表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 冒険者になる
8/892

惹かれる場所

アーサーたちへの相談から数日。

その間、やはり気になるので俺なりにダンジョンについて調べてみた。

結論から言うと、やはりネックなのは初期投資だ。

ここのコスト問題を解決しないと本格的な冒険者となるのは難しそうだ。


金を持ってる身内自体はいる。めっちゃ近くに。

だけど頼るつもりはないので却下だ。

そもそも本格的にといっても趣味の範囲である事に間違いないからな。

本来の目標はあくまでも【剣豪無双】に勝つ事。

ゲームの為に家族から金を借りるつもりはない。


一応コストを掛けない方法もある。

時間は掛かると言うか、安全が保障されないという意味で。


具体的には武器や防具なんかを妥協すれば良いのだ。

レンタル品を借りつつ戦って、お金がある程度溜まるまでそれを続ける。

そして溜まったらレンタル品を返し、ちゃんとした武器等を買う。


何でこれがダメなのかというと、レンタル品の性能が高くないからだ。

一定層より下で通用する装備ではないので、どうしても効率が良くない場所で稼ぐ必要が出てくる。

そこをスキップするための初期投資なのだ。

ちなみに、このコストは決して払えない額では無い。

恐らく社会人として働いているのならちょっと日々の生活で我慢をしていれば溜まるくらいの額だ。

しかし学生である俺には非常に高い壁だ。小遣い制の辛い所だ。


「しかし来てしまった・・・」


だけど何だかんだ言いつつダンジョンに来てしまった。全く何をしているんだ俺は。


ここまで来てしまったからには仕方ない。

立っていても邪魔になるし、適当に物借りて中にでも


「戸村さん?」

「ん?あ、桜木さん」

「お久しぶりですね」


ダンジョンに行くかと決めた時、丁度知った顔が中から出てきた。

俺がいた研修チームを率いていた桜木さんだ。

この間よりしっかりとした装備を身に纏っている。


「ダンジョン帰りですか?」

「ああいえ。これから向かう所なんですよ」

「え?そうなんですか」


なら何で外に出てこようとしたんだ?

そんな疑問が頭を過ったが、まぁ何かあるんだろうと気にしない事にした。


「戸村さんもダンジョンへ?」

「ええっと、まぁ。色々考えてたら自然と足が向いてまして」

「成程。それで手ぶらなのですね」


そういえばマジで何も持ってきてないな。

前回は着替えとかも持ってきていたのに。


基本冒険者としてダンジョンに行く際、着替えなどの準備は必須だ。

何せダンジョン内で動き回ればドロドロになるし、かなり汚れる。

その状態で帰るとなると、歩きや自転車なら問題ないが車とか電車では迷惑だろう。

ルールではないが、一種のマナーとしてそういう事がある。


でもそうか。俺着替えも無いじゃん。


「出直そうかな」

「よろしければ、こちらで服のレンタルも出来ますよ」

「え?マジっすか」


この間の研修でそんな事言ってたっけか・・・?

でも桜木さんが言うならそうなんだろう。ではお言葉に甘えるとするか。


その旨を伝えると、桜木さんが案内を買って出てくれてそのままついていくことに。

まず受付で名前を記入して別の部屋へ。

そこで少し待っていると、桜木さんが装備一式を持ってきてくれた。


「ありがとうございます・・・ってあれ?この斧」

「あなたの物ですよ」

「はい?」


鞄などの必需品は前回もレンタルしたので分かる。

服は初めてだが、黒で汚れの目立たないものだった。


だがそれと一緒に持ってこられた斧。これが問題だ。

見覚えはある。あの鬼が使っていた物だ。

これが俺の物ってのはどういうことだ?


「鬼を倒したのは戸村さんじゃないですか」

「ん?・・・あ、そうか。倒したらそら俺のものか」


誰かが使っている武器が自分の物になるという常識を忘れていた。

使っていたモンスターがもういないんだから、倒した俺の物なのは当然だな。

アークだと倒しても武器が手に入ったりしないし、何か不思議な感覚だ。


ほぼ一週間ぶりだが、斧を持つとあの時の感覚を思い出す。

いや。前回より軽い?


