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いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~  作者: 亜空間会話(以下略)
6章 遺失記録:8/30~8/32

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’11年8月31日9:16  東京都江東区有明3丁目11-1 東京ビッグサイト構内

 会場まで電車で移動し、昨日と同じように着替えて髪型も整えてもらい、開場時間を迎えた。


「おはようございまーす! こちら『ストーミング・アイズ』のブースです!」


 笑顔で呼び込みをして、写真撮影のリクエストにも応えつつ、昨日みたいなパフォーマンスも途切れ途切れにちょっとだけずつやる。気温もちょうどよくて、昨日ほどしっかり動き回りはしないから、体力的にはかなり楽だった。レーネも大丈夫そうだ。


『それでは皆さんお待ちかね、ユニディメンショナル・スペースの稼働本格開始です! 刮目せよ、今日もまた新たな歴史が紡がれる!』


 壁一面に歯車が映し出され、すうっと空中に浮き上がったかと思うと、組み合わさってガキン、ガキンと回っていく。ガラガラと外から舞台が降りてきて、そこにはないはずの窓が開き、舞台からタレントさんたちが駆け下りてきた。


『イェーイ! ローディン・ジックルだぜぇー!』『ごきげんようさん、白紙博士っちゅうもんですわ』『バッテ・リーだ』『ワタクシが! 誘納いちごですわ!!』


「わー、いっぱいだ」

「わたくしたちも、あの方々の中にカウントされているのですね」


 いちごちゃんがこっちにたたたっと走ってくる。


『フィエルさま。ワタクシも来ましたわ!!』

「いらっしゃい? なんか疲れてるみたいだし、座ってゆっくり話さない?」

『そ、そうですわね……所用が済みましたら、そうしますわ!』

「付き合うよー」


 こちらを気遣ってか、レーネは小さくうなずいて、私といちごちゃんが過ごす時間を作ってくれたようだった。


『では、まずは……! この会場に巣食うフィノミナを、ここへと呼びつけて……全員、ぶっ飛ばしますわよ!』

「そんなことできるんだ!?」


 確か、「NameLLL(ねむる)」をもとにした漫画に出てくる怪物の名前だった気がする。最近になって、アンナが買ってきて読んでいたから、私もちょっと読んだ。人気が出た美少女系のバーチャルタレントさんたちは、こういうふうにメディアミックスしがちで、大昔からある慣例のひとつなのだそうだ。


『昨日も戦って、…………少しだけ、疲れてもいますし、苛立ってもいますの。ですから、怒りをぶつけさせてもらいますわ!!』

「見たことないくらい、本気だね……?」


 私に苦戦していたときの顔がウソみたいに、かぁっと開いた眼が――するすると壁を登って現れた怪物たちを殴り、突き、蹴り飛ばして爆散させていく。ミストやなんかも動かしているようで、霧散していくエフェクトには確かな温度を感じた。いつものようにすっと二本指を立てると、すっとカードが現れる。


「ちょっとだけ、手伝うよー」

『ええ。お願いしますわね!』


 ほんのわずかにできた隙にカードを差し込んで、怪物の動きを鈍らせる。半秒もなさそうなその時間にメイスを振るい、拳や蹴りを嵐のように叩き込んで、文字通り粉砕していった。こんなに強いところを見ると、なんだかスカッとしてくる。


『バイオレンス!』『やはり暴の化身』『つ よ い』『アホほど依頼しまくってたのフィノミナのモデリング作るためか』『今回のクリーチャーデザイン誰?』『熱田デザインっぽい』『駄門先生ちゃうの?』『テオドアライネルじゃね』『るるこ先生はロゴ入れるからな……』『あれはソフビ枠だろw』


 壁面には、いつものようにコメント欄が表示されていた。デバイスなんて使っていないのに、NOVAの中にいるみたいだ。


「あ、コメントも流れてる。当たり前かー……」


『ごく自然にサポートできてるのマジおもろい』『VR適性ありすぎィ!』『やっぱ配信しながら戦えるプレイヤーは違うな』『ターゲット向いてないとはいえ普通に避けられてんのなんなのこの人』『そりゃ白バニーさんだし』『リアルスキル組だからでしょうかね』


「ふふふー、リアル白バニーさんだよー。いちごちゃん、そろそろ終わりそう!」

『ええ、この一発で!!!』


 世界が揺れたかと錯覚するほどの一撃が、鬼のような怪物を爆散させた。


『任務! 完了ッ!! ですわー!!』

「お疲れさま、いちごちゃん。用事終わった?」

『ええ、ええ。同じお茶が飲めないのが残念ですけれど……休憩いたしましょう』

「じゃー食レポとか聞かせて。あとで同じの買って食べるから」


『苦手ジャンル選んできてて草』『ナチュラルサドw』『(あかん)』『引くに引けなくて視線が泳いでおる』『コメント読みながら黙って待ってるのSすぎるやろ』『ニッコニコやんけw』『ひどすぎる笑』『まずはクールダウンしよう』『自分だけ食えないからね、しょうがないね』


『わ、わかり、ましたわ……! 味を感じ取っていただけるよう、精一杯の心を込めて、食レポさせていただきますわ!!』

「やったー」


 棒読みで言いつつ、私はアフタヌーンティーっぽく用意された椅子に座った。

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