表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~  作者: 亜空間会話(以下略)
5章 今は一人で歩こうローズ:行き雪疾くほどき

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

205/244

205【重大告知あり】水着ぞ夏の証なりける!【プチ放送事故?】(2)

 どうぞ。

 見ると、ものすごく巨大なヤドカリ……ではなくて「フネカリ」がいた。真っ二つに折れて轟沈したのだろうか、金属製の戦艦みたいなものに入っている。大きいというか、ちょっとした小島サイズだ。住人がいてもおかしくないくらい大きい。


「うわー。「フネカリ・オーバードレッドノート」? でっかいね」


『デカすぎィ!』『当時でいちばんデカかった戦艦よりデカいってもうアホでは』『イニーズよりデカくね?』『神代の戦艦かなんかか』『これもう海から出られんやろ、どないすんの? 答えろやカニ』『カニを足の数で判別できたんだな、色しか見てないと思ってたぜ』『↑どっちにせよ間違いやろ』『タラバガニ定期』


 コメント欄で構文っぽいものが流れているけど、微妙に世代が合わないのか分からないのでスルーした。サフォレがなんかすごく汚い言葉を使った気がするけど、聞かなかったことにする。


「普段できないことができる、ってことは。やっちゃおっか、〈シールバインド〉!」

「いやちょっ、無理でしょ!!? あれって戦艦部分に住んでるのも込みで……」


 投げた黒いカードが当たると同時に、しゅるるっと吸い込まれて手に帰ってきた。


「できた!」

「なんで!?」


 シェリーは事情に詳しかったのか、何か言おうとしていたけど、説明が始まる前に終わった。ちゃんとカードに入ったし、そのままケージに収まる。さすがにミシリと危なげな音がするけど、まだ大丈夫だ。


「なんだったの?」

「フネカリはテイマー向けのトラップなのよ。船部分にいろいろ住んでて、それがテイム枠を思いっきり圧迫するの。ふつうは無理よ」

「まだ弱い子ばっかりだからかな? あと、テイムじゃなくて契約とかゴウブクとかの状態になってる子もいるし」

「ジョブの方はどうなの?」


 えっと、と一覧を見る。


「〈道化師〉に〈傀儡師〉、〈レクストリガー〉〈ダブルデッカー〉……だけ?」

「うーん……。確かにふたつはテイム枠を増やせそうだけど。モンスタージョブでも増やせるのかしら?」


『せやで』『250ポイントでギリ、400ポイントは欲しい』『一体でテイマーの初期値埋まっとるやんけ!』『↑だって全員セットだし……』『ぶっちゃけ本体捕獲してからセット引きはがせば半分近くまで下がると思う』『座長クエ受けてない?』


「あれ、視聴者ニキ詳しいねー。いまモンスター集めてるの、〈座長〉になるクエストのためなんだよね」


『¥6000あれ暫定でテイム枠200ポイント増設してるからリタイアしたら詰むで』『あのクエストマジで無理すぎて放棄したんだよね』『全種コンプのやつだっけ』『対人で百連勝しろとかの方がまだマシ』『進化するタイプのジョブやから調教師か道化師どっちか消えるゾ』『有識者がぞくぞくと集まってきているっ』


「ふおお……たすかる……! ちょっと今のコメント欄スクショするね!」

「珍しいタイプの声が出ていますね」


 めちゃくちゃ有力な情報が集まった。このまま転職していたら〈道化師〉のジョブが消えていたらしい、というのは有益というより、絶対やってはいけないやらかしを先に潰せたことになる。


