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悪徳保険屋は理想を叶えたい  作者: いるまお
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~相互扶助を思い出す~

初投稿なので、投稿の仕方わかっておりません。

誤字脱字その他諸々あるかと思いますが、保険業界を描けたらと思っております。

俺は全てを手に入れた

ありとあらゆる手段を使って成り上がったんだ

これで良かったんだ・・・



A社 社長室

「ありがとうございます!社長!」

「○○君の熱意には感心するよ。会社の為の保険なんてどこで契約しても一緒だと今でも思ってる。ただ少しでも我が社の事を考えてくれている人が良いのは事実だ。君はまだ若いがその熱意をいつまでも忘れないでいてくれ。」

「ありがとうございます!・・・実は僕の実家も会社をしてまして、社長からのお言葉、凄く嬉しいです。」

「そうなのか。保険の営業は契約が取れなかったら大変だろう?なぜ実家を継がずに保険営業を?」

「実は昔、実家の会社が大きなミスを起こして多額の賠償請求を受けたんです。その時に良くして頂いていた保険の営業の人がいたらしくて、その人のアドバイス通りに保険に入っていたおかげで、持ち直しまして。」

「そうなのか・・・ちなみにご実家の会社の名前は?」

「○○カンパニーです!」

「!!!大企業じゃないか!そこの会社を継がないのかい?」

「その時の営業の人は今でも家族ぐるみの付き合いでして。幼かったながらに今でも尊敬しているんです。親は会社を継いで欲しいみたいですけど、私はこの仕事が天職だと思っています!・・・正直に言うと今回が初めての契約なんです。昔その人に受けた恩を世の中の私たちの様に困っている人全てに広めたいんです!『保険は困った1人の人を皆で支える為にある』んです!たまに詐欺みたいに言われるけど僕みたいに救われる人もいっぱいいるんです!社長の期待に応えられるよう、初心を忘れずいつまでも頑張ります!」

「ははは。若いね。君くらいの歳の子は良い。やはり君には『物語』があった。私の直感通りだ。その気持ち決して忘れるんじゃないよ?」

「・・・?はい!私はいつまでも社長の味方です!」

「○○!今月のノルマ大丈夫なのか?!」

「・・・頑張って営業はしているのですがお客様の視点から考えると中々・・・」

「バカ野郎!そんなものお前の為にも会社の為にもならねえよ!お客様の最善がお前の最善なのか?!」

「ですが!保険はお客様の万が一の為の物で!」

「今お前が万が一に瀕しているだろうが!ノルマ達成出来なかったら干上がるのはお前だぞ!お前の万が一を客は守ってくれねえんだよ!」

「・・・ですが!」

「自分の万が一すら守れないお前が客の何を守るつもりなんだ?!」

「・・・申し訳ありません」

A社 社長室

「なぜだ!君の話では保険からお金が出るはずだろう!」

「社長。私は契約の時にご説明したはずですよ?」

「・・・恥ずかしいお願いだが何とかならないだろうか?頼む、この保険金が下りなかったらわが社は終わりだ。確かにちゃんと説明を聞いていなかった私の責任でもある。ただ、君に全幅の信頼をおいていたのも事実だ。なんとかしていただけないだろうか?」

「社長。申し訳ないですが保険は事実が全てです。・・・前の更新の時に説明したはずですが?」

「・・・そうだな。私もやきが回ったな・・・○○君、この保険ではお金が出ないのはわかった。・・・思えば君とは10年以上の付き合いだな。どうだ、最近は羽振りも良くなって順調か?」

「・・・?ええ。順調ですよ。接待にゴルフ。女の子を用意するのも大変ですよ。ですが住まいも今では港区にあるタワマンに住んでいますよ。」

「それはよかった。今の生活はあの時の君が想い描いていた未来に近づいているかい?」

・・・ズキン

「・・・あの頃の貧しさを考えたら天と地の差ですよ。今でも覚えてます。社長が私の初めての契約でした。あの時はほんと、恥ずかしい姿を御見せしました。」

「あの時が恥ずかしかった・・・か。私があの時君に言った言葉を覚えているか?」

「・・・?いえ、ただ、初めての契約を頂き本当にありがとうございました。私が保険営業マンとしてのスタートを切れたのは社長のおかげです。」

「・・・そうか。今回の保険とは別に加入している生命保険の条件を確認したい。免責期間も全て終わり、残すは私が死んだら・・・という条件だけだな?」

「・・・そうです。しかし今の状況ではお話にあった生命保険の保険料が重荷ですので解約しては?」

「・・・君はどこまでも営業としては正しい。ただ、それだけだ。この保険は解約しない。君との打ち合わせはここまでだ。『最後に』1つだけ言わせてくれ。」

「なんでしょう?」

「客が何を想い、何を危惧しているのか。保険はそれを解決する為の物だ。保険という商品の先には『それぞれの物語』がある。それを昔の君は語ってくれた。」

「・・・?」

「『保険は皆で困った1人の人を支える為にある。詐欺みたいに言われるけど僕みたいに救われる人もいる。』あの時の君の言葉、嘘じゃないと信じているよ。さぁ次のアポイントがあるだろう?私も忙しい。もう帰ってくれ。」

「・・・また来ます。」

「・・・○○!お前が担当していたA社、社長が変わったみたいだから契約者名、変更の手続きちゃんとしとけよ!」

「・・・え?社長からは連絡頂いておりませんが?」

「・・・今朝の朝刊に載っている。連絡しとけ。」

A社、社長転落死!

業績悪化に伴う自殺か?!

「え?・・・そんな・・・」

『保険は困った1人の人を皆で支える為にある』んです!』

『その気持ち決して忘れるんじゃないよ?』

『今の生活はあの時の君が想い描いていた未来に近づいているかい?』

「俺は今まで一体何のために保険を売ってたんだ・・・?」

『あの時の君の言葉、嘘じゃないと信じているよ。』

「俺は何でこんなことを・・・」

そこで俺の意識は途絶えた。

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