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 もう少しだけお父さんの話を聞いて、私とお兄ちゃんは帰ることにした。


 駅まで送ってくれた度会さんにお辞儀をしてから改札をくぐって、何気なく後ろを振り返ると、度会さんはまだ見送ってくれている。


 私はもう一度お辞儀をしてから、お兄ちゃんと一緒に短いエスカレーターに乗って、前に立つお兄ちゃんに言った。


「度会さん、いい人だったね」


 お兄ちゃんは私を振り返ると、小さく頷いた。


「俺達が死んだ時にも、ああやっていつまでも忘れずにいてくれる友達がいるといいよなあ」

「そうだね。お兄ちゃんって親友っているの?」

「うーん、どうかな……」


 エスカレーターを降りたお兄ちゃんは、ホームに繋がるエスカレーターに向かって歩きながら続けた。


「親友と只の友達の境目とか、どこにあるのかよくわかんねえし、『どんなことでも隠し事なしに何でも話せるのが親友』なら、俺には一生親友はできねえかも」

「あ、それ私も同じかも。やっぱり、お父さんのことは友達には言い難いよね。お父さんが死んじゃったことは話の流れでさらっと話したことあるけど、死因までは友達も詳しく訊いて来なかったし、訊かれないならわざわざ話すことでもないかなって思うし……」


 今はまだ全然想像できないけど、友達じゃなくて恋人ができたら、その人には話す気になれるのだろうか。


 私も、お兄ちゃんも。


 




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