「高潔無比」
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目覚めたばかりで鈍っていた五感が、血に濡れたアーサーの姿を目に入れたことで、ぞわぞわと俺の肉の中で蠢く。
今も血を流し、自分の体から流れ出た血の池で失血死する前に溺死してしまうのではないかというほど思ってしまうほど、とめどなく流れては溢れて止まりそうにもない。このままではアーサーは..
「アーサーっ!!!!」
息はしているっ..体温は..意識は...
「おい起きろアーサーッ!!!寝るな!!目、覚ませ!!死んじまうぞっ!!!」
くそっ!!どうやったらアーサーを死なせずに済むっ!!!血を止めるにしても、止めるものなんて何もねぇしっ..息だって、今は吸って吐いてるけど、いつ止まってもおかしくないっ..
第一、こんなに血を流して人は生きてられんのかよっ..!!
「だめだだめだっ!!こうやって立ち尽くしてる間にもアーサーの体からは血が溢れて止まらないんだっ!!ゆっくりと観察してる暇なんてねぇっ!!!」
何とかして血を止めねぇと。
その後は、頑張って樹林を横断して、ロウィンに行って、医者に診てもらって、それで..
「痛ぁぁっ!!?」
この頭の痛みはっ..
「剣、てめぇっ!!!空気くらい読めよっ!!!アーサーが死にそうだっていうのに、馬鹿な事してんじゃねぇっ!!」
こいつ、マジで邪魔だなぁっ..消えてくんねぇかなっ..
「..ん?」
何だ、体が暖かい?それにこの服触りは..風が出る着物?
「何で今、着せるんだよ..」
本当、無機物の考えてることは分かんねぇな..人じゃねぇから当然っちゃ当然だけど、少しくらい、意味ある行動取ってくれよ。
「この服に人を治せる力があるってんなら泣いて喜ぶが、せいぜい俺を空の上に飛ばすか、身を、風の渦みたいなので包むだけだろ..」
.......待てよ、身を風で包む..?
「そ、そうかっ!!傷ついた個所を風で塞げば、血は、止めれるじゃねぇか!!!」
一年前、まだ鉱山奴隷として働かされてた時、掘ってた個所から地下水が漏れ出して、隣の鉱山都市から来た魔法使い?かなんかが、穴を魔法で埋めて水漏れを防いでたのをアーサーと一緒に遠くから見ていた記憶がある。
あの時は、魔法ってのは便利なんだなぁとしか思わなかったけど、見といてよかったぁ...
「よーし!早速試してみるか!!」
と言っても、どういったやり方で塞いだ方がいいのか。
傷口一つ一つに風を当てて塞ぐにしても、そんなに時間はかけられねぇし、持続し続けられるとは思えねぇ。
かと言って、体の線に沿った風の服みたいなのを作って、全部の傷口を同時に塞ぎ続けるにしても、そんな作るの難しそうな物、念じただけで生み出せるもんなのか?
「と、とりあえず、服のほうイメージしてみるか。時間は取れないけど..」
手をかざして、集中、集中..
「むむむむむ..これが魔力なんだろうけど、引き出される感覚は変な感じがすんなぁ..」
ロウィンに向かっている間に、何かの拍子でアーサーの体が傷ついたりするかもしれないから、服の強度は上げれる限界まで高めたいけど、あまりにも強すぎる風で包むと、却って傷口を抉ってしまいそうで、理想と現実の折り合いをつけるのは難しかったが...
「もうちょっとだ....よし、出来た!!」
魔力を引き出すのも魔法を使うのも初めてだったから、更に緊張して不安になったけど、秘められた才能というやつか、何とかしっかりとした服を作ることに成功した!!!
....ちょっ、ちょっと触ってみるか。
「おおっ..手、切れちまったりするのかと思ったけど、そんなことなかったな。むしろ、すこしこそばゆい」
だが、これなら持って運べるな。
「後はロウィンを目指すだけだ......何か聞こえる?」
だいぶ離れた先から音が聞こえる..何かが近づいて来るような足音が..
