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「不倫関係だったかどうかは置いておくとして、お父さんは結城さんと友達だったんですか?」
私がそう問いかけると、度会さんはグラスの中のアイスコーヒーを揺らしながら、少し自信がなさそうに答えた。
「多分だけど、友達って言える程親しくはなかったんじゃないかな。お母さんを通して、結婚前から面識はあったのかも知れないけど、お父さんは付き合ってもいない女の人と気軽に出掛けたりするタイプの人じゃなかったし」
だとすると、友達でもない女の人が、わざわざお父さんと連絡を取った理由は何だろう。
友達なら特に用事がなくても、何となくおしゃべりがしたくて電話することもあるだろうけど、友達でないなら絶対何か理由があった筈だった。
「あの、お父さんと結城さんとの間に、何かトラブルはありませんでしたか? 例えばお金の貸し借りとか……」
私の質問に、度会さんは軽く首を横に振った。
「お父さんは真面目で大人しい人だったから、人とトラブルを起こすなんて、ちょっと考えられないよ。お金も貸すことはあったとしても、借りることはなかったと思う。トラブルがあったんだとしたら、貸したお金が返って来ないとか、そんな感じだったんじゃないかな?」
やっぱり、お父さんはちゃんとした人だったみたいだ。
そのことを嬉しく思っていると、今度はお兄ちゃんが度会さんに尋ねる。
「じゃあ、結城さんが事件の日に父と会っていた理由に心当たりはありませんか? 何でもいいんです。その頃父の様子がおかしかったとか、何か悩んでいたとか、そういうことはありませんでしたか?」
度会さんは少し考える素振りを見せてから、躊躇いがちに言った。
「結城さんに関係あるかどうかわからないけど……」
度会さんはそう前置きをした上で続けた。




