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三人七色 〜愛物語〜  作者: 逢沢零
chapter.1 長く短い初恋
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エニグマ占い師

いつもの駅での待ち合わせ。‬

いつもは嫌いな電車内の時間も、今日は全く気にならなかった。

由奈がウキウキしてる顔を想像しながら、改札に向かう。‬


「おはよ!」


由奈の顔はめちゃくちゃ明るい。


「おはよ!」


予想通り元気いっぱいだ。‬

由奈と私の気持ちを表すような眩しすぎるくらいの晴天だった。‬


鎌倉に着いてからは、由奈に引っ張りまわされた。

神社巡りからの参拝、ちょっとしたカフェでの休憩などなど。

楽しくて仕方がなかった。


「あそこだよ!」


「言ってた占い?」


由奈が指を指した先は、謎めいた建物だった。それっぽい占い師の館だ。‬


「何聞くの? 占い師さんに」‬

「恋愛運と美緒とずっと仲良くいられるかだね!」‬


迷いなく答えた由奈に、友としての永遠を感じる。


占いとはなまけものの運命。

そんな歌詞を聞いたことがある。


偏見しか持っていなかったが、意外と若く私たちとほぼ変わらない年代の美人な占い師で、背も高くいわゆるモデル体型の女性が出てきた。


「お願いします」


おしとやかに言われる。


「お願いします」


優しい声色が余計に占い師としての説得力を高めている。

何故か戸惑いを感じた。


「どういった悩み、相談事をお持ちで?」


聞きたいことはもちろん決まっている。


「さきほど入ってきた女の子は私の親友なんです。 ずっと一緒にいられるでしょうか」


「ふふっ」


怖めな笑い方をしている。

これも占い師の基本なのだろうか?


「な、なんですか」

「失礼、同じ質問をされたから驚いたわ」


顔が真っ赤になっていないか心配だ。

恥ずかしくて仕方ない。


「顔が赤いわよ。 何も恥ずかしがることなんてないのに」

「い、いえ。 すいません」


意味もなく謝ってしまう。


「さて、話を戻しましょう。 答えから言うと、ずっと一緒にいることは不可能です。 同じ仕事場になれるかも分かりませんし。それでも」


一旦間が空いた。

信じるか信じないかは私次第。


占いなんて、


所詮はまじない。


それなのに、


君との友情の、


永遠を信じていたいと願う。

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