表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

   ⑧


 前回までのあらすじ


 ババ抜き大会決勝戦に勝ち進んだのは恵さん、りゅうちゃん、怜くんの三人。

 札を引くのもこの順番。

 りゅうちゃん、怜くんという屈強の戦士に、愛らしキャラ恵さんがあわや餌食になるかと思いきや、どっこい牛乳お面で対抗(無意識)、ババは現在、怜くんの手にある。

 りゅうちゃんはまだそのことに気付いていない。


 そしてジャケットの柄がししゃもフルプリントだと知ったりゅうちゃんと怜くんは、「なんてステキな柄なのぉ❤、んもう、絶対着たい❤❤!!」と思って、


りゅう「いない。事実を脚色するな」


怜「脚色じゃないな。ねじ曲げているよ…」


 なんや不当な批判が出てるけど、マジになったりゅうちゃんの後ろには竜、怜くんの後ろには虎の幻が!


 竜虎図、現る。


 でんでろでんでろでんでろ♬


恵さん「ちょ、これほんと怖いですよー!!」


 でんでろでんでろでんでろ♬


 りゅうちゃん、ババの右の札を引き、ワンペア成立。

 怜くん、ポーカーフェイス。


 怜くんのポーカーフェイスは恵さんの牛乳お面にも匹敵する!


りゅう「江藤。お前……、人生を楽しんでるか?」


怜「余計なお世話だ」


源「おれは楽しんでるよ、猫生を☆」


りゅう「肉球で俺の腕を叩くな、ゲンゴロウ」


源「!?、源九郎だよっ」


 数分後。


 なんとなんと南都なんと。


恵さん「やったああああ、上がりですうううう!!」


 恵さんが辛くも一抜け!

 牛乳風船が弾む、弾む。


恵さん「きゃっほう、きゃほほおーうう☆」


 ぼよん、ぼよよーん♪


 高く。ゴムまりのように高くバウンドしてあっちの天井、こっちの天井とぶつかっているが、牛乳風船の弾力ゆえか、本人にダメージはないようだ。

 なぜかこにゃんこ源九郎も一緒になってバウンドしてるぞ!?楽しそうだねっ。


 決勝戦会場って普通の人間いないの?


 それはさておき。


りゅう・怜「「・・・・・・」」


 もうここで、りゅうちゃんもババを持つのが怜くんと知るのは当然。


りゅう「牛乳仮面ごときにしてやられおって、恥を知れ」


怜「人のことを言える立場じゃないだろう」


恵さん「牛乳仮面ごとき、って単語でナチュラルに会話しないでくださいよう!」

(恵さん、いつになったら元に戻るの?もう一生、牛乳風船なの?)


 持ち札はりゅうちゃんが三枚、怜くんが四枚。

 りゅうちゃん、怜くんの札の背中をじ、と睨む。


 ここでりゅうちゃんが揺さぶりをかける。


りゅう「お前、真白のことをどう思う」


怜「大切な妹だ」


りゅう「それ以上、として見てないか?でなければ猫耳ごときでああも動揺するか?」


怜「ないね。詳しくは『美吉野歌合』を参照しろ」(※番宣だよ☆)


りゅう「は!お前が主役の話など誰が読むか。所詮は外伝だろうが。本編の主役は俺と美羽だ」(いばりっ)


怜「あなたのそういう差別意識が好きになれない」


りゅう「結構。男に好かれて何が嬉しい」


九藤のアナウンス「おい、はよ札引けや」


りゅう(軽く舌打ち)「駆け引きの何たるかを知らん凡俗め」


九藤のアナウンス「はよババ引けやごるあああああっっ!!」


 フラグ立てるぞごるあああああ★¥★


 りゅうちゃん、札を引き、ワンペア成立。残り持ち札は二枚。

 怜くん、札を引きワンペア成立。残り持ち札は三枚。


 札が減れば減るほどに、ババを引く可能性も高まる。

 それもまた、ババ抜きの醍醐味の一つ。粗大ゴミじゃないよ。


りゅう(三枚の内、どれがババか…。勝負強さは俺も江藤もほぼ互角。ふざけたししゃも柄ジャケットなど着て道化になるわけにはいかん。ならば)


 りゅうちゃんは目を閉じ、耳を澄ませた。耳を澄ませば・・・?


 りゅうちゃん、札を引き、ワンペア成立。



 お気づきであろうか。

 このあと、りゅうちゃんはただ、残り一枚を怜くんに引かれるだけ。

 つまり。


 栄えある大会優勝者は。パンパカパーン☆


 怜くんだよ???


九藤のアナウンス「おめでとうございます、怜くん!やりましたね、快挙です!!」


りゅう「めでたいな、実に」


怜「ちょっと待て」


りゅう「往生際が悪いぞ、江藤。とっととししゃも柄に袖を通せ」


怜「異議申し立てがある」


九藤のアナウンス「どゆこと?」


怜「新庄が不正をした可能性を指摘したい」


りゅう「――――――…何だと?」


怜「外野席(他の部屋)の声を聴いたんじゃないか?」


 説明しよう!

 りゅうちゃんは、望めばこの世のどこの誰の声でも音でも聴けるチート能力があるのだ!この大会を開催するにあたって、それはしちゃなんねえべ?と釘を刺しておいたのだが・・・・・・


りゅう「ほざくな、証拠でもあるのか?」


怜「幸い今、新庄邸には嘘を聞き分ける能力を持つ、音ノ瀬ことさんが来ている。彼女の前で、不正をしていないと発言して欲しい」


九藤のアナウンス「嘘発見器にりゅうちゃんをかけろ、ということかな?」


怜「そうだ」


りゅう「人権侵害だ。俺は不正などしていない。断固、拒否する」


九藤のアナウンス「うう~ん。どうしよっか、源ちゃん?」


りゅう「大会運営者は九藤とゲンゴロウなのか!」


源「源九郎だよっっ。こんにゃやつ、やっちまええーにゃ!」


 やっちまええーにゃ!


 そして決勝戦会場まで足を運んだ音ノ瀬ことさん。


こと「外野席から話は聴かせていただきました。新庄さんは嘘を吐いています」


りゅう「………この女の言うことが正しいと誰が証明出来る」


九藤のアナウンス「設定がそうなってます~。りゅうちゃんが人間盗聴器なのと同様、ことさんは嘘を聞き分けられる設定です~。設定は絶対です~」


 てことで大会優勝者は不正を働いたりゅうちゃん!


 いえ~い…あ、りゅうちゃんが脱走を試みている、


九藤のアナウンス「者ども、であえいであえい、追いかけろ!」


 てか、ここは自分ちだろうがりゅうちゃん!



りゅう「不正をして何が悪い!ダサいジャケットなぞ誰が着るか、たわけっ」(逃げながら)


※不正は悪いことですよ★



 in新庄邸の庭(すごい広い無駄に広い)


みわりん「りゅうきっ」(追いかける!)


りゅう「げえ、美羽、来るな!」(逃亡)


みわりん「りゅうき、りゅうき!」


りゅう「頼む、ここは見逃せ!!」


 それは「あははうふふ❤」な甘さのない追いかけっこ。

 蝶は竜を追う!


続く!


怜「どこまで?」


 どこまでも☆いや、ゴールは近いからだいじょーぶい☆☆☆


 続くよ!



挿絵(By みてみん)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