第9話 ボス討伐戦 開始
誤字報告ありがとうございます!
助かっています。
「ではサイモンパーティーから始めるぞ」
ボス部屋の扉が開き先の挑戦者が終わったことを知らせる。
扉の横に掛かっている消えない松明が赤く光っていることから、ボスを1度も倒していないことを示していた。
俺のパーティーは第2陣だ。
1回のトライで倒せなくても、まずは情報を持ち帰ることが最優先とされている。
第1陣が入ってしばらくして扉が開いた。
もちろん松明の色は赤のままだった。
勇者パーティーが何度か挑戦しても無理だったのだ、一般の探検者は情報を持ち帰ることを期待されている。
「では、スミスパーティー行くぞ!」
スミスさんが声をかけてパーティーメンバー5人で中に入る。
扉が閉まり、広場中央で渦が巻く。
その渦がおさまる頃ストーンゴーレムの巨大な姿が目視できた。
「よし! 全員配置についたな! 攻撃開始!」
スミスさんの号令と共にボス戦が始まった。
「スミスさん10秒後素早さUPの効果が消えるので少し下がって下さい!」
そういうとスミスさんはボスとの距離を中距離に変えて、俺の支援を受けやすい所まできた。
前線でもかけることは可能だが、長期戦になるとこういった小さなことから負担を減らさないとミスが出やすくなる。
「ダビさん! 大振りの攻撃だけは避けてください!」
重戦士で盾役をやっているダビさんに防御アップをかけながら指示をだす。
リーダーはスミスさんだが、前衛職なので後衛の俺が指揮を任されている。
「ゴーレムの回避行動をキャンセルさせるので、一気に畳みかけますよ!」
相手の行動をキャンセルさせると一定時間硬直するのだ。
そこをみんなで叩く。
「バインド!」
ゴーレムが大振りのあとの回避をしよとしたとき、俺が拘束スキルをかける。
すると、ゴーレムは拘束スキルを解除するため暴れる。
拘束が解けた瞬間、ゴーレムが硬直する。
「今です!」
俺が叫ぶよりも前に、魔法使いのロティさんが最大火力魔法をぶち込む。
それを皮切りに怒涛のラッシュを仕掛ける。
俺は全員のバフ効果が切れていないことを確認して、次のスキルの準備をする。
「ケインさん! スキル効果上昇をかけますので今のうちにエリアヒールの設置をお願いします!」
「了解!」
俺と同じ後衛職でヒーラーのケインさんが前衛職の周りを囲むようにエリアヒールを設置する。
「皆さんきます!」
俺がそういうと、前衛の人たちは離脱をするのではなく防御態勢をとった。
ちなみに魔法使いのロティさんも、射程が短い高火力魔法を当てるために前に出ていた。
すると、ゴーレムが硬直から解け、大きな足で思いっきり地面を踏み込んだ。
「クッ!」
前衛の人たちは吹き飛ばされダメージをもらう。
後衛は少し踏ん張るだけで大丈夫な距離にいる。
「流石だな!」
吹き飛ばされたメンバーはちょうどエリアヒールの中に入り、回復をする。
「ここまで完璧とは、倒せるんじゃねぇか?」
「いえ! まだ序盤です! この後の行動が読めないので油断はしないでください!」
ここまでゴーレムを完璧に抑え完封している。
序盤の様子見が活きて、パターンに嵌めることができた。
ここまでの攻略を完成させただけでも恩賞ものだが、まだ余裕があるので戦闘続行だ。
「でも、皆さんの練度が高くてやりやすいのはたしかですけどね」
このパーティーの職業は一般的な、珍しくないよくある職業の組み合わせだった。
ただ一つ違いをあげるなら、前衛が1人少なく、代わりに後衛のエンチャンターがいるぐらいだ。
すると、ある程度ダメージが蓄積したのか、ストーンゴーレムの動きが変わった。
「パターンにない動きです!」
魔物は大抵同じ動き方をするのだが、ボスはある程度ダメージを受けると攻撃パターンが変わる。
まるで怒り狂ったかのような狂暴性を見せ始めるのだ。
「一旦離れるぞ! いつでも帰還石使えるようにしとけ!」
スミスさんが注意を促す。
そして、ストーンゴーレムが高くジャンプをした。
何がくるのかみんなストーンゴーレムから目を離せない。
俺は少し嫌な予感がしたのでみんなにバリアを張った。
このバリアは一定量の攻撃を受けてくれる。
「ケインさん! エリアヒールの設置と念のため状態異常回復の準備をお願いします!」
俺は何かあってもみんなが帰還石を使える時間を稼げるように準備をする。
すると、高く飛び上がったゴーレムが回転して何かをバラまきながら落ちてきた。
「石の全体攻撃です! 皆さん防御を!」
各々が防御態勢に入る。
俺は繰り返しバリアを張れるように皆から目を離さないようにする。
「くっ! もたねぇ!」
ロティさんが一番被弾が多くバリアが解けかけていた。
スミスさんがロティさんに声をかける。
「アルを信じろ!」
そう言った瞬間にロティさんのバリアが解けた。
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