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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 クエストを受ける
46/885

アイドル襲来

結果、断れませんでした☆彡


・・・マジクソ。



「ついに当日だね!いやぁ楽しみだなぁ」

「ソウッスネ」


わくわくしてる日坂さんかわええなぁ。なんて現実逃避するくらいにはここから逃げたい。

マジで帰りたい。


結局クエストを断れなかった理由は日坂さんだ。

だって内容聞いてノリノリになっちゃったんだもん。

難易度の低く、めっちゃ美味しいダンジョン。危険性ゼロ、だけど報酬は良いしクエストの実績も得られる。

絶対にやりましょう戸村君!なんて目キラッキラで言われて断れるわけないだろうが。


でもやっぱり断るべきだったかと、現地に来て思った。


今日は普段行く地元の駅前ダンジョンではない。

遥々東京は奥多摩まで。そこに今回のダンジョンはある。

通称『食物ダンジョン』手に入る物のほとんどが食用可能とかいう、文字通り美味しいダンジョンだ。

ここのダンジョンのもう一つの特徴は非常にモンスターが弱い事。

もちろん普通の人が勝てるレベルではないが、ほかのダンジョンの同じ数の階層と比べると弱い。

なので戦闘が苦手で、とりあえず食べるものが欲しいとかいう人が多く来ている。

でも結局ここに慣れると別の場所に行くので、そこまで人がいっぱいという感じではないが。

あとここは特定のチームが固定で探索しているのも特徴だな。

彼らはここ以外のダンジョンには行かない。筋金入りの食物ハンターなわけだ。


「あ!あの車ですかね」

「明らかにロケ車っすね」


ダンジョン近くに備えられた駐車場が集合場所だった。

そこで待っていると、テレビで何度も見たことがある車が来た。

カーテンで中は見えないが、あの中に出演者がいる。


・・・あ、帰りたくなってきたゾ。ワンチャン違うってことないかな。


でもそんな俺の思いも虚しく。車は目の前で止まってしまった。

中からカメラとダンジョン用の装備を持った人たちが出てくる。

何ならこっちも知り合いだった。


「あれ?佐々木さん?」

「む?戸村君と日坂さん?」

「あれ?もしかしてもう片方の護衛って」

「なるほど。桜木が言っていたのはこういうことか」


俺達ともう一人護衛がいるとは聞いていたが、それがまさか佐々木さんだとは。

でもまぁ納得の人選ではある。テレビ映えするよなこの人。大きいし戦い方も派手だ。

あちらは俺達の事を桜木さんから聞いていたらしい。

浮島さんもそれなら教えてくれても良かったのに。


「次に顔を合わせるのは浮島の歓迎会だと思ってたが」

「俺もそう思ってましたよ。よくこういう仕事してるんですか?」

「いや。普段はもう一人の・・・桜木じゃない奴がやるんだ。だが今回はちと手が離せなくてな。代理だよ」

「あー」


相変わらず人手不足そうで。


俺達が佐々木さんと話していると、番組スタッフ側も全員準備できたのか外に出てきていた。


「すみませんお待たせしました。私こういう者で・・・」

「あ、これはどうも」


名刺を貰ったのでこっちも渡す。

七瀬スポーツが用意してくれた名刺だ。今まで使ったことが無い。

この人はプロデューサーさんらしい。一緒にディレクターさんの名刺ももらった。

ディレクターさんは用意がまだあるとのことで、話はプロデューサーさんに聞くことに。

どうもこっちがあいつらの担当さんらしい。苦労を察する。


「今回はこちらの急な指名に対応していただき誠にありがとうございます」

「いえ。基本自由ですから」

「でも、どうして戸村君を指名されたんですか?」

「いきなり聞きますかそれ」

「気になるじゃないですかやっぱり」

「それは俺も気になるな」

「佐々木さんまで・・・」

「あー。そうですよね・・・実は・・・」


プロデューサーの人はものすごく言いづらそうにしている。

まぁうん。気持ちは分かる。どうせあいつが我儘言ったんだろうし。