「アーサーが言ってた魔獣ってやつか..?」
早く進まなきゃいけないのにっ..運が悪いな。とりあえず、隠れてやり過ごそう。
「...っ....っ」
「........っ..」
(最低二匹..いや、三匹かな。声は二つ聞こえて..足音は、一体だけ少し重いか..?)
「..きっ........かっ....」
「......いっ......おっ.....」
(それにしても、随分とおだやかな声してるんだな..もっとおどろおどろしい感じかと思ってたけど)
アーサーが言うに、魔獣ってのはとにかく凶暴で残酷で、油断してると、簡単に足元掬ってくる位の強さがあるらしいからな。
それって結局どれくらいの強さなんだよって同時に思ったけど。
「まほっ..でっ....いだっ....」
「...ぜんっ....い.....いう..」
(....どういう事だ..?人に化けてるのか..?人が話してるように聞こえてきたぞ..)
(....どういうことだ..?人に化けてるのか..?人が話してるように聞こえてきたぞ..)
だとしたら厄介だな..わざわざ人に化けてるって事は、俺に気付いてってるって事だろ。
負ける気はしないけど、今は、戦わなくて済む戦いは避けたい..体力も時間も限られてるから、獲物違いであってくれ..
「そうは言ってっ....だけど、あんな魔法放てるのはっ..」
「確か...になっ....あの規模の魔法はっ....」
(違う..魔物じゃないっ..!!人だ、人が四人っ..!!)
近づかれてはっきりと分かった。間違いなくあれは、純粋な人だった。
「くそっ..ただの護衛任務かと思えば、とんだ外れくじを引いちまったなっ!」
「それは、俺のことを言っているのか?ここで決着をつけてやってもいいんだぞ」
「まぁまぁ!!お二人方!!喧嘩は収めて!!もうすぐロウィンですのよ!!」
「ちょっ!!?お嬢様っっ!!!体を外に出さないでくださいっ!!落ちますよっっ!!!」
俺が魔獣だと勘違いしていた二匹の足音は、馬車を守るように歩く二人から鳴っていた足音だったようで、言い争っているが、どちらとも、何が襲い掛かってきても対処できるように、意識は周りに向いていた。
そして、もう一つの一緒に聞こえてきていた足音は、馬の足音なのだが、額に血走った目ん玉が付いていた..ま、まぁ、この世界では普通なんだろ。荷物運んでるし、お利巧ということで..
後は、荷物が入った袋部屋みたいなのから身を乗り出して、護衛二人に話しかけている少女と、少女を注意する馬乗りの人だ。
「馬車に乗って一週間っ...あまりにも、あまりにも長いっ..!長いですわぁぁぁぁぁっっ!!!」
「あぁ~っ!!うるせぇっ!!ロウィンまであともう少しってさっき自分で言ってたじゃねぇかっ!!」
「もう少しと言ってもあと一時間っ..」
「お嬢様。正確にはあと一時間五十九分です」
「きぃっっ~!!細かいですわ!!!」
「大雑把すぎる..」
(こっからロウィンまで二時間か..いい話聞いたな)
「こうなったらっ..」
「お嬢様!!荷室から出てきてはっ..え」
「飛ばしますわよぉぉっっ!!」
「お、お嬢様ぁぁぁぁっっ!!!?」
「何やってんだあいつはぁぁっっっっ!!!?」
(....マジか..)
あのお嬢様、突然身を乗り出したかと思えば、馬乗りを下に落として全速力で馬、走らせちまった。
「お~ほっほっ!!!」
「お嬢様ぁぁぁぁぁっっ!!!!」
「待てやごらぁぁぁぁぁっっ!!!!」
「速すぎる...」
随分と楽しそうに馬を走らすお嬢様を追いかけて三人は駆け出した。
直ぐに背中は見えなくなったが、声だけはまだ響いている。どんだけ大きい声出してんだよ..
