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強固な守り!?

 ウィルバートはコンラッド王子を連れて旅だってしまった。私は留守番である。


「あーあー……今回は無理だった……って、言ってる場合じゃないわね」


 私は筆と紙を頼む。サラサラと書いていく。


「お嬢様?何をしてらっしゃるんです?」


「ウィルバートの露払いとかできないかしら?と思って……」


「ま、またっ!後宮にいるのに策を考えるのはやめてください!今回はウィルバート様におまかせしてください!」


 ヒョイッと筆と紙を取り上げられる。


「ああっ!アナベルー!」


「もうこの件はお嬢様は手を引くように言われてましたよね!?」


 はい……と私は頷く。


「前回、離縁するとまで言われて怒られていましたよね?」


 はい、そうですと2度目の頷きを返す。あんなに怒ったウィルバートは初めてみたわ。


「もうおとなしくしててください。実はお出かけになる前に陛下から『リアンを頼む』とこんなメイドに頭まで下げられて行かれたんですよ!?さすがに涙が出ました!」


 アナベルの言葉に私は逆らう術はもはやなかった。前回のことがあるので、言い訳もできない。


 少しだけウィルバートのお手伝いをしようとしただけじゃないと、思いつつ、紙とペンを取り上げられてしまっては仕方ない。図書室でも行きましょうと部屋の扉を開けると、いきなり三騎士の一人のトラスが立っていた!?真面目な顔で私をじいっと見る。


「どこへ参るのでしょうか?」


「と、図書室よ」


 一緒に行きますと言ってついてくる。アナベルがにっこり笑う。


「トラス様は陛下にセオドア様がいない間、お嬢様の護衛をするように命じられてました」


「えええええ!?ウィルバート!?やりすぎじゃない?トラスは忙しいわよね?無理しなくていいのよ?」

 

 私の頬に一筋の汗が流れる。このザ・真面目が服を着ているトラスとずっと一緒というのは厳しすぎるわ。トラスはいいえ!と答える。


「陛下に任せられたのですから、お帰りになるその瞬間までお役目を務めさせてもらいます。リアン様の身をしっかりお守りします」


 ウィルバートの本気を見た気がした。不在の間、私が無茶したり、何かしないようにしっかりと周りを固めていったらしい。トラスの性格を知っているうえで私につけていったこともわかる。くっ……ウィルバート、やるわねぇ。ちょっと悔しいけど、私を想ってしてくれているのがわかるから何も言えない。


 アナベルがフワリと甘い果物の香りがするお茶を淹れてくれた。私はカップをもらい、フゥと湯気をとばす。


 そして怠惰に過ごさせてもらうわと呟いた。


 

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