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 数日後。

 

 私は教科書やペンケースが入ったリュックサックを背負って、近所の塾へ向かっていた。


 今日は塾の夏期講習だ。


 今日も暑くなると天気予報で言っていたものの、曇りがちだし、朝で気温もそれ程上がっていないから、今は割と過ごし易い。

 

 特にいつもと変わらない一日になりそうだけど、今日はお父さんの命日だった。

 

 とは言っても、お父さんのお墓参りに行く予定はない。


 お母さんがお父さんのお墓参りになんて行く訳がなかったし、お墓の場所を覚えていない私だけでなく、多分場所を覚えているお兄ちゃんも行ったことはないだろう。


 伊武のおじいちゃん達とも再会したし、行こうと思えば行くことはできたけど、まだ行く気にはなれなかった。


 お父さんが不倫をしていなかった確証もないし、今のところお父さんはまだ裏切り者のままだ。


 そのお父さんを大事にするような真似をしたら、私は言い訳のしようもなく、完全に裏切り者になる。


 お母さんに「お父さんのことは忘れなさい」なんてはっきり言われたことはないけれど、積極的にお父さんに寄り添うような真似をするのは後ろめたくて、少し勇気が必要だった。

 

 だから、特別なことは毎年何もしていない。

 

 ただ心の中でこっそりお父さんのことを偲ぶだけだったけど、もしお父さんが潔白だったら、ちゃんとお墓参りをして、お父さんにこれまでのことを全部謝ろうと思う。


 ただ本当に不倫していたのだとしたら、多分もう二度とお墓に行くことはないだろうけど。


 真実は一体どちらなのだろう。


 できることなら早く真相を知りたい気持ちはあるけど、私は学生だし、毎日の生活がある。


 話を聞かせてくれる人達だって、それは同じだ。


 そもそも真相に辿り着けるかもわからない。


 焦ってもしょうがないし、無理のないペースで調べて行けばいいだろう。

 

 私は歩調を上げて、道を急いだ。






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