でも今回の元凶を知らない日坂さんと佐々木さんは言いづらそうにするプロデューサーに怪訝そうな顔を向ける。

言えない様な事情なのかってことなんだろうなぁ・・・実態がクソ過ぎる。


でも黙ってもいられない。

ようやくプロデューサーさんが口を開こうとしたその時。


「蒼ちゃ~ん!!」

「・・・スゥ」

「・・・本当にすみません」

「・・・いえ」

「え?蒼ちゃん?」

「・・・まさか」


というか佐々木さんは今の今まで気が付かなかったのかと。


背中に誰かが飛びついてくる。

来るのは分かっていたので特にバランスを崩す事も無かった。


「・・・あぶねぇからやめろって本当に」

「えへへ~」

「聞いてねぇ」

「ちょっとミホ!いきなり知らない人に抱き着かないでって言ったじゃない!」


あ、ストッパーも来たか。


ここまで来たら誰でも分かるだろう。

今回、俺達に依頼をしてきたのはアイドルグループ。相坂グループの相坂ミホだ。

なーんで俺が冒険者やってることに気が付いたのかはさっぱりだけど。


そんなことを考えている間に、ミホをルミの方が俺から離そうと頑張っている。

だけど基本的にこの馬鹿はスペックが高いのでなかなか剥がれない。


「ちょ、力つよ・・・何で本気抵抗なの!?」

「いいじゃん別に~」

「あんたアイドル。知らない異性に抱き着かない!慎みモテ!!」

「カタコトになってんぞルミ」

「そんなこと後で良いでしょ蒼ちゃん・・・ん?蒼ちゃん?」

「はい」

「・・・アークオリンピアの蒼セカンドさん??」

「はい」

「蒼ちゃんでーす」

「・・・えぇぇぇぇぇぇ!!!???」


やっぱり知らなかったか・・・


ここで急な状況に固まっていた日坂さん復活。


「ちょ、え。だ、誰ですか!?」

「相坂ミホで~す」

「そうじゃなくって。あの、戸村君から離れてください!」

「えぇ~。しょうがないなぁ」

「何でやれやれ感あんたが出してんのよ・・・」


ようやくミホが離れてくれた。

もう装備着てるのか微妙に重かったな。


「・・・まさかアークのアイドルだとは」

「なぁんで佐々木さん気が付かなかったんです・・・」

「いや。車内では書類仕事していたな。挨拶もほどほどだった」

「ちゃんと顔とか見てなかったと」

「そうなる」


何ということだ。

前もってクエスト内容とか見てなかったのかと思ったけど、この人代理できただけだったな。

そら色々引き継ぎ出来てないと詳細も知れないわな。

最低限護衛とだけ聞いてれば後はどうにかなる仕事だし。


でも佐々木さんはこれで納得したらしい。


「なら君が呼ばれるのも納得だな」

「遺憾である」

「あ、あの?」

「何ですか?」

「えーっと。戸村君はその。お二人とお知り合いで?」

「知り合い・・・知り合いっすね」


日坂さんにも彼女達がアークオリンピアで司会などをやっていることを説明する。

全部話し終わると、日坂さんもようやく理解した。

でもそれはそれとして何か納得できていない顔をしている。


「そ、それで呼ばれるってことあるんです?」

「普通は無いな。まぁだが・・・うむ」

「あ、言っていいですよ。こいつの我儘だって」

「むう。ルミちゃんだって蒼ちゃんに会えてうれしいでしょ」

「別にここで会いたくはなかったわよ」

「それな」

「あんたも大変ね本当に・・・」


付き合いの長さで言えば確かに長いのかもしれないなハハッ

だからといってこれはないだろうっていうね・・・


「ミホがどうしてもあなたが良いと・・・」

「じゃなきゃ仕事しーないって」

「お前真面目に仕事しなさいよ」

「えへへ」

「えへじゃねぇよマジで・・・ん?もしかして俺の護衛対象って」

「私だよ~」

「orz」


クソか?クソだな。



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― 新着の感想 ―
女臭さを押し出すタイプが必要以上に接近すると途端にハーレム臭がしてきてつらい
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