第14話 ネマのスキル
「これからよろしくお願いしますご主人様」
チェルシーとネマが挨拶をする。
俺は予定通り、奴隷商でチェルシーとネマを受け取りにきていた。
「うん、よろしく」
チェルシーとネマは同じような服を着せられていて、これから俺が日用品などを買い与えないといけない。
「取り合えず今日で回れるだけお店を回って日用品と武具を揃えようか」
「はい」
俺達は服やら女の子に必要な物とかを買い揃え、一旦自宅に帰ってきた。
「荷物置いたら武具買いに行くけど、どんなものがいい?」
最初は本人達の好みに合わせて買ってあげることにした。
それが合ってなければ後々調整を行う予定だ。
「私は、あまり重たくない防具で、武器は杖でお願いします」
「うん、ヒーラーの基本的なスタイルでいいかな?」
「はい」
チェルシーはヒーラーのオーソドックスなスタイルでいくらしい。
重くない防具ってことは、安めに揃えるなら胸当て等部分的に覆う物になるが、僧侶なので付与魔法のかかったローブなどが最適だ。
「ネマは?」
「私? 私は武器も防具もつけたことない」
つけたことないけど知ってはいる、文明的に閉鎖的なのかなと思ったけどそうでもないのか?
「分かった、じゃあちょっとプランターのスキルを見せてくれるか?」
「うん」
ネマのスキルを見るため探索者ギルドの訓練場を借りることにした。
ギルドに向かう道中で、チェルシーがネマに言葉遣いを注意していたが、ネマのような話し方の方が楽だからと許しておいた。
ちなみにチェルシーにもため口で話すように言ったが、そこは譲れないらしい。
「よし! じゃあ早速スキルを使ってみてくれ」
「うん」
ネマは棒立ちのまま、スキルを発動した。
「おお、スキルを媒体を通さないで発動できるって凄いな」
スキルは基本、剣や杖などといった媒体となるものを通して発動される。
「でも、これだけ」
ネマの周りには、蔓が5本ウヨウヨと生えていた。
「それでどうやって戦うんだ? あの訓練用の人形に攻撃してみてくれ」
「分かった」
5本の蔓を上手く操って人形を攻撃する。
しかし、威力が足りない、当たったらそれなりにいたそうだが、魔物を倒すとなると少し厳しいかもしれない。
「う~ん、威力はそれが最大?」
「うん」
「それじゃあ、蔓をだせる場所ってもっと遠くにできたりしない?」
遠くにさらにバラバラに出現できるなら、かなり凶悪なスキルだと思う。
「無理、これが精いっぱい」
自分の半径3メートル以内が蔓の出現する場所らしい。
まぁ蔓自体が長いので攻撃範囲自体はなかなかだ。
「わかった、じゃあ試しにこの杖持ってみて」
俺は自分がいつも使っている、装飾の施された杖を渡す。
「うん」
ネマは杖を受け取るともう一度スキルを発動した。
「え!?」
ネマはビックリした声をあげた。
なんと、蔓に銀色に光る棘が現れたのだ。
「お! 効果ありか」
他のスキルは媒体を通さないと発動できない。
ネマのスキルは媒体を通すと強化される。
多分だが、媒体を通したスキルが本当のスキルの姿なのだと思う。
「じゃあ、ひとまず杖をネマは買おうか」
「うん」
ネマは嬉しそうに返事をした。
「見て」
ネマがそう言うと、なんと蔓が10メートル程先から現れた。
「おお!」
もちろん攻撃力も上がっており、戦力として頼もしくなった。
「よし、それじゃあ武具を買いに行こうか」
俺達は武具を買うために街へ出た。
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