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裏ギルドの最強な子供  作者: 烏龍茶
5/8

猫達の晩餐会

ちょっと短め?

家に帰ってきてから少しの間放心してしまった。それから思い出したようにタオルを取って汗を拭き、水で喉を潤す。家では流石に仮面を外す。暑いし蒸れるからね。そのまま壁のフックに吊るして今日の反省会を始める。


今回の奴はマジでヤバかった。姿を気取らせないのもそうだが、魔法すら感知できないのは流石にヤバい。アレを任務中に撃たれたら回避出来ずに細切れにされてしまうだろう。

しかし何故気配に気づけなかったのか?そこに疑問が残る。獣人は基本的に身体能力が高く、特に気配察知に優れている。種族によってまちまちだが、俺は自慢の耳で相手の位置を探ることができる。でもあの整合騎士を察知出来なかった。

何故か?祝福か?スキルか?魔道具か?それとも別の要因か?

いくら考えても答えは出なかった。

だが1つの結論は出た。

それは今よりもっと強くなること。最近Cランクになって見えないうちに油断ができていたのかもしれない。明日にでもあいつに頼んで稽古してもらおう。最近会ってなかったし。


体を拭き終わって着替えをしている最中にニャーと鳴き声が伝わってくる。どうやらあの子達が戻ってきたらしい

うちの家はスラム街の外れにある路上だ。滅多に人が来ないため、昔から此処に住んでいる。路上が家とは変かもしれないが、昔は金がなかったから仕方がない。今は人避けの魔道具を付けているからまず人も来ない。それに此処には色んな動物達がひしめき合っているのもオススメだ。祝福<動物会話>のお蔭で身の周りの世話だけではなく、町中の情報も手に入るためである。裏で生きるなら情報は死活問題だ。だから必然的にこの場所になる。


1匹の猫のが見えてくると、四方八方からいろいろな動物達がやってくる。

『わーボスだー』『久しぶりー』『元気してた?』『はい、夕飯用の魚だよー』『ねむねむ』『髪伸びたねー』『会いたかったよ』


一度に一気に沢山の言葉を喋ってくる。流石にてんやわんや過ぎて訳がわからないよ。


「皆んな久しぶりだね、お魚ありがとーね。実は今日こんなことがあってさ…」


魚を受け取って下処理をし、火を起こしながら今日の出来事を話しだす。


『大変だったね』『ボスで勝てないならもうしょうがないよ』『そいつ今日見たよ』『偵察する?』『うちの可愛いくて自慢のボスに手を出すとか…』『処す?処す?』『やめとけ、ボスでも勝てなかったんだぞ。』


所々物騒な事を言ってる子達は無視するが、気になる事を言っていた子に詳しく話を聞いた。


「え、あの整合騎士見たの?どこで?あいつの目的とかわかる?」

『あの無駄にキラキラしてるやつだろ。鎧着けて鷲?鷹?かわからないけどそんなマークが付いてたやつ』

「そうそう!そいつだよ!何か分かる事ないかな?」

『いろいろなとこ回ってたよ。食べるとことか服とか道具のとことか』

「単なる観光?いや…視察か?」

『あー、あれじゃない?もうそろそろ大きなお祭りあるじゃん』

「?…あ!聖騎士祭か!」


あんまり馴染みのあるものじゃないからすぐには思い出せなかったが確かにあった。


聖騎士祭

それはこの辺境都市デュランダルの名付けの本となった騎士の栄光を讃える為のお祭りである。古くからある伝統的な祭りで、街は大きな賑わいを見せる。注目なのが剣闘大会だ。これは各国の王様などが招かれ、名を連ねる歴戦の猛者が戦う大会だ。一般にも開かれているので、ここで名を挙げたいがために出場する民衆も少なくないとか。


「あーそろそろだっけ?あれ。すっかり忘れてたよ」


昔は良く貴族のスリをやったもんだ。祭なんかは稼ぎどきだったし。でももっと稼げるようになってからはしなくなったな。


『人がよく餌くれるよね』『確かに』『ボスは大会出るの?』『興味ないなー』『魚うまうま』

「ん?僕は出ないよ。めんど臭いし。何しろ何故か目立つからねー」


言っているうちにふと気がつく。というより思い出した。


「いっこ質問なんだけどさー、僕ってそんなに女の子っぽいかな?今日も整合騎士に女の子と間違われたんだけど」


そう質問すると何故か辺りが静かになる。あれ?なんか変な事いった?


『あ、あははは』『そ、そうだねー…』『まあ確かにボスは可愛いからな』『そやね』『魚うまうま』『あれ?ボスは女じゃないの?』

「僕は男だぞ!!!」


まさか動物達のなかで自分は女の子だと間違われていたとは…ギルドや街でも珍しく仮面を外して歩けば殆ど女扱いだ。まあそれで救われた事もあるけどさ。もう少し男らしくなりたいな。

あとさっきから魚を食べてる猫が可愛い。


そんなこんなで楽しく?会話をして久しぶりの1日が過ぎていった。


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