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裏ギルドの最強な子供  作者: 烏龍茶
2/8

依頼達成

前の続き?

長期依頼の為、久しぶりに街に帰ってきたら、案の定ギルドで騒がれた。なぜか俺の容姿は人の目を惹くらしく、いつもは仮面を付けて歩いている。まあ他にも理由が有るんだが…それは置いといて。

だが今回に限って珍しく熱心に見てくる視線があった。いつもはチラチラと伺うようなものだったが、それとは違う。


(…?)


気になってチラッとその視線のヌシを探すとすぐに分かった。


(あの女か…小間使いかなんかだろうか、まあここの初心者だな。服装がチャチすぎる、まるで町娘だ。ヴァルカンの野郎も一緒だし、大方依頼関係だな。)


ここでは、最初こそ好奇な目線で見られることも多かった。ガキだからと絡まれたり金を巻き上げられそうにもなった。だが時間が経つに連れ、実力とランクを上げて行けば、誰も手は出してこなかった。まあ例外もいるが…

とにかく、ここまで熱心に見てくるやつは珍しくつい気にしていたが、歩いているうちにカウンターまで到着してしまった。


「依頼達成の報告に来ました、確認お願いします」

「わかりました、カードと証明品の提出をお願いします」

「はい」


裏ギルドでは丁寧な喋りが1番問題を起こさないと学んで以来、そういう口調にするよう心がけている。

受け付け嬢からそう言われて俺はCランクと書かれたギルドカードとエメラルドグリーンの宝石の付いた指輪を指がついたまま提出した。誰かの指の付いた指輪には所々血が付着しており、指は少し黒く焦げていた。

受け付け嬢は慣れた手つきでそれらを取って裏手に行き、少し時間が経つと報告を始める

「洗浄すれば指輪は問題なし。指輪も指も確認取れました。依頼達成おめでとうございます。達成料金はいかがなさいますか?」

「はい、何時ものと逆で願いします」

「かしこまりました。では7対3でお振込みしておきますね」


そうやってギルドカードを何やら操作して、契約金の7割を受け取った。

普通裏社会で金をもって出歩くなんて危険な事はしない。だから最低限必要な分だけ有れば良いのだが、今回は依頼でいくつか道具をお釈迦にしてしまった。あとで買い換えねば。


しかしここまで普通すぎて逆に気になったからあることを尋ねた。


「あの」

「はい、まだ何か?」

「いつもの受け付けの人はいないんですか?」

「あら、マイティの事が気になりますか?」

「あそこまで毎回絡まれたりすれば多少は」


そう、いつもと違う受け付け嬢だった事が気になった。

マイティさんは毎回ギルドのカウンターで依頼を受けるときに俺の依頼を担当する人だ。CとDのランクを境にして、このギルドは受け付けの場所が異なる。そしていつも俺にあれこれ絡み、なかなか離してくれないおせっかいな女の人だ。


「今回は臨時で郊外に行っています。本人はかなり悔しがって行来たくないと駄々こねていましたが、長にぶん殴られて渋々行きました。もう時期帰って来ますよ」

「そうでしたか、ありがとうございます」

「いえ、これも受け付けの務めですので」


受け付け嬢のにこやかな笑顔といい、なんとも綺麗な流れだったのでチラッと


「はぁ、僕も貴方みたいな人が担当してくれれば楽なんだけど…」


などと口ずさむと、ダンッ!という音と共に受け付け嬢が身を乗り出しながら鼻息を荒くし鬼気迫る表情で


「それ本当ですか!」


などと言いながらグイと俺に近づいた。なかなか大きな声だったのでエントランスが一瞬静かになる。

流石に不味いと思ったのか、身だしなみを整え


「んん、失礼。取り乱しました」


そう言って静かに座った。またエントランスがガヤガヤという喧騒に包まれると


「先ほどの話、もしシロ様が望むのであれば担当受け付け嬢の交代も交渉しますが。やりましょうか?」


俺はこの担当者の鋼の精神力を静かに評価した。よくあの一瞬で表情も服装も持ち直せるものだと。


「いえ、ありがたい話ですが受け付け嬢さんの仕事を増やすのも心苦しいので辞めときます」

「…わかりました。ちなみに私はシャロと言います。マイティで不満な時はいつでも頼って下さい」

「ありがとうございます。そうなった時は相談しますね」


そう言って一礼して俺はカウンターを離れた。そういえばなぜあの人は僕の振込金額の比率を知っていたのだろうか?些細な疑問を持ってたが、まあ良いかと思考を切り替える。

まずは道具屋に行って、それから武器も買うか。ナイフとかいろいろダメにしたし…


あれこれ考えながら、シロはギルドの出口に向かった。

主人公がやっと出て来ました

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