「前より軽い気がするんですけど、何かしました?」

「軽く研ぎはしましたが、軽いと感じた理由は戸村さんのスキルのせいだと思いますよ」

「スキル・・・身体強化!」


思い出した。そういえばスキルを手に入れてたな俺。

どうやら非常に分かりやすいスキルらしい。身体能力が勝手に上がっているようだ。

あの時は両手でやっとだったのか、今はバランスに気を付ければ片手でも振るえそうだ。

ちょっと大きいのが気になるくらいかな?慣れれば問題なさそうだけど。


「・・・やはり」

「ん?何か言いました?」

「いいえ。では早速潜ってみましょうか」

「え?桜木さんも来てくれるんですか?」

「はい。あなたに興味もありますから」


俺に興味・・・そういう意味じゃないのは分かってるけど高校生としてはドキドキしちゃうね☆・・・ねぇな。

アホ言ってないで早く準備しよう。

そうだ。斧だけだとあれだから普通の剣も借りておこう。


ちなみに斧と一緒に武器を仕舞うホルスターも貸してくれるらしい。

鞄と一緒に背中に固定するだけのものだが、あると無しでは大違いだろう。


準備も整ったので、いざ二回目のダンジョン突入へ。


桜木さんは危うくなったら助けてくれるそうなので、ずんずんと先頭で進んでいく。

道中ネズミが出てくるが相手にならない。

前より能力が上がってる分。剣で倒すのも楽なものだ。


「ネズミはいくら倒してもうま味あんまり無いですね」

「これでも魔石はありますから、結構馬鹿にならないんですよ?」

「そうなんです?下に行けるなら下の方が良いと思いますけど」

「それは勿論そうですよ。あくまでも初心者向けの話ですから」

「なるほど」


それに下に行ける冒険者は基本的に上に留まってほしくない。というのが協会の考えらしい。

言いたいことは理解出来る。

上の階層で活動できる人は多いんだから、実力のある人間が楽な場所にいるべきではない。

時間を掛ければモンスターはいくらでも湧いてくるが、一度に湧いてくる数には限りがある。

だからこそ下に行けるならば行かないといけない。

ただでさえ魔石も何もかも足りてないんだから。


「そう言う意味では、戸村さんも早めに下に向かった方が良いですね」

「やっぱりですか」

「はい。その方が戸村さん自身のご希望にも沿えると思いますよ」

「それは楽しみですね」


まぁ何度もネズミ共を倒すのもつまらないしな。

桜木さんの言う通りさっさと下に向かうとしよう。


道を教えてもらい、二層へと向かう。

意外と近い場所にいたのか、数分で階段を見つける事が出来た。


「今思うと下に行くのは普通に階段なんですね」

「どんな風な物があると思ってたんですか?」

「いや。また穴でも開いてるのかと」

「それはありえる話ですね。実際ダンジョンごとに少しずつ違ったりもしますから」

「あー。環境固定ダンジョンでしたっけ?」


環境固定ダンジョンとは。

通常ダンジョンはここと同じ様に洞窟だったり草原だったりと階層ごとに中の環境が違う。

だがダンジョンの中にはずっと同じ環境のダンジョンが続いている物があり、それらを環境固定ダンジョンと呼んでいる。


そのダンジョンは中の様子以外にも色々違いがあり、

一番の違いはモンスターの種類とドロップ品だろう。


例えば草原固定のダンジョンで、全てのモンスターが牛系のモンスターのダンジョンがある。

そこのダンジョンでは何をどう倒しても肉しか手に入らない。

下に行けば行くほど、ドロップする肉は美味しく高級品になる。

ちなみにそのダンジョンはよく【肉ダンジョン】と呼ばれている。

他にもドロップ品が偏るダンジョンは【~ダンジョン】と頭にドロップ品の種類の名前がついて呼ばれる事が多い。


「個人的には防具ダンジョンとか欲しいですね」

「それ私も欲しいですね」


冒険者の買い物で一番高いのって防具だからな。

買った後も整備とかで金食い虫だし。基本壊れるものだから買いなおすのも大変だ。


さて階段を降りきったので二層目に突入した。

案外あっさりと来てしまったのであまり感慨はない。


「ここのモンスターはコウモリでしたっけ?」

「はい。ネズミに比べると遥かに危険ですので注意してください」

「そうなんですか?」

「飛んでる敵というのはそれだけで厄介なんですよ。攻撃も当てにくいですし」


しかもコウモリだから噛みつかれて負傷するってパターンが頻発するらしい。

一応レンタル品の防具を貫通したりはしないので、噛まれる場所を誘導出来れば問題は無いそうだ。

しかし実際に見てみない事には分からない。

話を聞く感じあまり期待は出来ないかもしれないが。


そういえば桜木さんは敵の位置が分かるんだったっけ?

ならそれで探してもらおうかな。


「敵の位置教えてくれたりします?」

「良いですよ。付いてきてください」


今度は桜木さんの先導で進む。二分程で着いた。


「おっと、二体いましたか」

「何か問題でも?」

「いやそこまで問題でも無いんですが・・・まぁやってみた方が早いですね」

「成程??」


なら戦ってみましょうそうしましょう。

斧と剣を抜いて前に出る。コウモリ達も俺に気が付いたようだ。


まず手始めに、斧を振り下ろす。

倒せた。


「あれ」

「おや」


一瞬俺の動きが止まると、残ったコウモリが近寄ってくる。

だが斧を手放して素早く剣を構えたのでただ間合いに入っただけになった。

そのまま同じ様に振り下ろし、二体目も倒す。


「・・・あれ?」

「思ってたより遥かに動けますね・・・」

「動けてます俺?」


何というか、めちゃくちゃゆっくり動いてるから苦戦も何も無いと思うんだけど。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 面倒くさいガキだな甘えろよ ゲーム機もしくはPC等はどうやって手に入れたんだろう 親に買ってもらったんじゃないの?
[一言] ここでおじいちゃんの伏線…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