第15話 支援職の常識
誤字報告ありがとうございます。
本日ラスト投稿。
「よし、じゃあこれでいいかな」
俺達パーティーの装備が決まった。
チェルシーは白いローブに青のラインが入ったいかにもヒーラーといった防具。
付与効果が施されているので前衛ほどではないが防御力も高めだ。
ちなみに胸元が少し開いており、腕を前に出している時はローブが開き立派なお胸が垣間見える。
ネマは革の胸当て、脛当て、腕を守るような防具にした。
武器は一番性能の高い俺の装飾杖を貸している。
この杖は、国家探索者時代に手に入れた1級品で、ガルフさんたちと活躍した時に国王から貰う許可を得たやつだ。
本当だったら、国に収めるものだが、タイミングよく貰えたのはラッキーだった。
俺はというと、フード付きのローブをやめ、動きやすい軽装にネマと同じような部分を覆った防具にした。
重すぎる防具は移動するだけで精一杯になるので基本防具は軽い奴を選ぶ。
「よし! 今日はもうお昼過ぎたから少しダンジョンで慣らす程度にしよう」
ちなみに、午前中いっぱいお店を回ったが、結局武器はいいのが見つからなかったので俺の武器を貸与する形でやっている。
なので、お財布てきにもかなり優しい。
「あの」
チェルシーが俺を見ながら問う。
「ご主人様はエンチャンターなのですよね?」
「ああ、そうだが?」
「何故ナックルを装備してるんですか?」
俺の手には、指ぬきグローブに鉄の部分で攻撃できるようなナックルが装備されていた。
「ああ、普段からもうちょっと軽めのナックルはつけてるぞ?」
そうエンチャンターとはいえ、魔物が近づかないとは言えないのだ。
その時の対処法として近接の訓練も欠かさない。
「後衛が近接戦闘できるんですか?」
「甘いな! チェルシーくんいいかい? 魔物といえど後衛に近づかないとは限らない!」
「はい、ですから普通は防御魔法などで時間を稼いで前衛の方が来るのを待つのではないですか?」
「甘い! 非常に甘い! 確かに一般的にはその戦い方が普通だし、逃げるために軽装なのもわかる! だが、本当にそれが最適解なのかい? 後衛にきた雑魚くらい自分で処理した方が前衛の負担が減るだろう?」
「あの、それだと支援スキル切らさないですか?」
「切らさないようにするのが後衛の仕事さ」
「そんな」
支援スキルは動きながら放つのはとても難しい、動いている味方に当てなければならないのだ。
「チェルシー君! 君を最高のヒーラーにしてあげよう!」
「え! 私もやるんですか?」
「もちろんだ! あのヴィオラさんもできるぞ!」
実は、ヴィオラをスパルタ指導で育てたというアルの思い出はまた別のお話。
「え! ヴィオラさんも?」
「ああ、よし! では出発!」
チェルシーに疑いの言葉をかけられる前にダンジョンへ向かった。
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