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腐ったこーひー店

机が軋んでキイキイ自傷するので

私は静止して、目線は窓辺へ

白い靄に似た降雨の塵が

「都」たる誰かへ棲む欲望を

垂れ流し 果てて びちゃ

死体は道途に転がる者もあれ

大きく口を開いた排水溝へ行き着くもあれ


ここは「腐ったこーひー店」

そろそろと忍び歩む

煙草の煙に抱かれる

ティーカップを持つとカチャと鳴る

命の様に静寂なコーヒーを

啜る・・・・


小綺麗な縦長の小さなカレンダーが

本日を指し示すけれど

ここに本日なんてありはしない

来客は全て五感を動員する

そして皆ティーカップの存在を確かめる


カップが薄く発光するひかり、

そこ一点だけ明らかに灼熱だ、

枯山水のマニュアルなんてない、

来客の誰もが総じて、

飲み干したコーヒーに手を合わせる、


煙草へ点火する

夕闇に溶けた店外から

篝火に照らされる戦艦が見える

一口残ったコーヒー、

を一気に飲み干す

瞳の閉じられた地球の瞼の裏側で

都を望んだ雨が海となったことに

その時初めて気が付く

唇がヒリヒリと焼けている

眩いティーカップの光で生じたキズを

さする・・・・

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