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「銀速」

「ベルドファーロ」


撃ち込まれた水銀の散弾を剣で払い落しながら、一歩一歩、仮面の男の元に近づいていくアーサーを狙って魔法が唱えられる。


作り出された数本の太い銀線が、地中と地表を交互に縦に跳ねながら突き進み、左右から襲い掛かった。


「....オルクス、パワーブースト」


前進するので手一杯なアーサーは、目前にまで迫らせてしまった銀線を今直ぐに避けるのは不可能と瞬時に判断すると、自信に魔法をかけ、中頃部分を斬り上げてから横に移動した。


「クアンテ」


その間に仮面の男は、横に移動された後、建物の中に隠れられない様に先が鋭くなっている巻状の銀の棒を多く作り出し、新たな水銀の散弾と共に発射して追い込みをかけ始めた。


「スピードブースト」


焦りも無く、二度目の自己強化を行い速さを上げたアーサーは、絶えず降り注ぐ銀の雨と化した散弾群を斜め横に回りながら走り抜けると、更に仮面の男の元に近づく。


「ギオラ」


「パワーブースト」


身が薄くなる代わりに弧に広がり、斬れ味も増す銀の刃を解き放って迎撃しようとする仮面の男だが、飛んで(かわ)され、目の前に現れたアーサーの、四倍に膨れ上がった力がふんだんに込められた一撃を上から叩きつけられた。


「....っ」


鈍い音が辺りに響いる。


しかしそれは、仮面の男の頭部が砕き割れた事で発せられた異音ではなく、間に割り込んだ水銀の盾によってアーサーの渾身の一撃が防がれた事を示す(しら)せによるものであった。


「いいのか、退くだけで」


盾が溶け、剣身に絡み付いて内に引きずり始めた為、アーサーは強引に引っこ抜き、乱された態勢を整えようと後ろに下がってしまう。


手痛い返しが待っている事にも気付かずに。


「その位置ならば充分に届くぞ」


螺旋状の銀(そう)が直線に放たれる。


「っ....!!」


「ベルドファーロ」


横に飛び引き、転がり、地に手を押し付け立ち上がろうとするアーサーであったが、真下から銀線を突き出され串刺しにされてしまう、


「ふむ、形態を変えたか」


その前に、飛び上がりながら二振りに変化させた双剣を振るって突き出た箇所を斬り落とすと、次の攻撃に移る為に駆け出そうとした。


(かえ)って狙い目だな」


仮面の男は、至って冷静な様子で指を弾き、斬り落とされた銀線に魔力を灯す。


すると、爆発する様に細長い針が無数に広がって今度こそアーサーの胴体を貫いた。


「先ほど貴様はこう言ったな。もし私が、貴様が思っている以上に弱く、簡単に殺されてしまうような存在だったら困ると」


片膝を付いた状態で苦しんでいるアーサーを見下ろしながら、仮面の男は更に周りに水銀を滲ませていく。


「そのままの状態でいい、もう一度言ってみろ」


用意した銀世界の中では全ての動きが鏡に映った様に反射されるので死角というモノは無く、また、全方位から攻撃を仕掛けれる準備も整えてあるので攻守共に万全。


「誰が何だと?」


一切の余剰も残させない強固で堅牢な外殻で相手を包み、嬲り殺す。


それが、仮面の男が得意とするいつもの十八番であった。


「.........二言は無い」


空けられた穴から血が漏れ出ている状態のアーサーであったが、変わらず焦った姿は無かった。


むしろ、苦境に立たされているというのに自身に溢れた様子でいて、自身の規格に合った照準を一刻も早く捉えたいという欲望を覗かせていた。


「パワーブースト」


為すべき事を見つけたアーサーの成長はめまぐるしい。


それは、ドラップ樹林を抜け出そうともがいていた時と比べ、六倍の底上げ程度では肉体に一切の支障が生じなくなった今の強さが証明しようとしていた。

初めて感想頂いたんですけどね、何故か消えていて、とても悲しくなりました。



運営めぇ..!!!

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