


川の傍で、水に触れないくらいの位置で座る俺と日坂さん。

目の前には釣り竿がある。

川に向けて垂らされた糸は水の流れに揺られている。


そんなボケーっとしている所に、川の中から何かが飛び出してくる。

九層モンスターの『槍魚』だ。

太刀魚じゃ無くて、『槍魚』

槍の穂先の様な物が付いた頭に突き刺されるといくら俺でも一発だ。


危険なモンスターが、俺の方に飛んできている。


「あ。戸村くn」


飛んできた槍魚が下から闇に串刺しにされる。


「長閑だなぁ」

「・・・そうだね」


そんな槍魚だが、俺に届くことは無い。

闇夜の闇魔法(オート発生)だ。

近寄ったのを俺が感知すればその時点で攻撃出来る。

何となく出来そうだなと思って試したら出来た。理屈は知らん。


「そこいれといてっと」


ここの階層のモンスター。この槍魚ともう一匹いる。

でもそいつは条件を満たさない限り出てこないのだ。そっちが強いから戦いたいんだけどなぁ。

俺達の目的を考えればそのうち出てくるだろう。


そして川のモンスターだが、今みたいに闇魔法のお陰でなんも来ない。


「その魔法本当に何でも出来るんだね」

「まぁ元が元ですから」


槍魚は普通に強いんだ。

頭の槍は鉄の盾でも簡単に貫通するし、勢いもある。

川に近寄らなければ襲ってこないが、ここの階層に来るような連中なら来ないってことは無い。

その為最初のうちは結構犠牲者を出していた、割とヤバい奴なのだ。

実際今俺たち以外にも二つのチームがいて、普段からいる事の多い人たちらしいが結構苦戦していると聞いている。

ここで釣れる鮭は高級料亭にも卸されてる一品だから来ないわけにもいかないらしいが。


でも今日は違う。

元々ダンジョンの天候を夜に変えてしまうほどの力を持ったモンスター・・・馬の闇夜の魔法があるのだから。


「おお!またあの魔法がやったぞ!」

「ありがとな!」


初めは何が起きたか混乱していた他の冒険者達だが、俺の魔法であると理解するとすぐにこちらに集まってきた。


川の中のモンスター。槍魚を次々と倒してくれるからな。

お陰で鮭を求めて俺達みたいに釣りをしていた冒険者チームも気が付いたら俺達の周囲に集まったというわけだ。

彼らは槍魚の被害を減らせる。

俺達も冒険者チームに鮭の釣り方のコツを教われたからその分もラッキーだったな。


「でもなかなか釣れませんね」

「ここ魚の影とか見れないからわかんないんだよね」


ここの釣りだが、結構難しい。

でもその分思っていたより休めて今回は都合が良かったのかもしれない。

ちなみにだが、俺は釣りが実は好きじゃない。

昔祖父に釣り堀に連れて行ってもらって全く釣れないとかいうミラクルを起こしたからな。


まぁ今回は俺はメインじゃないから良いんだけどっと・・・?