「あれっ、でも〈座長〉になれた人っていないのかな?」

「コメント欄でも「無理だった」としか流れていません。今のところ、なった後の情報はなさそうですね」

「内訳をきちんと整理した方がいいんじゃないかしら……」

「それもそうだよね。あと鳥とドラゴンだけになっちゃったから、さっさと街に行って〈調教師〉に就いてこないと」


 街にテレポートして〈調教師〉のジョブに就き、もうちょっとだけテイム枠のポイントが増えた。速攻で砂浜に戻り、カメラの見ている範囲内でフネカリの内訳を確認する。


「えーっと……? まず、なんだけど。さっきまで虫・魚介・鳥・ドラゴンをテイムしないと、って出てたんだけど、虫と魚介が埋まってるから……」


 虫っぽい虫が苦手な人向けの救済枠なのか、ヤドカリ系は虫扱いらしかった。被造物の枠もだいぶ広いから、けっこういろいろ配慮が行き届いている。


 魚介は「バイオレントイール」「アトラクタ・カリアクティス」「ケイオスホールド」「ルーラーフィッシュ」「ミカドノツルギ」などなどで、盛りだくさんだ。珊瑚やカキなんかもこの枠に入っているけど、こっちは魚感がないので紹介はしないことにした。


「カリアクティス……? イソギンチャクって英語でこういうんだ?」


『ヤドカリと共生してるやつの学名』『ホールドとルーラーの組み合わせは鉄板やね』『学名やからラテン語ちゃうかな』『捕食者多くない?』『エサ代めっさかかりそう』『英語はクッソ雑やからモンスターに英名はあんまし使われてないはず』『海の生き物マジでシーなんちゃらばっかしやからな』


 虫はフネカリ一匹だけかと思いきや、「ハガネムシ」や「彷徨うフネカリ」「マルフネカリ」まで入っていた。一匹だけ名前が違うハガネムシがどんなものなのか、画像を出してみる――


「どんな感じの……、……」


『フナクイムシでは?』『うわキッショ』『ワームやんけ!?』『フナムシも大概Gだから人によっては……いや無理やこれ』『そっ閉じしてて草』『ステと使い道だけ見とくとええで』『メニューから画像オフもできるから……』『今回有益情報めっちゃ出るな』『わりとマイルドなのにここだけグロ残すのは何なんだよ運営』『カサカサ系でもヌルヌル系でもないからOK判断出した説』『やめろやめろやめろ想像させんなマジでやめろ』『ミル貝こんなんやぞ』


 見なかったことにしつつ、プレビューをオフにしてステータスを見た。


「艦内に入り込んで鋼材を食い荒らす……? (ピー)した方がいいんじゃないのこれ」


『こらぁ!』『せやね』『否定できない』『隠せてねー!』『害虫だな』『ほかに似たようなフネカリをテイムしてる人がいないとまったく意味ないと思う』『封印しといた方がええんちゃう?』『何言ったか丸分かりで草w』『デバフ反転とかないとゴミやね』『何の意味があって寄生虫飼わなあかんの』


 いろいろと問題があるようだった。

「フネカリ・オーバードレッドノート」

虫/魚介・巨虫/恐淵

【常人】


 ひざあたりまでの大きさから人間大の「ヤドカリ」より大きく成長し、巻貝だけでなく船やドラゴンの甲殻をまとい始めた超巨大ヤドカリを「フネカリ」と呼ぶ。なかでも、全幅(足を広げた端から端までを計測した長さ)100メートルを超える大きさにまで成長したものは、もはや自らを保護するために着られる大きさのものがなくなってくるため、自ら巻貝やドラゴン、果ては戦艦までを襲撃して自らの装甲に変えるとされている。じっさいの目撃情報はないため、そこまで強いのかどうかは不明。


 ヤドカリは虫系モンスターの中ではもっとも見た目がマイルドでとても大人しいため、愛玩用にそこそこ人気。その流れで「デカいなら強い」という考えでフネカリをテイムしようとすると、殻に潜んでいるものがすべてついてくるため、テイム枠のポイントがガンガン減っていく。このため、フネカリはテイマー向けの罠と言われ、安易にテイムしないようにという警告が広く流布されている。大きければ大きいほど殻(や、それに付随するあれこれ)についているものが増えるため、二十メートル級ですでに危険、五十メートル級はもうムリ、それ以上はアカン扱い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