ガソリュージマ
女子中学生 源ムサシは、木刀使いである!
木刀が得物なのは 某 有名剣豪の子孫だからであって、非行少年ではない!
皐月コジローは、長刀使いである!
両肩に担いで歩くと天秤棒と誤解されがちだが、物干し竿ではない!
鳳凰院リュウは、槍使いにして薙刀使いである!
槍と薙刀の二刀流だが、長すぎて二刀を持ち歩けないのは秘密だ!
越岡 童女は、うどん屋の跡取り娘である!
ムサシに敗れて評判の落ちた ご先祖さまが剣術道場をたたんで うどん屋を始めると、なんと これが大当たり!
今日も店の暖簾を守りつつ、親友のムサシが学校帰りに食べに来るのを待っているのだ!
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浜辺の一角で一人、鳳凰院と対するムサシ……。
「ムサシ、敗れたり!
仲間と連携もせず……。一人 突出するとは、生きて帰るつもりがないと見た!」
「……くぅっ!」
《待ちなさい!》
棒高跳びしながら現れる人影。
「越岡──?!」
「なぜ、貴様がここに!?」
「ムサシを倒すのは…… アタシだからだッ!」
「笑わせるな! うどん屋に何が出来る!」
越岡は、罵声にも怯まず、落ち着いた構えで鳳凰院に対する。
‘……ビュオッ!!!’
「なッ!?」
かろうじて回避、たたらを踏む鳳凰院。
「わが先祖は うどん屋を営む傍ら、密かに再起を……
打倒ムサシを図っていたのだ!」
「越岡流 麺棒術、十三代目 越岡 童女!
参る!」
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「我が流派では、ヤリとナギナタを同時に習う……。なぜか、分かるかッ!」
猛攻を加えながら問いかけるリュウ。
童女は攻撃をいなすのに精一杯だ。
「こういう…… ことだッ!」
‘ブゥンッ……’
鳳凰院のヤリの石突きから、光が薙刀状に伸びる。
ブォッ!
砂地を転がるように全力回避する童女。
「……気功刃」
「ほぅ……?」
「わが先祖はムサシだけでなく、その対戦相手をも調べつくし、糧とした……」
「なに……?」
童女が持つ棒の先端に 銛状の光刃が形成──
‘ドヒュッ!’
「うぉっ!?」
射出された銛を 鳳凰院が紙一重で回避。
砂地に突き立つ銛は光の鎖により童女の手元に引き戻される。
「銛棍矛槍……。この棒は、複数の武器の性能を併せ持つ……」
「……1つで5つとは豪勢だな、しかし……」
「……」
「使いこなすには、相応の修練が必要であろ?」
「分かるか……」
「ま…… 人のことは言えんがな? 得物が似ても、よくて2つ……。それ以外は半端よな?」
四コマ漫画の素案
元ネタ
宮本 武蔵
佐々木 小次郎
槍と薙刀の宝蔵院流
吉岡道場と染め物業