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あの頃の私に会えたなら…
ご両親に会ったのは結婚前と後に4度だけ。
義父は人当たりよく聡明で、義母は大人しいが自分をしっかり持った人。
そんな印象だった。
特に嫌な印象も受けなかったので、はじめは「同居」ということより、場所への不安の方が大きかった。
この時はまだ、なにも分かっていなかったのだ。
違いすぎる環境で生きてきた、まだ何も知らない他人と一緒に過ごすことが、どれだけ大変なことかを。
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主人と話し合い、引っ越すのは
《子どもができて、その子が幼稚園に入る前》
に決めた。
結婚後2年後に長男が産まれ、そのまた2年後に長女が産まれた。
そして、長男が3歳、長女が1歳になった初春、ついに引っ越すことになった。
地元で過ごした5年間は先の不安で涙することも多かったが、何より幸せだった。
引っ越し前日の夜はその思い出に浸りながら、涙が枯れるまで泣いた。