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 次の日。


 お兄ちゃんは朝からアルバイトに出掛けて、家の中には私とお母さんの二人きりだった。


 週末は平日にあまりできない掃除をまとめて済ませることが多い。


 昨日もお兄ちゃんと手分けしてお風呂場や玄関を掃除したけど、今日はお母さんと一緒にリビングダイニングキッチンの掃除をすることにした。


 私はついでに自分の部屋を軽く掃除すると、バッグを手に、図書館に行くと言って家を出る。


 外はドアを開けた途端に出掛けようという気持ちが挫けそうになる暑さだったけど、私は何とか家の外に出て、ドアを閉めた。


 いつものようにマンションの外に出て駅の方へ向かうと、駅横の商業ビルに入る。


 エアコンが効いた店内は涼しいけど、エレベーターの中は少し暑かった。


 私は図書館のある六階ではなく、五階でエレベーターを降りると、インナーガーデンに向かって歩き出す。


 日曜日のインナーガーデンは人で賑わっていて、ベンチはほとんど埋まっていたけど、タイミング良く窓際の、背凭れのない木製のベンチが空いたから、私はそこに腰掛けた。


 お母さんには図書館に行くと言ったけど、それは只の口実で、お母さんのいない所で電話を掛けることが今日の私の目的だ。


 見ず知らずの男の人に電話を掛けるのはちょっと怖いけど、女の人なら安心だった。


 私はバッグの中からお父さんの携帯電話と自分のスマートフォンを取り出すと、お父さんの携帯電話を開いて、着信履歴を頼りに結城さんの電話番号を入力していく。


 結城さんは出てくれるだろうか。


 知らない番号からの電話には出ない人も多いし、そもそも日曜日だからと言って、仕事が休みだったり、用事がなかったりするとは限らない。


 出てくれても、私がお父さんの娘だと信じてもらえなかったら、イタズラか何かだと勘違いされて、相手にされないかも知れなかった。






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