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Aブロックの熾烈な戦いを勝ち抜いたりゅうちゃんは、決勝戦への切符をゲットした。
りゅう「細かく破って紙吹雪にしてやろうか」
一体、何が不満なの?ぷぷぷ★★★
予選Bブロック
小月 恵
音ノ瀬 こと
新庄 美羽
桧野 陽
備考その1:失声症のみわりんは「竜軌」と「大好き」の二単語しか発声出来ない。
備考その2:音ノ瀬ことさんは言葉に宿る力・コトノハを自在に操れる。嘘を聞き分けることも出来る。
備考その3:牛乳風呂に入りに行った恵さんが予選開始時刻になっても戻らない。
桧野さん「…牛乳風呂で溺れているということは」
みわりん〝美肌効果があるのなら、私も試してみたい。でも牛乳がもったいないわよね〟
桧野さん「小月さんなら入ったあとに浴槽の牛乳を飲み尽くしそうで怖いです」
源「おれも牛乳大好きにゃあ。飲みたいにゃにゃ❤」
こと「さすがにそれはないでしょう。お腹を壊すどころの話ではなくなりますよ」
(不安になった)九藤のアナウンス「今、人に見に行ってもらいました」
そう。恵さんの牛乳愛は、ちょっとはんぱないくらいで、オブラートに包まず言えば、イッツ★クレイジーなのだ!
バア――――――――ンッ!!(何度目だ九藤!)
恵さん「いや~遅くなりました☆いい牛乳でしたあ。さすがお金持ちのおうちは牛乳からして違いますね!濃厚なこくと風味、喉越しの良さが――――――」
恵さんのお腹は異様に膨らみ、タッポン、タッポン、という液体の揺れる音がBブロック参加者たちの耳にも届いた。
桧さん・みわりん・ことさん(飲んだのかよ!!)
そして何事かも無かったようにババ抜きを始めてくれる皆さん、ありがとう。
恵さん。牛乳風船になった恵さんの重みに耐え切れず、「メキョッ」と潰れた椅子代は請求されません、ご安心を。
りゅう「年代物の籐椅子だぞ。ふざけるなよ」
ご安心を★¥★
トランプの札を引く順番は
恵さん→ことさん→みわりん→桧野さん
前回同様、既にゲームは始まっている。
ちょっとここで珍しく、前回にはなかったビジュアル説明などしてみよう(と、言う間にもゲームは進んでいます)
牛乳膨れでまん丸くなった恵さん(ほぼ地球儀状)。
源「ねえ、恵さん、つついて良い?」(今にも肉球から爪が出そう)
恵さん「ダメだよ源ちゃん!牛乳が飛び出ちゃう!」
麻の開襟シャツ、麻のズボン、長い髪を後ろで一つに束ねた麗人・ことさん。
長くウェーブした髪、明瞭な顔立ちの少女・みわりん。
華奢で小柄な桧野さん。
恵さん「朋さん、ひどいですううっ」
源「にゃかにゃいでぇ、恵さん~」
九藤のアナウンス「可愛い子ほどいじってしまえって言うよね☆」
(恵さんから札を引きながら)桧野さん「でも僕、ちょっと思ったんですけど」
九藤「ほい、なんざんしょ!」
桧野さん「音ノ瀬さんって人の嘘が判るんですよね。それってババ抜きではチートじゃないですか?」(ワンペア成立)
こと「そうでもありませんよ。美羽さんは二つの単語しか喋れないのでしょう。私が質問しようがはったりをかまそうが、彼女は声でそれに答えることが出来ません。この場合、私にコトノハで読み取れる情報はほとんどないんです。尤も、ゲームでコトノハを処方しようとは思いませんが」(ワンペア成立)
※実は現在、ババは桧野さんからみわりん、みわりんからことさんへと移動してことさんの手にある。
無傷で残るは恵さんオンリー。
実に解りやすいフラグと言えよう。
ちら、ちら、とことさんを見る桧野さん。
こと「?何でしょうか、桧野さん」
桧野さん「あの、もしよろしければあとで、絵のモデルになっていただけないでしょうか」
ことさん「構いませんよ」(さらり)
(外野席)
俊介「そんな!俺には写メらせてもくれないじゃないですか!」
秀一郎「仮にも音ノ瀬家御当主がそのような要求を安易に受け容れるのは―――――」
ことさんが外野席にぶん投げた花瓶が俊介さんにストライク☆
りゅう「おい。有田焼の花瓶」
九藤のアナウンス「あ、りゅうちゃんいたの。まあ勘弁してやってよ☆」
九藤もおうちの有田焼を割っちゃったしね☆
りゅう「それ関係ないよな?」
みわりん「りゅうき」
〝さっきはごめんね。怒ってる?〟
りゅう「怒ってない」※背後にキラキラ虹が出てるよ!※
みわりん〝ありがとう〟
りゅう「その代わり、今夜はお仕置きだぞ…美羽」※背後に紫の薔薇が咲き乱れてるよ!※
みわりん「りゅうき…、」(もじもじ❤)
九藤のアナウンス「すいませーん。ゲーム続行お願いしまーす。りゅうちゃんははよ出てけや」
りゅうちゃんの退室と同時に、室内に絹を裂くような悲鳴が!
「うきゃああああああああ!!」
恵さんがババを引いたよ☆
桧野さん(と言うか、そこまで解りやす過ぎるのって…)
その後、桧野さんは慎重に恵さんの札を見極め、ババは深窓の令嬢のように大人しく恵さんの手に留まった。
大方の人の予想通り、Bブロックを勝ち抜き、決勝進出を果たしたのは小月恵さんでした!!
まん丸になった恵さんがいつ元の体型に戻るのか、知る者は誰もいない。
恵さん「こ、ことさん、コトノハで、元に戻れませんか……?」(タポン、タッポン、)
ことさん「自然治癒しそうな症状には、コトノハは処方しない方針です」
源ちゃんの鋭く光る目!爪!
恵さんはこにゃんこから無事に逃げ切り、決勝戦に辿り着くことが出来るのか!?
猫と恵の追いかけっこが始まる。
あ、次はCブロックですよ。
Cブロック控室から洩れて来る黄色い声。
なつのさん「いややわあああ、怜くん、すべっすべ、玉の肌やん!真白ちゃんは雪みたいやねえ、ああん、もう、うっとりやっ、美味し過ぎるでこのブロックほんま❤❤❤!!」
ついになつのさんが関西弁モードでハートを放出し始めたようですね。






