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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 冒険者になる
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電脳世界のプロローグ

別の作品を投稿してますが、色々思考がばらついた結果別の作品一本分の設定が出来上がるという

『アークバトル・・・レディファイト!!』


試合開始の合図と共に両者が駆け出す。

剣と盾を構えた騎士と、異形の鎧に包まれた戦士の二名だ。


戦士は鎧と一体化した爪を振るい騎士に襲い掛かる。

騎士は盾で受け流すと剣で反撃する。

戦士は攻撃を受け流され反撃の一撃を回避することは出来なかったが、肩で刃を受け止める。

重厚な鎧は刃を一切受け付けずに完全にダメージを無効化する。


腕に付いた棘を利用して剣を絡めとり、剣を弾き飛ばす。

そのまま戦士の爪が騎士を貫く・・・と思われた。


騎士の持つ盾が輝き、戦士の体を大きく吹き飛ばす。

明らかに異常な吹き飛び方だ。

しかし戦士の方は特に動揺すること無く、再度騎士に向けて突撃する。


戦士の爪が紅く、騎士の盾が白く輝きを増していく。

そしてついに二人の影が重なる。

その後立っていたのは・・・










「すっげぇぇぇぇぇ!!」

「やっぱマスターランクは格が違うぜ」

「おいおいただのマスターランクじゃ無いぞ。ランク二位の狂戦士と四位の真騎士だ!」

「難しいはずのバッシュをあんな風に使えるなんて・・・」

「キャー!真騎士様ー!!」


丁度コロシアムの壁に映し出された戦闘映像。

数日前の物だ。あの戦いは自分の中でもかなりうまい事いったと思う。


ところで待ち合わせしてるんだが。あいつはまだか。


「ん~情けない所を堂々と流されると困るね!!ハッハッハッハ!!」

「・・・本当に困ってるのかお前」

「僕の負けは事実だからね!それもああも完璧にやられると・・・」

「やられると?」

「自分の友人の強さが誇らしくなってくるよ!ハハハハハハ!!!」

「・・・あっそ」


待ち人来たりと思ったら、いきなりのハイテンションで困惑する。

だがこいつはいつもこんな感じなのでそれも長くはない。慣れる事が無いのは不思議だが。


「それで? 何で態々呼び出したんだよ。タイミング合わせならメッセージで良かっただろ」

「いやいや。ちょっと直接話した方が良いと思った情報を耳に挟んでね」

「はぁ。何かあったか?」

「まぁそうだね。実は・・・次回の大会に、ランク1位の彼が出てこないという噂を聞いてね」

「は・・・はぁ!?」


今俺がいる世界は、【アークオリンピア】というVRオンラインゲームの中だ。

このゲームはPvPによる対人戦がメインコンテンツとなっている。

そのコンテンツの中ではランクシステムとレートシステムが存在している。


マスター ダイヤ プラチナ ゴールド シルバー カッパー アイアン ルーキー


その中で、俺はマスターランクという最高ランクに属している。

更にレートランキングにも載っている。

ランキングは二位。つまり俺は実質的にゲーム全体で二番目に強い男ということになる。


その中で、ランキング一位は俺をして別格としか思えない程強い。

勝てないわけではないが、勝つにはそれなりに危険な賭けに出る必要がある。

ランキング一位【無双剣豪】 性別不明の侍である。


彼は毎度ゲーム内大会に出場し、その殆どで優勝している。

参加しなかった大会は参加資格を満たさなかった大会。

ランク制限が掛けられたものくらいだろう。


「リアルの事情かね」

「まぁだろうね。どうも現時点で参加者一覧に名前が無いから、不参加は確定だし」

「はぁ。マジでどれくらいぶりなんだか」

「最近は殿堂入りとかで参加出来ないのも増えてたみたいだけど、

 それ抜きにしても不参加とは。まぁライバルが減るのはいいことなのかもしれないがね!」

「どうだか・・・あん? お前出るのか?」

「出るとも。何せ今回の報酬はまさに僕の為にあるものだからね!!」

「あー・・・確か何か鎧だったか」

「そうさ!別のゲームのコラボアイテムなんだがね。何を隠そう僕はそのゲームの大ファンなのさ!」

「あらそう」

「おや?あまり興味無さそうだね・・・もしや」

「まぁそういうことだ」


何を隠そう、俺もその大会には参加しない。


「俺の場合何回かあるから驚く事でもないだろうがな」

「だねぇ。驚かれるレベルだったのが、一位がどれだけゲームに命を掛けていたのかが分かるというものだ」

「全くだよ」

「ところで、差し支えなければ何故不参加なんだい?」

「リアルの事情・・・というか、あれだ。ダンジョンに行くことになってな」

「お? ・・・おお! そういえば今年から君も冒険者になれる年齢だったね!」

「そういうことだ。クラスで何かそう言う流れになってな」

「君の事だからそういうのは面倒だと断ると思ったが」

「一々輪を乱すことはしねぇよ」


何度も関わろうとは思わないが。


ちなみにゲーム内でリアルの話をするのは本来NGなのだが、こいつには大丈夫だ。

何せこいつ自身リアルでも有名人だし、実際に会ったこともあるから信頼できる。

流石に初めて会った時は驚いたがな。


「ふぅむ。となると何か祝いの品が・・・」

「いらねぇよ・・・」

「言うと思ったよ。だが何か贈りたいと言うのも事実なのだがね。

 センパイヅラというんだったかな?それをやりたい」

「どういう願望なんだそれ。てかお前後輩なんて山ほどいるだろ」

「彼らと君では文字通り扱いが違うさ! 友でありライバルである君だからこその特別扱いだ!」

「あーはいはい。あざまっす」


扱いが雑だがこいつはこんなんでいいのだ。

何というかテンションが高すぎてついて行ったら疲れる。


「んじゃそろそろ落ちるわ」

「おや? 今日は早いね。出来れば一戦と思ったんだが」

「色々忙しいんだよ高校生活」

「だろうね。僕はあまりそういう経験は無いが!」

「お前の場合あったとしても疲れたと思わないだけだろ・・・」


何があってもこの出会いに感謝!とか言うタイプだろお前。

それを伝えると何で分かった?といった感じで首を傾げられた。

無駄に疲れが増えた気がする。


「んじゃおつー」

「君が冒険者として私と出会う時を待っているよ! アッハッハッハッハ!!」

「ねぇんじゃねぇかなぁ」


まぁダンジョンに行って一位に勝てるなら・・・考えなくも無いが。

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