「日坂さんそれ掛かってません?」

「え?あっ。ほんとだ!」


急いで日坂さんが釣り竿を引く。

だけどパワーが足りないのかあんまりこちらに寄せられていない。


「と、戸村君助けて~」

「はいはい」


日坂さんの後ろから釣り竿を持って・・・一気に引っ張る。


「きゃ」


勢いが強くて日坂さんが倒れるが俺が後ろにいるのでそのまま体で受け止める。

引っ張られた魚・・・鮭は宙に舞ってしまうが、そこは闇で捕まえてバケツにシュートした。


「ナイス闇魔法。おっと来たか。日坂さんちょっと離れてて」

「は、はい//」


見事鮭を釣り上げられた・・・だがここからが問題だ。

何せここの鮭は、釣り上げられるとあるモンスターを呼び出す力があるからな。

まぁ何が出てくるか何て、鮭の段階で誰だって分かるだろう。


「グマァ」

「そんな鳴き声なのかこいつ」


背後の森から大きな熊が出てくる。

こいつが九層二種類目のモンスター『森熊』だ。

こいつらは釣った鮭を手に入れるとどっかへ消えるって特性がある。

渡さないとそれまでずっと狙われ続ける。

鮭を求めてここに来たのに、こいつに渡しちまうのは意味が無いわな。


さてこいつの厄介な点は・・・まぁ特にない。

強いて言うなら階層の数に見合わない強さがあるってことくらいか。


「オラァ!!」

「グラァ!!」


拳と拳がぶつかり合う。

強いと言っても、通常ダンジョンで言うと十五から二十層までの強さ。

個体によって強さが変化する変わったモンスターだが、拳の感覚から見て今回は十八層クラス。まぁまぁあたりか。

でもワイバーンすら倒してる俺からしたらそこまでな敵だ。


なので今回は鎧を使わない。

純粋に、俺の身体能力のみで戦う。

爪が無いと殺すのが面倒なのでこれは使うけど。


森熊が爪を立てればこちらもそれと同じくらいのサイズで受け止める。

押しつぶそうとしてくるなら力任せに抵抗する。

噛みついてくるなら拳をぶつけて下がらせる。


「これは!これで!楽しい!!」


最近闇夜の力に頼ってばっかりだったからな。

相手が強敵だし、そもそもゲームの俺で考えると使った方が再現度が高くて都合が良いから仕方ないんだけど。

でも時々こうして縛りプレイもしたくなるのだ。

楽しいだろ縛りプレイ。


「でもこれで、お終い!」


黒い爪が森熊の両手を斬り落とし、そのままの勢いで下から縦に両断する。

当然森熊は死に、死体が消えるが・・・何にも残らない。

だってここは『主食ダンジョン』基本的に主食以外は残らない。

槍魚?あいつも攻撃しちゃうと消えるぞ。そのまま持ち帰れば食べられるけど。


「いやぁ。やっぱり偶には殴り合わないとな」

「アークだとあんまりやらないの?」

「やりますよ?ただ相手してくれるのが少ないんで」


素手で戦ってくれる奴らってあんまりいないからな。

数少ない付き合ってくれる連中は皆武術やってるから中々時間も合わないし。


「っていつのまに二匹目を」

「あ、さっきね。あっちの人が手伝ってくれたの」

「成程」


どうやら俺が闇で槍魚やったり、他チームに寄って来た森熊を倒したのでそのお礼らしい。


森熊は基本一匹しか出てこない。

一応二十メートルくらい離れた位置で同時に釣り上げると複数出てくるんだっけか。

まぁそうだとしても俺には関係ないけど。


その後11匹程追加で釣り上げ、その分森熊が犠牲になって釣りは終了。

これ以上は流石にクーラーボックスに入らない。


大きな鞄の中に入っていくクーラーボックス・・・不思議な光景だ。


「これでここも終わり・・・だな」

「時間も良い感じだね。ご飯どこで食べる?」

「どうせ奥多摩まで来てるんですし、良い感じの公園とか無いですかね」

「あ、それなら私調べて来たよ!」

「マジっすか。用意がいいなぁ」

「えへへ。ピクニックとか出来ないかなぁって」


可愛い(確信)


季節的に暑いので、室内から外の景色を眺められてお弁当を食べられる場所を調べてきてくれたらしい。

相変わらず準備が良い。あとお弁当楽しみ。


その場にいた冒険者チームに別れを告げてその場を離れる。

ダンジョンを出るとまさに今が暑い時間帯。

ここまで来ると普通に外に出るのが躊躇われる時間だ。


当然移動はタクシー。

向かう先は・・・『山の幸ダンジョン』近くの協会施設。


「まさかここ・・・?」

「観光施設も兼ねてるんだって」

「そんなことしてんの!?」


あ、いや。ここだと渓流が近いんだっけ?だから兼任してるとか?

こういうパターンもあるんだな・・・確かに結構上るなとは思ったけど。


協会の冒険者以外にも公開されている上のスペースに移動。

そこそこ高い建物だから、割ときちんと景色が眺められる。

そして室内だからめっちゃ涼しい。

俺たち以外にも観光客と思われる家族連れもいる。


「ここってダンジョンの博物館?もやってるんだって」

「マジで色々やってんだな・・・」


そんなの都会の方に一個あるだけだと思ってたけど。

まぁ流石に俺達がそこに行くことは無いな。

そもそもダンジョン潜ってるし。


テーブルの上に広げられたお弁当(重箱八個)を日坂さんが用意してくれる。

相変わらず中身が豪華だ。あれ、今日の事って昨日いきなり言ったよね俺。


「お母さんと一緒に作ったんだよ!」

「あ、なるほど」


いくら日坂さんでも量が多いと思ったがそういうことだったか。


日坂さんもお義母さんと一緒に料理が出来て楽しかったそうだ。

前まではそういったことも出来なかったようだから、それだけでも嬉しいんだろう。


「あとこうやっていっぱい作る時に作り置きも出来るからね」

「生活の知恵」


基本千尋が食べたいもの作るうちとは事情が違うな・・・

あ、でも最近では俺が食う分は作り置きは多くなったか?

もしやあれは日坂さんの知恵だったか。うーん仲良くなったよなぁ二人も。


一方でリアとはあまり仲良くない。

良くないって言うと悪いのかってイメージになるが、そういうわけじゃなくてあんまり関わりが無いって感じだ。

だからまだお互い知らないって感じが正解かな?

まぁ時間が経てばリアとも仲良くなるだろう・・・なるよな?

あいつ別にコミュ障とかそういうわけじゃないから大丈夫だよな?


「信用ならんなぁ微妙に・・・」

「ん?どうしたの?」

「いや。唐揚げ美味しいなぁって」

「そう?良かったぁ」


にへっと笑う日坂さんの顔。

それを見て何となく、大丈夫かなとそんな気分になった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「でもなかなか釣れませんね」 「ここ魚の影とか見れないからわかんないんだよね」 「海夏が見たらいるみたいなんですけどねぇ」 海夏ってなんですか? [一言] 面白いです
[一言] 日坂さんマジ大当たりヒロインすぎる… そして熊とステゴロするリアルバーサーカー …何かおかしくない?
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