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ばれてるぽいけどまだ何とかなると思いたいよ

「二本でじゃあ、小銀貨1枚?」


「やっす、有難う御座います!病気の人が多いから、それは助かる!」


 事実だ、ただしそれを売りつけるつもりではあるが、手術で体中に負担をかけるのを繰り返すならば、ポーション一つで治るのであれば安いと言う物だろう。

 果たしてこれを幾つ売って貰えるか、それが問題であるが――


「何本売ってくれますか?」


「最近薬草が不作だったから、値がつり上がってるってのに、安いってんだから、あんたら相当金持ちかい?買ってくれるならこっちはおまんま食い上げだから嬉しいけどね。どうする?買うかい?買うなら大銅貨5枚で一本売るよ?」


「じゃああるだけ全部買います!!」


「そしたらコッチで病気になった人居たら迷惑でしょう?迷惑にならない程度、売って欲しいんですけれどね」


 どうだろうかと真二とあまねが言えば、苦笑した受付の御婆さんは15本程を売ってくれた。


「それくらいあれば病気の人間にいきわたらないかい?薬草採取にようやく行けるからね、また来る頃には増えてるだろうよ」


「有難うございます!!じゃあ、じゃあこれで……」


 銀貨3枚と大銅貨5枚を出して購入すれば、御婆さんは嬉しそうに笑っていた。


「怪我用のポーションは、おいくらですか?」


「同じ値段だよ。こっちも買っていくのかい?」


「ええ!勿論です。大やけどを負ったときとか凄く便利ですよね」


「確かに!自分達用も持っておこうよ」


 そう言われあまねは頷いて見せた。



*****



 宿屋から、街の外に向けて歩き出す。

 宿を引き払っているが、もうランの家があるのだから不要だろうということだった。

 それにしても、沢山買えたねと二人は言い合う。

 その表情は嬉し気だった。


「怪我用のポーションも沢山買えたし良かったね」


「そうだな!後は数日後に来ることにして、何日後くらいにする?それまで他の街の話でも聞く?」


「そうね、そうしましょうか」


 ね?と言われれば真二も、応と返事を返す。

 すっと異界渡りをして――そして帰宅した二人は気づかなかった。

 と言うよりも上機嫌であり、目に入らなかったのかもしれない。

 帰宅をしたらそこには、ランを捕まえる男の姿と、それ以外にも黒服の男たちの姿があった。

 喪服か?と言ういで立ちで、平素であれば気づいていただろうに、全く気付かず、あまねは取り押さえられて気が付いた。


「……ッ!!ななななあん、なに?!」


「ど、まぅ、あ、へえええ」


 真二も捕まったらしく、肩を抑え込まれ、口を閉じられる。

 騒ぐなと言う事らしい。

 一体何がどうなっているのか?

 ここはランの部屋のはずだ。


 どうやらまみこが視界の端に映っていたから油断していた様子な二人。

 まみこは男性と並んでしー!と、静かに口を噤むように言ってくるが、あまねは空気を読まなかった。

 まみこ!と「ナニコレ!!」と問えば、ランことまみこはあちゃあと言う顔。

 今はまみこ呼びをしてほしくなかった。


「やっぱりまみこだったじゃないか」


「……いいえ、ランです。ランなんです」


「まみこだろう?なあ、さっきの人が急に現れたのだって驚いたし、一体何があったのか教えてくれてもいいんじゃあないのかい?」


 どうなんだいと言われれば、まみこは困惑してしまう。

 自分の身体は残っていなくて、それでこっちでアイドル活動してました何て、誰がどう説明したら信じて貰えると言うのだろうか?


 信じないでしょうから言いたくないのよとまみこが言うと、何をだいと慎太郎はいう。

 そう、男はまみこの伴侶(予定)の男、慎太郎だった。

 大財閥のご令息である彼は、今日もアイドルに会えるのだからと、重役たちと嫌々ながらも付き合いと言うことで連れられやってきた。

 そこで運命の出会いがあったと言う事だった。


 だが、往生際悪くまみこは言う。


「私はランなの!あなたの知ってるマミコじゃありません!!」


「でも、まみこだろう?あなたなんて他人行儀過ぎるよ。いつもみたいに呼べばいい」


「ていうか何でまたばれてるぽいの?」


「そうだよ、何で?って言うか、一度話し合いません?俺等話をしないといけないだろうから……」


「いいだろう、ただし面白くもない話をしたら、どうなるか分かっているだろうな?」


 男――慎太郎は、物騒な表情を真二に向けていたのだった。



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