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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 仲間が増える
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仲間の才能

チームアップの申請は協会受付に用紙を提出することで出来た。案外簡単だな。

忘れていた俺が言うことじゃないのかもしれないが。


「あの。戸村君?」

「何ですか日坂さん」

「・・・プロだったんですか?」

「そうですね」

「じゃあ私と組んじゃダメじゃ」

「あ、俺その辺好きにして良いって言われてるんで」

「えぇ!?」


まぁプロ冒険者の中でもそんな条件で組んでるやついないだろうなぁ。

それだけ俺への期待値や評価が高いということになるし、

そもそも何かあった時に企業へのダメージを考えたらその辺りはしっかりと縛っておきたいだろうし。


「まぁ問題ないんで行きましょうか」

「あ、はい・・・あれ、私すごい人と組んじゃったかも」

「ところでなんですけど」

「ひゃい!?」

「日坂さんってどこまで潜ったことあります?」

「え?あ、まともに戦えないので、二層までしか」

「なるほど・・・じゃあ様子見で行けるところまで行きましょうか」

「はい!・・・はい??」


下手に経験無い分分かりやすくて結構。

さて問題は・・・どこまで俺が守りながら戦えるかかな。













なーんてことを考えていた前の俺を殴りたい。

結論から言えば、守る必要はあんまりなかった。


日坂さんは戦えない。だけどそれでも問題ないレベルのある特技を持っていた。

気配を消すこと、隠れること。

総じて敵に狙われないための才能というべきか。その点においてとても優れていた。

障害物のない洞窟内でどう隠れるんだって思うだろうが、これが驚き、ちゃんと隠れるんだ。

気配もまともに読めなくなるし、意識を逸らすとどこ行ったか分からなくなる。


だから調子に乗って一気に九層まで来たのは俺のせいじゃない。

たとえそれで日坂さんがビビり散らかしていても俺のせいじゃない。


「ヒィ!?」

「それただの草っすよ」


現在九層草原地帯。

八層から洞窟内から環境が変わって綺麗な草原地帯に突入する。

そこが結構面白い。あと美味しい。字は間違ってない。


「あ、来た」

「ヒィィ!!??」

「日坂さんかく・・れてるねうん」


小さい背を活かして草の中に隠れた日坂さん。気配も一気に薄くなってもはやぱっと見ではわからない。

素晴らしい技術だ。あれはあれで覚えたい。

でもその前に、のこのこやってきた馬鹿を殺さなきゃ。


あ、豚か。


「「ブヒィ!」」

「はぁい豚面とりま死ね!!」


剣鉈を勢いよく投げつけるとまっすぐにオークの腹に突き刺さる。

貫通はしないが、それがむしろ良い。

オークはその衝撃で後ろに吹き飛ばされる。

残されたオークは遠距離からのまさかの攻撃に足が止まってしまう。


「それはダメだろって!!」


斧を横に構えて突撃。

それを見たオークも手にした槍を構えるが、その動きは明らかに精彩を欠いている。

突き出された槍の穂先を躱して懐に入り込む。

そしてそこから斧を横から振り上げ腕を切り落とし、そのまま流れで肩を切る。

軽々振り回しているから忘れそうになるが、この斧はそれなりに重い。

それが勢いよく肩にぶつけられたらどうなるかなんて考えるまでもない。


食い込む斧を何とかしようと、俺に腕を伸ばすオークだがその前に俺が斧に力を込める方が早い。

肉の切れるブチブチッという音が鳴り、そのオークは息絶えた。


さて、最初に剣鉈を投げた方はっと。


「あら。もう死にかけか」


剣鉈を抜いたは良いものの、血が流れすぎてまともに動けないようだ。

可哀想なのでとっとと殺してあげよう。

顔面に斧を叩き込む。もはや慣れた作業だ。


「終わりましたよー」

「あ、ここにいます・・・」

「おおう」


日坂さんを探すと近くにいた。

本当に隠れるの上手いなこの人。


「ほ、本当に倒しちゃうんですね・・・それもあっさりと」

「まぁ慣れたものなので」

「・・・戸村君って、ここ来たのっていつでしたっけ?」

「一昨日ですね」

「冒険者を始めたのは?」

「ちょうど一月前ですね」

「・・・これで、初心者」


ごくりと唾を飲み込む日坂さん。

