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第12話 早い王城への帰還

「褒賞はなにが貰えるかな?」


「さてな、ダンジョンボスを倒した一般探索者がどんな褒賞を貰ったかなんて聞いたことない」


俺達は今王城で、王に謁見するために歩いていた。


「まぁ、あの石碑に名前を刻んだだけで満足ではあるな」


「ああ、間違いなく歴史に名を刻んだからな」


石碑に名を刻むことは、下手をしたら王になるより称えられる。

少し歩くと、前から数人の人が歩いてきた。


「あ・・・・・・」


その中の1人レティシアと目が合った。

俺は心の奥になにか痛みが走ったのを感じそのまま通り過ぎようとした。


「あ! てめぇ! 何ノコノコと王城を歩いてんだ?」


何も起きないでくれという俺の心情とは関係なく、向こうからやってきた。


「今回の調査結果を報告しにいくんだよ」


そう言うと、アーサーは俺のパーティーメンバーを見て笑った。


「ハハハ! 国家探索者の寄生ができなくなったら、今度は一般探索者に寄生してんのか? 無能のエンチャンターらしく田舎に帰って家畜のクソでも拾っとけよ!」


すると、俺の事情を知っているスミスさんが間に割って入ってきた。


「これはこれは、勇者アーサー様ですね! ご活躍耳にしております」


アーサーの活躍が広まっているとか聞いたことがないので、社交辞令だろう。


「ん? 誰だてめぇ」


「自己紹介が遅れてしまい申し訳ありません、私ダウンクロウのリーダーをしておりますスミスと申します」


「で、俺になんの用だ?」


「はい、今我々は国王様にコクハダンジョンの調()()()()の報告をしに行くところでございまして」


「ああ? そんなのリーダーのお前がすることだろう?」


「いえいえ、今回はわざわざ国王様に謁見をする内容でございます、パーティーメンバー全員でなくてはなりません」


「国王様に直接謁見だと? ハッ! どうせゴーレムへの基本的な立ち回りとかだろ? そんなのとっくに俺らが報告してんだよ」


なんと、アーサーがゴーレムへの基本的な立ち回りを見つけているとは、ビックリである。


「いえいえ、そんな()()()内容ではございませんよ」


「小さい?」


アーサーの声が少し怒っている。


「ええ、我々はストーンゴーレムの討伐報告に来ただけですので」


アーサーがビックリしたように目を見開いた。


「分かっていただけましたかな? 勇者アーサー殿?」


ダンジョンボス討伐はかなり大事だ、国力に関わると言ってもいい。

そんな大事な報告が遅れた理由が‘‘勇者アーサー‘‘となればいくら贔屓目の強い国王でも黙ってはいられない。


「それではこれで失礼させていただきます、もし用があるなら()()()の謁見が終わってからでお願いします」


そう言ってスミスさんはアーサーの前を立ち去る。

俺達もスミスさんの後に続いた、アーサーは何も言えず、ただ立ち尽くしていた。





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