足跡
穏やかに揺れる海面
瞼の裏に月は映えて
光は降りそそぎ
微粒子となって
仮初めを重ねる
悠久を刻む砂時計のように
蒼白い嘘の足跡に
振り返ることなく
眼を瞑る
波間に耳を澄ませ
少女の初恋の導きに
孤児院を抜け出した
孤児が
誰のものでも無い罪を
裸足でなぞり戯けてる
夢を纏う漂流物の
打ち寄せられるままに
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読んでくださりありがとうございました。