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未来葉は、宙のアトリエに羽ばたく紅星とともに

作者: 逢乃 雫

窓辺を伝う


雨粒は音符のように



透きとおる


五線譜を描きながら



見つめる先に


桜紅葉はまだ淡く



金木犀の花が 


架ける黄金のタペストリー



歩く小径に


吹きゆく青北風(あおきた)



そよめく明日葉の


花はやわらかに



ブバルディアの


花びらは紅く煌めいて



金糸雀(かなりあ)色の


光を浴びながら



雨上がりの


桜の樹の下から



見上げる空は


日ごとに大きくなって




朝には太陽が昇り


夜には月が照らすように



陽月の街並みを


南瓜のような太陽が



夕映えに


染める地平線の


彼方の南空へ昇りゆく



ほうおう座の


星は光る音符のように



雲間に浮かぶ


月はアクセント


光は奏でる琴糸のように




夜には月が照らして


朝には太陽が昇るように



星の鳥の


つばさに輝く



アンカーの光は


朝陽を結晶にしたように



雲間の彼方に


月はクレセント


光の方舟は宙を越えて




星は謳いながら


月は奏でながら



また太陽へ


光をつないで



今日が明日を


明日がその先の未来を



明日葉が紡ぐ


一葉ずつのように



言の葉が


描く未来が、きっと



風は吹くのだろう


雨は降るのだろう



そしてまた


太陽が昇りゆくように


明日葉が葉をのばすように



(そら)のアトリエで


夢を、想い描きながら




窓辺に浮かぶ


宙には星のタペストリー



ブバルディアが


地上に情熱を燈すとき



星座が描く


星のつばさとともに



アンカーの


紅い光を見つめながら



やがて明けゆく


空は朱鷺(とき)色をして



心のアトリエで


羽ばたく未来葉を、描くように



















ほうおう(鳳凰)座は、秋の南の地平線近くにあり、紅い星・アンカー(アラビア語で「不死鳥」)が目印です。この星には「ザウラク」(「輝く舟」)の別名もあります。


今が旬のカボチャ(南瓜)には、「広い心」の花言葉があります。陽月ようげつは10月、「青北風あおきた」は、10月頃に吹く北風のことです。朱鷺とき色は、トキが羽ばたく時に見える薄紅の羽の色です。


10月頃から星形の花が咲くブバルディアには、「たゆまぬ情熱」「夢」の花言葉があります。明日葉あしたばは、明日には葉が伸びていることが由来とされ、花言葉は「未来への希望」です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
花、雨、太陽、風が一体となって美しい光景を詩で表現する美しい方法
>透きとおる >五線譜を描きながら 良いですね。いつもながら冒頭から引き込まれます。 >星は謳いながら >月は奏でながら >また太陽へ >光をつないで これはとっても素敵だなと思いました。 でもさら…
雨粒の音符がとても可愛くてお気に入りの一文になりました。 これからの冬の結露も、めんどくさがらずに出来そうです(^^) 夜空の譜面も美しいですね、素敵な言葉がたくさん散りばめられている逢乃様の詩は本当…
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