だがやることを思い出したのか、鞄を開けてドロップ品を集め始めた。


オークのドロップ品はいつも通りの魔石と肉だ。

肉はなんと何種類か部位がある。

サーロインやヒレ。ここだけで焼き肉パーティが出来そうなレベル。

しかもこのオークの肉。非常に旨い。

高級和牛の様な油の甘さに柔らかさ。

初めてここにきて、肉を持ち帰って食べたときは俺も家族も皆驚きで一瞬箸が止まった程だ。


「日坂さん食べたことは?」

「な、ないですよ。こんな高級品」

「じゃあこれも分けますか」

「えぇぇぇ!!??。い、良いんですか!」

「別にまぁ。俺その気になればいくらでも倒せるんで」


見てわかってもらえたと思うが、オークを倒すのに数秒あれば倒せる。

正直な話全く苦戦しない。それだけレベルは上げたし、それ以外の面でもまだアークの連中の方が強い。


「強くない?オークがですか??」

「見てたでしょ俺がさっくり倒すの」

「え、えーっと。戸村君ってレベルはおいくつでしょうか・・・?」

「レベルですか?今は・・・22ですね」

「へぇ22・・・22?」

「22です」

「・・・ちなみに階層ごとの適正攻略レベルってご存じです?」

「何すかそれ」

「や、やっぱり・・・」


日坂さんにも俺が常識に疎いキャラであることが理解されてきたようだ。

だが一応言い訳はしておく。言葉だけは知ってるんだ。

だけどこの階層がどのくらいのレベルが適正なのか知らないだけで。


「九層の適正レベルは12だって言われてるんです」

「あー。それ四人で行くときの奴ですよね。それにしても低いですけど」

「いや戸村君が高すぎるだけだと思うんですけど・・・どうやってそんなにレベル上げたんですか?」

「戦い続けただけなんですけど」

「ど、どれだけ戦ったのこの子・・・」


この一月の間。戦いに戦い続けた結果だ。

一人でダンジョンに行くということは、戦闘も当然一人で行うことになる。

それは基本的に冒険者には推奨されていない。

何かあった時に助かる確率が非常に低くなるからだ。

メリットはドロップ品と経験値を独占出来るくらいか。

でも正直ドロップ品に関しては二の次三の次くらいにしか思ってないのでどうでもいい。


研修でも数人で活動するようにと強く言われるレベル。

だが俺はそれを意図的に無視している。


まず一つに、俺の目的はダンジョンで強くなることだから。

可能な限り経験値を俺が独占したい。


二つ目に、集団戦に慣れたいというのがある。

アークオリンピアではどうしても戦闘経験は一対一に偏る。

そこでその経験不足を補うべく、一人で多数の敵と戦う環境が欲しかった。

その点ダンジョンは理想的な場所だ。何せ放っておいても敵が湧いて出てくる。


あとはダンジョンを走り回ってモンスターを見つける、そして殺すの流れを時間の許す限り繰り返す。

他の冒険者ならば、荷物がいっぱいになる前に体力が尽きて帰るだろう。

だから荷物持ちをあまり必要としない。もちろんこれは個人差はある。

そういった意味でも、日坂さんが俺と組みたいといったのは僥倖だった。

単純に今まで無駄にしてきた、体力が続くまで戦い続けた際の戦利品を倍以上持ち帰れるのだから。


俺は戦えるのに儲けが増える。

日坂さんは荷物運びだけで儲かる。

お互いにwinwinだな!!!


なお日坂さんのメンタルダメージは考慮しないものとする。


「集め終わりましたー」

「あざまーす。じゃあ次行きましょうか」

「はいぃ・・・まだ余裕です?」

「超余裕ですね」


多分あと三十回くらいは戦える。


「嘘つきましたあと百回くらいいけます」

「・・・人間じゃないよぉ」


一応人間です。


それに肉はいっぱい持ってこいと我が家の家事担当千尋様の命令があるので大量に倒さないといけない。

いくらかは七瀬スポーツ向けにも渡してるからあっちも嬉しいだろうしな。

それにオークの魔石は一つあたり万の単位で売れるのだ。既に俺は、ちょっとした小金持ちになっている。

最初あれだけ金がーコストがーとか言ってたやつと同じとは思えないな全く。


「あ、途中で日坂さんも止めだけ刺します?一体くらい」

「へ?」

「いや。多分日坂さんならそれだけでレベル上がりますよ?」

「・・・遠慮しておきます」


何故かは分からないが、この時の日坂さんは非常に疲れたような顔をしていた。


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