無口な彼
「明奈、ここの首筋にもホクロあるんだね!
もっと色白に見える!
私、水泳部だからその白さは本当に羨ましい。」
楽しそうに友人に指摘された。
彼女に悪意はないのは分かっている。
前に将来の肌の心配をしていたし、ギャルに見られて嫌だと話していたから本心だろう。
でも私もこの色の白さは悩みだ。
肌は白いが何故かホクロが多い。
日焼けしたら目立たなくなるかなと思って試したが、火傷の様に全身が痛くてもう二度と肌は焼かない。
それから必需品に日焼け止めがある。
そんな私の学校での癒やしは大塚真司くんである。
大塚真司くんは無口だけど声が凄く良い。
低すぎず落ち着いていて色気がある。
彼の斜め前に座る私は現代文と英語の時間が好きで、点数は良くないけど、彼の美声を堪能できる。
斜め前なので一番聞きやすい。
授業中表情に出ないように真剣な顔を作り、声に集中する。
今日もごちそうさまです。
たまに考えるのは、真司くんに彼女はいないのかなと思うことがある。
休み時間に女子が来る様子もないし、帰るのも部活メンバーだったり、クラスの男子と帰っているみたい。
彼女になれたら幸せだなと思う。
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片思いをテーマに書いてみました。
楽しんでいただけたら幸いです。