「ま、まぁっ..あの四人、特にお嬢様には感謝だな..おかげで、ロウィンに着くまでここから後、二時間ってことが分かったし」
後は全速力で向かうだけ..と、いきたいんだけど。
「困った事に、アーサーの傷口を塞ぐために作った風の服のせいで魔力がすっからかんになっちまったのか、さっきから力を込めても出ねぇんだよなぁ」
手に力を込めて魔力を出そうとするが、体の中から空気が抜けるような音がするだけで、魔力が出てくる感触は全くと言っていいほど無い。
作るのは簡単だったが、作るために必要な魔力は、想像以上に多かったようだ。
「それでも、頑張って目指すしかない」
魔力が出ないだけで手足に力は入る。
体には、今の所、剣に傷つけられた箇所しか怪我してないが、体力はそこそこで魔力はすっからかん。
後、二時間でロウィンにたどり着けるとしても、大変な事には変わりない..それに、
「立場が変わっちまったな、アーサー」
今にも死にそうなアーサーを抱えて早くに着かなくてはいけない。
そうしないと死んでしまうから。それが一番辛くて重い。
「待ってろよ、直ぐに助けてやるから..だから、死ぬなよ」
眠るように起きないアーサーの顔を見て思う。
俺を背負って一人孤独に黙々と、樹林を抜けれると信じて道なき道を横断し続けたアーサーの心には、どれ程までの絶望が伸し掛かっていただろう。
心の内を考えただけで、体が寒くないのに震えてしまう。
(気絶したとき、笑ってごめん)
今はただ、ありがとうと伝えたい。
その想いがロウィンを目指す執念となって、向かうための力に変わった。
.....................................
業平が駆け出してから二時間。
最初は、まだまだ木々に囲まれただけの道をひたすら走り続けていたが、一時間位経つと、樹林の中を完全に抜け出すことが出来て、立ち止まっている暇は無いというのに、無事、抜け出せれた嬉しさから大きな声で喜んだ後、気持ちを入れ直してまた走り始めた。
その後の一時間は、小麦色の草原を突っきったり、ロウィンまであと....と書かれた看板を見て一喜一憂したり、人食い鳥に襲い掛かられたりと心休まぬ時を経て、遂に、多くの人が立ち並ぶ、赤の国の地方都市、”ロウィン”に入るための門前にたどり着いたのであった。
「ぜぇぜぇ..よっしゃぁぁぁっっっ!!!!やっとたどり着いたぞぉぉっ!!!ロウィンっっ!!!」
疲れたぁぁっっっ!!!肩に力が入んねぇっっ!!座りたくてしょうがないっっ!!!座るかぁ..!!
「ふぅっ..医者に診てもらうにしても...疲れて今は..事情を説明する余裕もないし..アーサーには悪いけど、少し休んだら行くか..」
ダラーっとしたくなる良い天気でもあるし..
「..って、ダメだダメだっ!!いつ死んでもおかしくない状態なんだ!!早く中に入らねぇとっ」
足動かしてないと駄目だな..気が抜けて、直ぐに休みたくなる。
休憩するにしても、見てもらってる間にしよう。
「アーサー、頑張れよ。あともう少しだからな」
「きゃあああああああああっっっ!!!」
「ん?」
何だ..?今、誰かが叫んだような..
「死体を抱えた子供がいるうぅぅぅぅっっ!!!」
「死体を抱えた子供!!?」
そ、そんな奴もいるのか、異世界には。
この世の闇は全て鉱山内に集約されてると思ってたけど、そんな事もないんだな..可哀そうに..
「お、おいっ!!誰かあのゴミ処分して目に入んない場所に連れてってくれよ!!!気持ち悪くてしょうがねぇっ!!!」
「てめぇが行けってっ!!てめぇが!!!誰もあんなのに近寄りたくねぇよ!!!」
「ゔっ、ゔえええええっっっ....!」
「門番は何してるのっっ!!!早く殺しちゃってよあんなの!!!」
....クズどもがっ...
「ひいいいいいぃっっ!!!見られたぁぁぁっっ!!!呪い殺されるぅぅぅっっ!!!!」
「な、なんておぞましい形相っ...!!化け物めっっ..!!」
.....あれ?
