空を求めて
空欄が多いのは文章表現だと思ってください。
短く簡単に、心に少しでも残ってくれたら幸いです。
生まれた時の事は覚えていないが、最初に見た物は覚えている。
ソレはとても深くて綺麗な青色だった。
私には翼が有る。
そしてその場所に行く事ができるはずだった…
しかしその手は私を乱暴につかみ小さなかごの中に入れた。
かごはとっても小さくて羽ばたく事ができなかった。
窮屈だったが餌をもらえた。
退屈だったが病気にかかると直してくれた。
生きていく上で何の問題も無かった。
私は生きている飾りだった。
外の景色には必ず少し太い縦線が入っていた。
空を見ると、あんなに青くて綺麗なのに初めて見たときより
心が静かだった。
首輪は着いていないけど、体を何かに縛られているように感じた。
時より人がきて私の事を笑いながら見つめてる。
きっと翼を持ってるのに空にいない私の事が、
哀れで、滑稽で、面白くて仕方が無いのだろう。
私は何かをしたのだろうか。
私には分からないが、きっと計り知れない程悪い事をしたのだろう。
おそらくこれはその罰なのだから。
ある日私は自分の翼を捥ごうと必死に突いた。
翼が有ると空を見るときにつらいからだ。
しかしソレすらも許されなかった。
首におかしな物をつけられて突く事ができなくなった。
自分を傷つける事も許されず、与えられた物を食べて、
この狭い世界の中で、自由な外の世界を見せられながら朽ちてゆく自分。
悔しくて、
悔しくて、
悔しくて…
しかし何もする事を許されなくて、ただ時間だけが過ぎてゆく。
命の時間が消えていく…
大切に大切に飼い殺される。
絶望の中でもお腹は空くし、眠くなる。
そんな自分が憎くて、哀れで、たまらない。
何一つできない。
何一つ…
おそらく私は今日、死ぬ。
やっと終わる。
やっと終わる…
かごの外では人が泣いてる。
死なないでと頼んでいる。
よほど私が苦しむ姿を見れなくなるのが悔しいのだろう。
その手は優しく私を包み最外に出してくれた。
長い間夢見て来た外なのに目もかすんで動く事もできない。
羽ばたいてみろと言わんばかりに私を窓の開いた
場所におろした。
羽ばたく力なんて残っていないのを知っているくせに。
最後まで私を苦しめたいらしい。
空を見上げるとぼやけてはいたが、綺麗な青が広がっていた。
届かなかった空にいま私は届く。
客観と主観の違いを表現しようと思いました。