第28話 ケンタウロス戦の裏
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「じゃあいくぞ?」
帰還石など最終チェックをし、ボス戦に挑む。
「配置についたな?」
そう聞くが、一番移動しなければいけないのは自分である。
すなわち、みんな準備万端ということだ。
「行くぞ!」
俺の合図と共に戦いの火蓋が切られた。
--------------アーサーside--------------
アーサーは苛立っていた。
「クソクソッ! レティシアが辞めてアイツの元に行くだって?」
国家探索者を辞めてわざわざアルの所に行くことが理解できなかった。
「最近調子が良くないからって裏切りやがって」
アーサーのパーティーは上手くいっていなかった。
気持ちが落ち着かず、廊下を早足で歩いていると、反対側から人が歩いてきた。
「おやおや、これは勇者アーサー殿ではないですか」
宰相が話かけてきた。
「ああ!? なんの用だ?」
宰相は偉い人なのだが、今のアーサーにはどうでも良かった。
「おお、ダイブ荒れていらっしゃいますな! もしかして例のエンチャンターですか?」
「チッ! だったらどうした!」
図星だった分苛立ちが倍増する。
「いやはや、レティシア嬢をかどわかすとは、あのエンチャンター許せませんな」
「何が言いたい!」
回りくどい言い方にだんだんと怒りが湧いてくる。
「まぁまぁ落ち着きなされ、老いた爺の独り言と聞き流してくだされ」
「クソッ!」
アーサーは弄ばれたと思い不快を態度に表す。
「エンチャンター1人が消えたところで、国は動きますまい?」
そう囁いて宰相は呟いて去っていった。
アーサーにはその言葉が、
アルを殺しても国がもみ消してくれる。
そう聞こえたのだった。
--------------アル・ギルバートside--------------
「ネマ!」
合図をするとネマの蔓がケンタウロスの足をからめとる。
ネマとケンタウロスは相性が良く、動きを封じるのは比較的楽だった。
その間に俺が後ろに回り込みチクチク攻撃をいれてヘイトを取る。
「ネマ!」
ネマ大忙しである。
最大火力もネマである。
ついにケンタウロスが地に伏した。
「ふぅ、お疲れ様」
「お疲れ様です!」
ネマとチェルシー労う。
「帰って反省会するか」
内容はやはり、前衛の補充だろう。
俺がエンチャンターとして機能していないし、火力をネマ頼りというのは心もとない。
「はい、そういえばこのあとレティシアさんが来るんですか?」
「ああ、今日は顔合わせだけだけど」
そうこの後国家探索者を辞めたレティシアと合流予定なのだ。
「ご主人様がされたことを考えると、受け入れがたいですが・・・・・・」
「ああ、そうだな、でも俺は反省してるなら一度くらいは許してもいいんじゃないかと思ったんだ」
「そうですか、でもご主人様気をつけて下さいね、一度やられたんですから」
チェルシーは何を経験してきたのか、とても現実的な子なんだなと感じさせる。
「そうだな、一応短期的な加入ということにしてるけど、あまり深入りしないように気を付けるよ」
「はい! ご主人様がそうおっしゃられるなら心配いりません」
心配してくれるチェルシーがいてくれて本当に良かった。
「ネマ行くぞ!」
ヒマそうに蔓で遊んでいたネマに声をかける。
危なげなくケンタウロスを倒すこともできたし、今の所順調といったところだった。