「何を騒いでおる貴様らぁぁぁっっ!!!」
..び、びっくりしたぁっ!!異世界人ってのは、みんな声がでかいのか?
「も、門番さんっ!!!」
門番の人か..デカいな。顔も厳つくて、腕も、足の筋肉も。丸太の様に太く鍛え上げられている。
だけど、ちょっとやだなぁ..奴隷時代を思い出す見た目してて。
「落ち着け、なにがあったのだ?」
「あ、あれだよあれっ!!!あの死体抱えた汚いの!!!あれが俺たちの前に現れて呪い殺そうとしてきたんだよっ!!!」
「なんだと?」
....やっぱり俺か。
さっき、俺の方見て化け物だ何だ言ってたからおかしいなぁって思って周り見てたけど、みんな、汚いもの見る顔してたり、怖がったりしてたから薄々気付いてたよ..
俺じゃない可能性にも少し賭けてたけどね..
「ち、ちげぇよ!!こいつは死体じゃなくて、何とかギリギリのところで生きててっ..」
「嘘つけ悪魔っ!!人間がそんな血流して死なないわけないだろっっ!!!」
「ぐっ!!」
くそっ..!!それは反論できねぇっ..!!俺だって同じこと思ったから..痛いとこ突くなぁっ..
「そ、それはそうだけど!そ何とか死なずに生きてるんだよこいつはっ!!だから助けたくてここまで来たんだ!!」
「ふむ..」
わ、分かってもらえるかな?本当の事、この人には。
「もっ、門番さん!!騙されないでください!!こいつはっ、俺たちを呪い殺そうとっ..」
こいつっ..!またっ..!!
「それはお前らが勝手に言い出した事だろうがっっ!!!」
「ひ、ひぃぃぃっっ!!!悪魔が本性を現したぁぁっ!!」
「な、何だとこらぁっっ!!!」
ふざけるなっ!!人をさっきから悪魔だとか呪い殺すとかっ..!!嘘ついて、人を貶めてるお前らのほうがよっぽどの悪魔じゃねぇかっ!!!
「殺せ殺せぇっ!!化け物は切り刻んで殺しちまえぇっっ!!!」
「薄汚ねぇ害虫が!!とっとと潰されろっ!!」
「だめよ!!そんな優しいやり方じゃ!!私たちの事、呪い殺そうとしたんだから、徹底的にいたぶって後悔させてから死なせないと!!」
..こいつら、どの面下げて人の事、化け物だ悪魔だと言ってんだ?お前らのほうが邪悪だろ。
「おい、貴様。一つ聞きたいことがある。答えろ」
「は、はいっ?」
何だよ、聞きたいことって..
「その、さっきから貴様の隣で浮いてる剣は何だ?何故浮いている?」
「こ、これは、俺もよく分からないんですけど、俺の力で浮いて..ます..」
「ふむ」
や、やばい、怪しまれてる。
ど、どうしよっ、こんなことしてる暇は無いってのに、印象最悪だぁっっ!!
「この者達を呪い殺そうとしたのか?」
「す、するわけないだろっ!!」
「..呪い殺そうとしたと認めるか」
「は、はぁっ!?」
何言ってんだこの門番っ!!?聞き間違いなんて次元じゃねぇぞっっ!!
「だからしてないってっ..」
「動く出ないぞ、貴様。少しでもこの者達に危害を加えようとしたら、この槍で貴様の心臓を貫くからな」
「あんたどっちの味方だよっ..!!」
「黙れ、悪魔め」
こ、こいつっ..!
「ぎゃははははっっ!!あいつも馬鹿だなぁっっ!!こんな場所にのこのこ来て!!苦しめて欲しいって言ってるようなもんだろ!!」
「俺たちと違って生まれから不幸なんだ。だから、ここ、頭も悪い」
....好き勝手言いやがって..
「遠巻きで言ってねぇでかかってこいやお前らっ!!ぶっ飛ばしてやらぁっっ!!!」
「動いたな、貴様」
「があああっっ..!!?」
こいつっ..肩に槍をっっ..!!
