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いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~  作者: 亜空間会話(以下略)
5章 今は一人で歩こうローズ:行き雪疾くほどき

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212/243

212 デビリィチャーミー/邪視はたぶん逆な気がする

 どうぞ。

 はい、とアンナに渡された封筒が、思ったよりも重かった。


「いちおうアルバイト代ってことで。アカネに来てるスパチャも、ちゃんと計算して入れてあるよぉ」

「ありがと、アンナ。月謝もこの中から……」

「それはやだ、私が払いたいの。イベント成功への投資だよぅ」

「うーん……。なんか複雑かも」


 お札が何枚も入っていて、なんだか神妙な顔をした偉人が「まあそう考え込まずに」と言っているように感じる。


「あと、こないだレオタード買うかどうか迷ってるって言ってたからぁ……これ」

「えっ、と」


 一回も見たことないもん、とアンナは目を血走らせていた。


「そもそも、新体操の人なんて見る機会ないし、レオタードの女の人なんて見たことないけど……。知ってるよね? 私、えっちな女の子は大好きなんだよぅ」

「あれじゃ我慢できないんだ?」

「うん!! だから見せて? 私がアカネに課金しちゃうから」

「ふふ、わかった。私がいちばんきれいなところ、アンナに見てもらうね!」


 こういうふうに言われてしまうと、断れなかった。


 アンナはそういう子で、そういう人脈がある。私もそれに助けられているし、こうやってお金を受け取れているのも「水銀同盟」あってのことだ。とっことサフォレという二大配信者にくっついていなかったら、そもそも〈ラフィン・ジョーカー〉なんていなかったに違いない。


「アンナの方は、最近ゲームいっぱいしてるし……もう納品終わったんだよね?」

「そうだよぉ。アカネも、けっこう体絞れてきたよね!」


 ふふん、とお腹を出して触らせてみる。毎日のように一緒にお風呂に入っているけど、そうすると逆に変化がアハ体験みたいに感じられて、大きく変わらないと意識できなくなる……気がする。もう八月に入って、走り込みも練習もめちゃくちゃ暑いけど、だいぶ落ちていた筋肉はほとんど戻っていた。


 お互いかなり薄着で、お互いのために部屋には常温の水分も用意してある。NOVAにダイブしている時間がすごく長いアンナも、運動しているから代謝がいい私も、気が付くと喉が渇いてきて熱中症的に危なくなりがちだ。ちゃんと電解質や味も意識して、粉からカスタムして作っていた。クーラーは寒いほどじゃないから、こうやってシャツをまくり上げてお腹を出すとかでもしない限りは、寒く感じることもなかった。


「前より固くなったなぁ。腹筋! って感じ」

「肩の方も見てほしいなー。かっちかちだよ」


 パフォーマンスのためだけなら、そこまで無茶して鍛える必要もない――と思っていたけど、全身を満遍なく鍛えておいた方がもっときれいにできる、と気付いた。基礎はきちんとあった方がいいし、それ以上に発展させるにはやっぱり積み重ねが必要だ。


「あ、それで……なんだけどぉ。あるの? 勝算」

「いちおう、ね。あっちの人たちが配信してたやつも、ちょっと見たし」


 予定が合わないことが多かったせいで、七月下旬の「NameLLL(ねむる)の全員と一人で戦う」という約束は、今日まで先延ばしになってしまっていた。一週間以上も待たせてしまって、申し訳ないと思う気持ちもあったけど……準備ができてありがたい、と思う気持ちもちょっとあった。


「それに、昨日のお買い物も……今日のためだし」

「どういうこと? 蚕両に下着買いに行くのが?」

「覚えてるかどうかわかんないけど、フェルニコラズの近くで、青いバニースーツ手に入れたっていうかもらったんだよね」

「ああ、あの。恥バ制じドラゴンの……」


 あの「ドラゴンを倒したら人っぽいものが出てきて、バニースーツを作ってもらった」というシーンは、視聴者のあいだでめちゃくちゃネタにされているらしかった。実質負けて逃げている恥さらしなのに尊大、なぜかバニースーツという下品寄りの衣服を知っているし制作してしまう、別にそんなことしなくても良かったのに玉竜に受肉(?)して自ら弱体化する、などなど……そういう要素を合わせて「逃げ恥バニースーツ制作玉竜受肉ドラゴンおじさん」、略して「ちばせじドラゴン」と呼ばれている、ということだった。


「あれ、ハイレグすぎてインナーちょっと見えちゃうんだよねー……。でもほら、レオタードのインナーって別に可愛くなくて、見せパンには向いてないから。見えたらいいって人もいるだろうけど、私的にはそういうのナシ。見せるなら可愛く!」

「こだわるなぁ」

「と、いうわけでなのだよ」

「ネグリジェなんて買ったと思ったら、そういうこと!?」


 シャツとドルフィンパンツを脱いで、一回洗った勝負下着を出す。ほんわり淡い紫色の、花とツタをあしらったレースの美しい上下だ。下着まで着替えてからネグリジェを着て、ベッドに座る。


「今日は、本気の本気出さないと勝てなさそうだから。あと、これとほぼ同じデザインのが横から見えるんだけど……どうかな?」


 すそをたくし上げて見せると、「うっ鼻血がぁ」とわざとらしく鼻を押さえてみせる。


「えちいと……思うよぉ」

「よかったー。よしっ、じゃあダイブしよ。あと、今日の配信、収益化できないかもなんだけど……」

「えっちならいいよ、私は。とっこにも相談する」

「ありがと。暑いけど、たまにはくっついて寝てもいいよ」


 やばそうだからやめとく、とアンナは自分のチェア型マシンに入っていった。

 アカネは「足太くなったからミニスカ無理」じゃなくて「じゃあ絞るか……」って頑張るタイプなので、こうやって「見えるなら全力で見せてやる!!」と謎の女気(??)を出したりもします。これも漢気って言うべきなんやろか? 精神性がもはやジョジョめいている。詳細は描くべきときに描くからゆるして……

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