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いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~  作者: 亜空間会話(以下略)
5章 今は一人で歩こうローズ:行き雪疾くほどき

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197 だくだくだく人の終いと樹の笑う

 どうぞ。

 ベルターは、最初来たときに比べると信じられないくらい、見違えて復興していた。ほぼ何の問題もないくらい、立派な街になっている。


「おや、フィエルさん。何度もパフォーマンスや物資支援をいただいたおかげで、復興がとても速く進みました」

「ミゲルさん! しばらくぶりです」


 金髪が銀色に変わりかけた、穏やかそうな老人が微笑んでいた。


「教会騎士や司祭はあまり良い目を向けていないようですが……私個人としては、教義が命よりも優先されるものとは思っておりません。ありがとうございます……私の盟友、教え子たち、お世話になった方々の仇を取っていただいたこと。感謝しております」

「いくら罪科を積まれても、あんなこと見過ごせませんから」


 教会騎士のゾミアさんによれば、「教会関係者を殺害するのは罪科一億に値する大罪」らしい。クルディオが「沈療死施」所属、しかもあちこちで被害を出しまくっていたから処刑人を差し向けられなかっただけで、キャラの存続には致命的なやらかしだった。


 ちなみに、と追加で教えてもらった情報では、罪科は「審判」の性質を持つ特技を受けるときの威力に影響する、ということだった。使える人がほとんどいないから心配はしていないけど、「基本的には、相手の放った力が罪科の値だけ乗算されるものと思いなさい」と言われたから……今の私が「審判」属性を持つ特技を受けてしまうと、ダメージが十二億倍になる、らしい。


「何かお探しですか。今はまだ、それほど特産品やなにがしかはない街ですが」

「このあたりに、テイムできる動物っていませんか?」


 そう多くはありませんが、とミゲルさんはあごに手を当てる。


「リスや鹿、イノシシのたぐいはおりますが。〈道化師〉の方ですから、調教して演技をさせるのでしょうが……あまり向いているとは思えません」

「あっ、いえ。戦力として、欲しいんです」

「戦力。また物騒なことをなさるのですか」

「そういう……ことに、なっちゃいますね」


 ちょろたちが進化して強くなったら、たぶんサーチもそのまましてはくれるけど、ドラゴンだから前衛とか似た役割になるんじゃないか疑惑がある。とりあえず数をテイムして、役割かぶりがあったらまた別のモンスターを捕まえる方針を立てているけど……育てる時間もあるから、できるだけ短縮したい。


「ここから見える谷あいの、巨木の方に向かうと、動植物がたくさんいるダンジョンに入れます。お目当てのものが見つかるかは分かりませんが、いろいろと探るにはいいでしょう」

「ありがとうございます、行ってみます!」


 現実と折り合いを付けつつ生きなければ、みたいなことを言っているミゲルさんは、少し悲しそうだけど微笑んでいた。




 レベルだけ上げても仕方がないから、今のうちからみんなに戦ってもらって、組み合わせやそれぞれの仲良し具合も考えることにした。ちょっと遅かったかもしれないけど、はっきりした意識のあるフィーネとイヴはちゃんと会話ができている。


「あなたは主を支えるために生きるのですね」

「被造物は創造主のために働くものなのです。納得できない点もありません」

「わたしを造った存在は、それほどよい親ではありませんでしたね」

「それはそれは……」


 この二人の組み合わせは、被造物同士でそれなりに噛み合ったようだった。


「入るよー。二人には、ほかの子の面倒も見てもらうけど……ごめんね」

「仕方のないことです。あなたは指揮官としてさほど優秀ではないので」

「うぐっ」

「補佐を付けられた以上、とうに認識しているものかと……」


 二人で念入りに刺してえぐってくる。仕方ないので、大木の根っこにある穴……「授命根郷」というすっごい名前のダンジョンに入った。山中にはこっちを見るなり逃げていくモンスターしかいなくて、〈アクセルトリガー〉を使ってもまだ逃げ切られそうなくらい、全力の逃げを打たれてしまっている。


「アズリもフルルも、ちゃんとイヴの言うこと聞くんだよ?」

「ギャウ」「きゃあうっふふ……」

「言葉は通じていますが……その、すこし不安です」

「フルルはスキンシップした方がいいかなー」


 抱っこしていっしょに歩き、戦うときにぽいっと空中に跳ね上げてもらうことにした。イヴも甘えん坊だけど、フルルもそれ以上に甘えん坊で聞かん坊だ。みんなと仲良くなっておかないと、今以上に危ないことになる気がした。


「ギャウグ」

「どうかした? 木の実とか、取って食べてもいいよ」


 夜の森から打って変わって、ダンジョンの中はとても明るかった。太陽ほど明るくはないけど光源もあるし、ホタルみたいなものも飛んでいて、森林浴にうってつけだ。なにかの勘が騒ぐのか、それとも気になるものがあるのか、アズリの頭を取り囲む三つの仮面が、周囲をうかがうようにゆっくりズレていてちょっと怖い。


 道なりにゆっくり進み、何かいないかと探していると、前方にシカがいた――けど、ものすごい速さのステップで逃げていく。ダンジョンの中なのに、と思っていたら「ゴルル……」と原因らしい声が聞こえた。


 もともと大きいクマがもっと大きくなった、「パワーベア」がいた。どうして今まで気付かなかったのか不思議に思えるくらい、見上げるほど大きい。クッキーみたいに軽い小麦色で、色だけならかわいいのに、大きすぎて恐怖が勝っている。


「イヴ、この子はどうかな?」

「イヴの提案した方針とは食い違っています。戦力評価としては上々、悪くありません」

「そっかー。じゃあ倒そう」

「……逐一訊くつもりなのでしょうか?」


 自分でも考えないと、と考えつつ、私は武器を構えた。

 今日は早く書けたんで設定の整理と予定作りをします(2:24)

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