二人の想い
『急に迷惑かな…と思ったんだけど…、』
私は中島さんの言葉を遮り、こう言った。
「迷惑な訳ないじゃないですか…。」
自分でもびっくりした。
いつもなら、こんな事言えないのに。
やっぱり、月の力ってすごいな…と思う。
『良かった…。星村さんは、今何をしているんですか?』
「私は、月を見ていました。」
キミの事を想いながら、見ていました…なんて言える訳ない。
『実は、自分も見ていたんです。月を見ていたら、星村さんが頭に出てきて…。』
こんな偶然があるなんて、すごい。
私が思っていた事が、現実になるなんて…。
「そうなんですか…。久し振りにお話出来て嬉しいです。」
『今日の月、きれいですね。雨も止んだみたいで…。』
「さっきまで、降っていたって思っていたんですけどね。空も雲一つなくて…。」
私達は、月の話でしばらく盛り上がった。
気が付くと、夜中の1時過ぎになっていた。
『あっ、星村さん。すみません、遅くまで…。』
「いえ。私も、お話出来て嬉しかったです。」
『また、電話してもいいですか?』
「はい。」
嬉しすぎて、それしか言えなかった。
『じゃ、また…。』
「お休みなさい。」
そして、電話は切れた。
私は、次の電話の時には何を話そうかな…と考えながら眠りについた。
読んで下さり、ありがとうございます。
この作品は、作者の願望が少し入っています。
いつもの作品より、少し長くなってしまいました。