3/6
三話
久しぶりに2人で晩ご飯を食べているときだった。
「俺明日からアルジェリアだから。」
「え⁉明日?そんなまた急な」
と、私は苦笑いを浮かべる。
よくあることだった。急に海外に行っちゃうの。それで1ヶ月とか帰ってこないんだから。
「ごめん、ごめん。1週間くらい前から決まってたんだけどさ、お互い忙しくてゆっくり話せなかったじゃん?」
ごもっともなので返す言葉もない。まあ、慣れっこだし?
「だから、俺の部屋、またよろしく頼むわ」
彼がお仕事に行ってる間のお部屋の管理は私の仕事。
「はいはい。気をつけて行ってきてね」
「もちろん」
「危ないと思ったらすぐ逃げること」
「はい」
仕事に行く前のいつものやりとり。
「じゃあ、いってきます」
と、彼は朝早くに家を出て行った。