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第30話 情報収集

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「まさかアルが前衛を務めてるとは思わなかった」


「はは、倒すのはネマの役目だけどね」


「えへん」


ネマが小さな胸を張る。


「ヒーラーが二人いると大分無茶できるな」


ネマの捌ける範囲に限られるが、かなりハイペースでダンジョンを進めている。


「チェルシーどうかしたのか?」


いつもより元気がないように見えるチェルシーが心配になった。


「いえ、いつもよりハイペースだったので疲れたのかもしれません」


「そうか」


疲れには見えなかった、なにか気になって集中できてないようなそんな感じだ。


「結構奥まで来てしまったし、これ以上潜るなら帰還石使わないといけなくなるから戻ろうか」


「はい」


「わかったわ」


「(コクリ)」


満場一致で今日の探索を終えた。


家に戻るとチェルシーに話しかけられた。


「あのご主人様」


「ん?」


「少し外に出てもよろしいでしょうか?」


「ああ、いいぞ」


特にやることもないので許可を出す。


「それでは少し出かけてきます」


そう言ってチェルシーは出ていった。


「あれ? 女性用の買い物でも行くのかと思ったのに」


女性に必要なものを買いにいくならネマも一緒に連れて行った方がいいと思うのだが。


「エッチ」


ネマはそう言うと自分の部屋に戻っていった。


「しょうがない、夕飯の準備でもしとこうか」


俺はいつもチェルシーがしてくれている、夕飯の支度を自分ですることにした。


--------------チェルシーside--------------


「ご相談というのが」


「なるほどね、確かに心配になるな」


チェルシーはスミスの元を訪れレティシアの相談をしていた。


「それで、何かないか調べて欲しいんですが」


「依頼という形でいいんだね?」


「はい! 報酬はお支払いいたします」


「アルは君たちを本当に仲間として扱っているんだね」


チェルシーが現金を出したことにスミスさんが驚いた。


「はい、こうしてお金を自由に使わせて貰っています」


「カードを使って渡さないのは、アル君に隠すため?」


「万が一履歴を見られたら、というのもありますから」


チェルシーは記録に残らない方法で依頼を出すことにした。


「わかった、僕を信用してくれているなら頑張らないとね」


記録に残らないということは、契約を結んでいないので、約束を破っても罰せられないのだ。


「では、早速一つ目の情報だ」


金銭を受け取ってすぐスミスが情報を渡す。


「これは、アル君にも言おうと思っていたんだけど」


その内容は、衝撃的なものだった。

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