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三人七色 〜愛物語〜  作者: 逢沢零
chapter.1 長く短い初恋
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美緒の占いという名の人生相談

「どれだけ身体が近くにあったとしても、心が繋がっていなければそれは孤独と同じよ。 同時にどれだけ遠く離れても、心が繋がっていれば2人は永遠の親友でいられるでしょうね」


深いものだった。由奈の笑顔が浮かんだ。


聞きたいことはもうひとつある。


「好きな人に彼女がいるんです」


「なるほど、言いたいことは分かるわ」


「どうしたらいいでしょうか」


またも戸惑いを感じる。




「愛する人の幸せを願うこともまた愛」



その答えは私の生涯に残る言葉となる。


占いを終え、ふと思った。人生相談じゃね?今の。自分にツッコミを入れていると由奈と合流し、軽い会話をする。


「終わったの?」

「うん!」

「じゃあ帰ろっか」


由奈に先導されるように歩き出す。

卒業旅行と言っても1泊もしない日帰り旅行だ。最後に由奈に聞いてみた。


「由奈は、好きな人に彼女がいたらどうするの?」


聞いたあとに後悔する。

気を遣わせてしまうだろうか。


「愛する人の幸せを願うこともひとつの愛。 なんじゃない?」


由奈は占い師になれそうだ。


「ははっ」

「どした?きついこと言われて頭おかしくなったの?」


サラッとひどいことを言う。

いや、言える仲なのだ。


「いや、逆かな」


由奈の頭の中のはてなマークを鎌倉に残し、家路に着いた。



楽しい思い出は一瞬。

もうすぐ卒業式を控えていながら、少しフレッシュな気持ちになれた。

これも全て由奈のおかげだろう。



〜卒業式当日〜


友人の少ない人にとって卒業式とは退屈な行事。


由奈以外ほぼ友人のいない美緒は、集合写真のみ写り、あとは由奈と写真を撮りまくっていた。


涙を流すこともなく終わった卒業式に、寂しさを感じながらも、これからも由奈と一緒にいれることを安心する。


ここに、美神くんがいれば。




淡い願いは叶うことを知らない。





chapter.1 長く短い初恋 〜ℯꫛᎴ〜

彼への思いに、


終止符は打たなかった占い師。


その優しさに、


私は涙を浮かべる。


そのあなたが、


将来親友になるなんて、


誰も予想しなかった未来。


未来の見えるはずの、あなたですら。

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