「石でも食らえ悪魔っ!!」
「がっ..!!?」
だ、ダメだっ..頭がくらくらしてっ、足に力がっ..
「ほらっ!!」
「おごっ!!?」
「どうしたさっきの態度はぁっっ!!」
「いぎっっ!!?」
「これがっ!人間様を舐めた報いっ!!死んでっ!!償えっっ!!!」
「あがぁぁっっ!!?」
____________________________________
「....あっ...ああっ...」
「まだ意識があるか..しぶといやつめ」
あれから一体、幾つの石を投げられただろう..
腕とか足とか、腹とか頭とか、お構いなしに当たればいいからとどこにでも投げやがって....
アーサーに当たんないよう、守んの大変なんだぞ..
「も、門番さんっ..早くやっちゃってくださいよ..こいつ、本当に気味悪くて仕方ない..」
「まぁ、待て。こやつはここまで耐えたんだ。手向けとして、何かやらないのは酷いと思わんか?」
「はっ、はぁっ..」
いや、どっちみち、俺が死ねばアーサーも死ぬしかないんだから、守ってもどうしようもなかったか..
へへっ..馬鹿だな俺。
「おい、貴様、いいこと教えてやる。いいこと教えてやるんだから、話が終わるまで死ぬんじゃないぞ」
「........」
「ここロウィンの門前はな、一か月に一回、多くの人間がロウィンに入ろうと集まる日があって、その集まった人間の中から一人選んで、いたぶって殺すという残虐ショーを毎回開催しておるのだ」
「.......」
「勿論、選ぶ人間は誰でもいいわけでない。身寄りのないガキや、家族から捨てられた年寄り、犯罪を犯して国を追われた罪人に、貴様みたいに、一目見ただけで分かる常識外れが、大金払って選択権を得た大客から選ばれるわけだが、今日の様に満場一致なんてことは初めてだ。普段は、数人の客が名指しし合って、周りの反応が一番大きかった奴が選ばれるんだがな..皆から選ばれるなど、誇らしいことだぞ」
「......けっ、皮肉のつもりか..?それもくだらねぇが話も下らねぇ..」
「..中には、嫌悪感を抱くものも負ってな、貴様の様にこのショーをくだらないと貴族様に伝える者もおったよ..だが、今も継続されている。何故だが分かるか?」
「..知らねぇよっ...!!?ぎゃああああぁっっ!!!!」
「金になることが分かったからだ」
は、腹がっ..!!腹が刺されてっ..!!
「少し利益を見せただけで目の色を変えた。そのあとこう聞かれたよ。これは、もっともっと増えるのかと..まぁ、今では金よりもショーに夢中なようだが」
「抜けよっ..!!これっ..!!」
「減らず口を叩いた罰だ」
くそぉっっ!!こいつっ、舐めやがってっ..!!
「長くなってしまったな..そろそろ、集金といこう....」
「はーい!!私!私!私が今日のめ・い・ん♡」
..なんだ..こいつ..
「いつもありがとうございます」
「こちらこそいつもありがとうだよ門番ちゃん!!それじゃ、かけちゃうね」
「はい」
手を挙げて、何する気だ?
「処刑方法は~、火あぶりがいい人!!」
は?
「ん~、あんまりお金投げられないね。つぎいこっか」
それからは耳を塞ぎたくなるほどの、俺の処刑方法を決めるための提案の連続だった。
「溺死!!..さっきより少ない..」
「八つ裂き!!..おぉっ、これは多い」
「石打ち!!..はもうしたもんね」
「他だと..」
「ということで、選ばれたのは見殺しでした!」
「......」
「君、出来るだけ長く生きて苦しんでね。処刑が続いてる間もお金は投げられるから」
...アーサー、悪い、俺、お前の事、助けてやれないかも。
中世ヨーロッパ時代の鉱山開拓のやり方で壁から地下水が漏れ出ることがあるかはしっかりと調べられませんでした。間違えてたら申し訳ありません。いろいろ勉強中ですのではえ~そうなんだみたいな感じでお流しください。水だけに。なんちゃって。