第3話 勇者ガルフ
探索者カードのやり取りの部分を書き足しました。
一般の探索者カードと国家探索者専用カードがあります。
俺は自分の家で少し痛む顔を鏡で見ていた。
「傷は、もうないな。痛みが残ってるけどそれもすぐ治りそうだ。」
流石ヴィオラさんといったところである。
あの人の回復魔法は一級品と言っていい。
その回復でも痛みが残るということは相当酷い怪我だったのだろう。
まぁ気絶するほどだ、これほど躊躇いなく暴力を振るえるアーサーの人格が心配だ。
「アイツ絶対やらかすだろ。」
1人呟く。
まぁちょっとした呪詛を込めた呟きである。
あの後、一応ガルフさん達に暴力的な仕返しとかはしないで欲しいと言っておいた。
良識のある2人なので自分達の立場が悪くなるようなことはしないと思うが、あの形相を見たらやってしまうんじゃないかと一瞬思っても仕方ないと思う。
「これからどうしようか...」
アーサーや浮気をしていたレティシアに文句を言ってやりたいのは山々だが、今は自分のことをどうにかしなくてはならない。
「やっぱ、フリーの探索者しかないよな。」
この国、世界と言ってもいいが、ダンジョンで資源を確保しているので探索者は比較的稼ぎやすい。
ダンジョンはモンスターが蔓延っていて、危険なのだがリターンが大きいためダンジョンの豊かさが国力になっていると言ってもいい。
俺は次の日探索者ギルドへ向かった。
「あの、探索者登録したいんですが」
「紹介方式と試験方式がありますがどちらですか?」
探索者は稼げるので希望者が多いが命がけの仕事だ、ある程度の戦闘能力は必要である。
「紹介の方でお願いします」
エンチャンターの俺は落とされる可能性が高い。
スキルの評価が低いので自分の身体能力勝負になってしまう。
俺は昨晩ガルフさんから貰っておいた紹介状を受付嬢に渡した。
「お預かり致します」
受付嬢はそういって奥の方に紹介状を持って行った。
ちなみに今来ている探索者ギルドはギルド運営型のところに来ている。
国が経営している探索者ギルドは国王の息がかかっている可能性が高いからだ。
国が経営しているところは保証があり、潜れるダンジョンも多くなる。
「お待たせしました、確認がとれましたので登録ができます。」
「では、お願いします」
「わかりました、ではこちらに記入をお願いします」
そう言われて渡され紙に自分の名前や職業といった項目に記入していく。
受付嬢は記入された紙を受け取ると、機械じみた物に通した。
すると、中からカードが出てきて渡された。
「探索者カードです」
このカードはとても便利だ、自分の身分を保証するものでもあり預金カードとしても使える。
登録は簡単なものでこれで終わりだ。
報酬はこのカードに振り込まれ、毎月探索者料や税金が引かれる。
探索者カードを持っていない人は、住民登録所にいき同じようなカードを発行してもらうのだ。
国家探索者の時に使っていたカードから中身を移す作業をしてもらう。
幸いにもまだ止められていなかったので、わざわざ王城に行って申請を出す必要はなかった。
俺は探索情報の載った掲示板へ行く。
ここでは、今高額で買い取ってもらえる素材や依頼の発生等が見れる。
その中で俺は1つの依頼に目が止まった。
『コクハダンジョンボス討伐メンバー募集』
『コクハダンジョン』とは、最近発見されたダンジョンで国が調査を行っているダンジョンだ。
その調査過程で国が倒せないボスが出るとこのような依頼が出る。
実は昨日まで俺はここのダンジョンの調査を行っていたのだ。
このダンジョン調査で1番の成果をあげていたがダンジョンボスを見て、アーサー達では無理だと判断して報告していた。
ガルフさん達なら行けるが、長期外部調査に出ていくといっていたので無理そうだ。
俺はこの募集を掛けているクランに行ってみることにした。
『ダウンクロウ』と書かれたクランハウスの前に立つ。
入口から入り受付があったので声をかける。
「あの、ダンジョンボス討伐メンバー募集を見てきたんですが」
「あ、はいではこの読み取り機にカードをかざして下さい」
俺は言われたとおりにカードを通す。
「おい!」
不意に後ろから声をかけられた。
1500字くらいにしました。
1000字~2000字の間で投稿しようかと思っています。
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『エロゲに転生した俺は悪役令嬢に婚約破棄され復讐の鬼になるラスボスでした~最初でラスボスの力を手にいれて最強になってしまったようだ~』




