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 次の土曜日。


 今日は度会さんに会う約束の日で、私とお兄ちゃんは一緒に家を出て、東京まで出掛けた。


 度会さんは私達の最寄り駅まで来ようかと言ってくれたそうだけど、わざわざ来てもらうのも悪いから、私とお兄ちゃんは度会さんの家がある最寄り駅まで行くことにしたのだ。

 

 電車に一時間半近く揺られて、目的の駅に着いたのは約束の時間の十五分前――十三時四十五分だった。


 エスカレーターを下りると、その正面は改札になっている。


 改札の向こうにはコンビニがあった。


 私とお兄ちゃんは改札を出ると、コンビニに足を向ける。


 度会さんは改札の前にあるコンビニの横に、紺色の無地のTシャツとスキニーデニムを着て待っているという話だったけど、それらしい人はまだ来ていなかった。


 今日も暑いから、正面のコンビニで涼もうと中に入ってみたものの、ここはドアがないタイプのお店で、それ程涼しくない。


 私とお兄ちゃんはコンビニの中を適当に冷やかしたり、ジュースを買ったりして時間を潰してから、コンビニの外に出た。


 度会さんが来ていないか、コンビニの周りを見てみると、コンビニの左手で度会さんが言っていた通りの服装の男の人が改札を見つめている。

 

 この人が度会さんだろう。

 

 どれだけの喧騒の中にあっても、度会さんの周りだけは変わらず静けさを保っているんじゃないかと思うような落ち着きを感じさせる、端正な顔立ちの中年男性だった。


 卒業アルバムの写真より随分老けてはいたけど、体型はスマートだし、髪だって黒くて、あの写真の面影がはっきりと感じられる。


 お父さんと同い年ということは、今年で四十六歳の筈だけど、実年齢よりちょっと若く見えた。


 これくらいの年の人はもっとくたびれた雰囲気を漂わせた人も多いけど、度会さんにはそれがないせいもあるだろう。





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