第22話 合同演習 騎士団長アルメス
今日はあと1話投稿予定です。
伏線をいくつか引けたのでこれから動きが大きくなるかな?
「そんなことが、それにご主人様はエリートだったのですね! どうりで物知りなんだ」
チェルシーは俺の経歴に驚いて、ネマはなにそれ状態だった。
「まぁ、そういうことだ、以前言っていた負けられない相手って言うのがアーサーなのさ」
「はい! 私もあの人には負けたくありません!」
チェルシーにも敵認定されたようだ。
あれだけ欲望の籠った眼差しを向けられればそうなるのだろう。
「チェルシーの胸ばっかり見てた、女の敵」
ネマがボソリと怖いことを言う。
俺は心の中で、出来るだけ女性の胸を凝視しないようにしようと誓った。
「アル! アル・ギルバート!」
テントの外から俺を呼ぶ声が聞こえた。
チェルシーが確認をしに行く。
「ア、アルメスさん!」
チェルシーがびっくりして声を上げる。
おかげで誰が来たか分かった。
「どうぞ!」
俺が中に入るよう促す。
「失礼するよ、すまないが兎さんそろそろ手を離してはくれないか?」
チェルシーはアルメスの手を握ってぶんぶん振っている。
「し、失礼しました!」
自分が何をしたか気づいたのか、チェルシーは慌てて手を離し、顔を真っ赤にして俺の後ろに隠れた。
女性を照れさせる女性ってどういうことだよ。
「少し、アルと話をさせてくれないか?」
俺は、ネマとチェルシーに目配せをして退室を促す。
「アル、聞いたよ国家探索者を馘になったんだって?」
「はい、詳しい内容は?」
「ガルフから聞いたよ」
「じゃあ説明はいらないですね」
「ああ、それについて少し話したいというか、提案があるんだ」
「騎士団に入団ですか?」
「話が早くて助かる」
「すみませんアルメスさん、俺はダンジョンを探索するのが好きなので」
「やはりか、今回も断られるとは思っていたけど、私としてはいつでも騎士団の副団長として迎え入れてもいいんだぞ?」
「やめておきます」
こんな美人さんから贔屓されているだけで騎士団の男どもを敵に回してしまいそうだ。
「そうか、それとレティシアとも別れたらしいな」
「はい」
自分の中では割り切っているつもりだが、心にちくりとくるものがあった。
「ふふ! それは残念だ」
「全然残念そうじゃないんですけど」
アルメスさんはいじる意味で言っているのかもしれないが、当の本人としては結構くるものがある。
「ごめんごめん、だが君を想ってくれる女の子はいるだろう? あの兎人族の娘はどうだ?」
「チェルシーですか、彼女は奴隷なので違いますよ」
「奴隷か、しかし奴隷から結婚する人もいるぞ?」
「はは、いずれにしてもまだ日が浅いので何もないですよ」
「そうか、では私はどうかな?」
「へ?」
突然の告白にびっくりする。
「私は君以上に惹かれる男性にあったことがないんだよ」
アルメスさんが真剣な顔で想いを告げてくれる。
「あ、あの、すみません」
アルメスさんは美人で性格もいいが、正直今の俺の心の中で恋人としては見れなかった。
「そうか、振られてしまったな」
「その、すみません」
「君は謝ってばかりだな、それより客がきたようだ」
「え?」
そういうと、アルメスさんがスッと入り口の方へ行き、布をめくった。
「人の話を盗み聞ぎとは感心できんな」
そこにいたのは、元恋人のレティシアだった。




